【第四話】冒険者
【登場キャラ情報】
名前 :シャチ 職業 :剣士
レベル:7 熟練 :10
HP :126 MP :32
攻撃力:42 防御力:19
魔力 :8 抵抗 :12
命中 :15 回避 :7
ラック:5 特殊 :なし
村を探して歩き続けた。
朝昼晩休まず歩いた。
もう三日くらい歩いたかな?
そろそろ村がないと
俺の人生ピリオドだぜ!
そもそも魔物って何食べれば良いんだ?
普通に食事してもいいのかな?
お腹が空いてクラクラする。
お水は大丈夫だったけど
動物とか大丈夫なのかな?
やっぱり魔物だから人間を
食べるのかな?
うえっ、想像しただけで吐きそうだ。
こんな調子で歩き続けていた。
すると遠くから明かりが見えた!
これは村に違いないと確信した俺は
あの百メートル走の金メダリスト、
ボ○トをも越えるスピードで走った。
明かりがどんどん近くなる。
「村だぁぁぁぁーーー!!」
嬉しさのあまり俺は叫んだ!
世界の中心で何かを叫ぶより
純粋でピュアな気持ちで叫んだ。
走って村の入り口まで行くと
人間の姿しか見受けられない。
魔物らしい姿はどこにもいない。
とうやら人間の村に着いたらしい。
これ、やばくね? マジでやばくね?
俺魔物だから退治されるんじゃね?
ここは逃げた方がいいかな?
でも逃げたところで力尽きるし
どっちにしろ死ぬやん。
命乞いしたら助けてくれるかな?
どうしようか迷ってるうちに
村の門番が二人近づいて来た。
一人は槍を握っている。
ゲームで言うと武器は鉄の槍、
防具は皮の鎧あたりかな?
もう一人も同じく皮の鎧、
武器は鉄の剣と、盾を装備している様だ。
ん?あの盾はもしかして······
ま、まさか······鍋の蓋!!
あはは! 鍋の蓋装備してるよこいつ。
ギャグかこれは!
チョーウケるんですけど!!
こいつは雑魚だな確実に!
笑っている俺に鍋蓋門番が話しかけてきた。
「お前! 夜に外を出歩くとは何考えてるんだ!
魔物に殺されたいのか!」
おや、俺を人間だと思っている。
助かった! このまま話をしよう。
「助けてください! 私は旅をしている者です。
旅をしている最中、魔物に襲われたので
何とか逃げ出したのですが、その際崖から
落ちてしまい気を失ってしまいました。
気がつくと夜になっていて、
怖くて怖くて、ここまで走って来たのです」
門番達は驚いた顔で俺を見た後、
槍門番が話をした。
「そか、よく無事でここまで来た!
ここはもう安全だから中に入りなさい」
よし、侵入成功! 人間は俺を魔物だと
判断できないらしい。これは良い情報だ。
このまま村に入り、色んな人から話を聞こう。
【ルド村】
村に入った俺はまず空腹を満たす為、
この村で一番客が入っているお店を探した。
村はそれほど大きくないが、
お店は一通り揃っていた。
武器屋、防具屋、道具屋、宿屋、居酒屋、
ん? あの看板はよくわからないが
もうひとつ店があった。
あとは民家が並んでいる感じだ。
夜なのに人通りがあるのは
治安がよい証拠だ。あの門番達が
しっかり働いているからか?
鍋蓋門番はどう見ても
強くなさそうだ。
門番は村の当番制なのか?
それなら納得できる。
色々考えながら歩いていると
人声で賑わっている店があった。
恐らく客がいっぱいいるのだろう。
俺はそこで空腹を満たしながら
他の人間の話を聞く事にした。
【村一番の飲み屋:暁亭】
店にはたくさん人がいた。
カウンター席に4人、テーブル席に10人以上いた。
店員さんは忙しそうに働いている。
俺は隅っこに空いていた席に座る。
隣に座っているのは4人組か。
見た感じ武器や防具を装備しているので
パーティーだろう。
少し話を聞いてみるか。
······
しばらく話を聞いた所、
この4人組はパーティーを
組んでいるようだ。
シャチと言う男は剣を装備し、
リーダー的な存在だろう。
スーダーと言う男は短剣を装備している。
あまり話に参加していないようだ。
ボンと言う男は杖を装備しており、
回復とか言っていたのでヒーラーだろう。
ミーシャは弓を装備した女だ。
シャチ
「と、言うわけで明日はこの作戦で行く」
ボン
「それでは回復ばかりでMPがもたんぞ!」
ミーシャ
「まず遠距離で攻撃したほうがいいんじゃない」
どうやらダンジョン攻略に向けての
作戦会議をしている最中だろう。
シャチが囮になって魔物をおびき寄せ、
残りの3人でまとめて倒していく作戦のようだ。
確かにパーティーでタンカーが必要だが、
シャチはどう見てもアタッカーだし
まとまった魔物の攻撃を
受けきれるとは思えない。
シャチはできると思っているが
ヒーラーのボンは無理だと言っている。
ミーシャは遠距離攻撃で
一匹ずつおびき寄せて
倒す方法を提案している。
ゲームではミーシャのやり方が
安全だ。もちろん時間はかかるが
死ぬリスクが相当減る。
シャチのやり方は、すごく効率が良いが
事故るとパーティーは全滅する。
まとめて狩るには装備のスペックが
それなりに良くなければいけない。
4人組の装備を見たところ、
先ほどの門番とあまり変わりない。
まあ、鍋の蓋はさすがに装備していない。
シャチの作戦で行くと確実に
死ぬなこれ。仮に魔物の攻撃に
耐えられたとしてもボンのMPが
すぐに尽きてパーティーは全滅するだろう。
シャチは相当自信家の様だ。
こんなやつよくリーダーにしたなおい!
地雷リーダーやん!
「へいおまち!」
ちょうど注文しておいた
お肉とスープがテーブルに届いた。
俺は待ってました!と言わんばかりに
すぐにお肉を口に運んだ。
う、うますぎる!
俺はしばし食事に集中した。
何事も考えず、ひたすら食べ物を
胃袋へ流し込んだ。
このスープもすごくうまい!
そのままスープをジュースのように
ごくごく飲みほした。
そして食事は終了した。
俺の食事が終わった時、
隣の4人組の話し合いも終わった様だ。
シャチ
「明日は任せておけ! うまくいくから!」
ボン
「俺はもう知らんぞ! 責任取らんからな!」
シャチ
「そう怒るなってボン、やばくなったら
みんなですぐに逃げれば大丈夫だって」
ミーシャ
「もう決まったんだから全力を尽くしましょう。
今更文句言っても連携が取れなくなるわよ」
ありゃりゃ、結局シャチの作戦なんだ。
魔物をまとめる分数が多くなるから
正直逃げきれないんだよなぁ。
明日確実に全滅かなこのパーティー。
ダンジョンか······
これはもしや、この世界のダンジョンを
見る機会じゃないか?
人間の装備など見るとまだ初期村っぽいし。
初期のダンジョンならかの伝説なトラップ
「モンスターハウス」もないだろう。
このパーティーじゃ危険だと思うが
一緒に行けば見学できるな。
できる限り逃げれる位置取りをして
いざとなったら置いて逃げればいい。
そうだな、一人で見学に行くより
よっぽど安全だな。
よし、ついていこう!
俺は4人組に話をかけた。
「そこの方々、冒険者ですか?」
シャチ
「そうですが、何か?」
「私、一度ダンジョンに行きたくて
強そうな冒険者様を探しておりました。
あなた様はとても逞しく勇敢そうな方、
そちら様は英知溢れる方、
そして神業で確実に魔物を仕留めそうな方、
絶世の美女までいるこのパーティーは
まさしく私の願いを叶えてくれそうな
冒険者様だと思いました」
シャチ
「お、そ、そうか?」
「邪魔になるのは重々承知の上で
お願いしております。荷物持ちでも
なんでもやりますので、願わくば
明日のダンジョンのお供に!!」
俺はないことをペラペラ話しながら
土下座してお願いした。
シャチ
「わかりました。そこまで言うなら
お供に加えましょう。
なぜ座りながらお願いしたのか、
わかりませんが
パーティーに空きが1人分ありますので
もしよろしければ行きますか?」
どうやらこの世界に土下座はないらしい。
なんか恥ずかしい。
俺は土下座をやめ、立ち上がり感謝を伝える。
その場で自己紹介を簡単に行った。
シャチ
「あなたの名前はなんですか?」
「な、名前は、えーと」
やば! 名前考えてなかった!
「私はタ、タルトです」
うひょ! 変な名前!
とっさに浮かんだのがタルトとは······
明日の集合場所と集合時間を聞いて
4人組と別れを告げた。その際食事代も
なぜか出してくれた。
よっぽどシャチという人間、
気分がよかったのだろう。
さて、明日の集合時間まで野宿するか。
俺、お金持ってなかったんだよね。
こうして俺はタルトとして、
この世界のダンジョンを見学すべく、
冒険者達と一緒に攻略に向かうのであった。




