【第十八話】初陣②
【人間界:レンタルダンジョン】
冒険者共はダンジョンの入口から細い一本道を突き進む。
先頭はジョー、続いてバーン、リサ、キャス、ロベルトの順で進んでいる。
冒険者共はこの細い道を躊躇なく歩いていく。
そしてすぐに最初の部屋に到着するのだった。
ジョー
「おや、なんか部屋に出たぞ。皆油断するなよ」
バーン
「んー、こう暗いとよく見えんのじゃよ」
リサ
「バーンは鳥目だから見えないんじゃないの?
ここは私が見てみるわ」
リサは薄暗い部屋を隅々まで眺める。
そして部屋の中央にある宝箱を発見する。
リサ
「中央に宝箱があるわ! 周りに魔物の気配もなさそうよ」
ジョー
「本当か! 魔物もいないのに宝箱が置いてあるのか。
普通は魔物とかが宝を守ってるのに不思議だ。
何か怪しくないか皆?」
ロベルト
「魔物はどっか出掛けてるんじゃね?
なら、戻ってくる前にお宝をかっさらっちまおうぜ!」
キャス
「そうね、今がチャンスかもね。
早く済ましちゃいましょう。」
バーン
「まさしくボーナスステージじゃな!」
冒険者全員は緊張を緩めた。そして中央にある宝箱を開けるため
ジョーが近づく。誰も警戒はしていない。
目の前の宝箱の中身が何かワクワクしているくらいだ。
ジョーが一直線に宝箱に向かう。
ジョーが宝箱の目の前に来た瞬間。
[トラップ発動]
ツルン!! ゴンッ!!
ジョー
「がはっ!」
ジョーは床の油に足を滑らせ、宝箱に顔面を強打した。
顔面強打のせいで鼻からは血が流れた。しかし大したダメージではない。
さすがに痛かったのか、ぶつけた顔を両手で覆いながら
床をごろごろする。
それを見ていた冒険者共は大きな声で笑った。
リサ
「あははは! もう、何してるのよ! ばかみたい!」
ロベルト
「こんな時に笑いを取らなくていいぞ!!
がはははははは!」
バーン
「笑いはいいから宝箱の中身を取らんかい!
ヒャッヒャッヒャッ!」
ジョー
「うるせー! 床がヌルヌルしてたんだよ!
てかそんなに笑うんじゃねぇ!
マジでいてーんだよこれ!!」
冒険者共が笑っているのも今のうちだけだった。
ある程度痛みが引いたジョーは宝箱を開ける為、
ヌルヌルした床の上を立ち上がろうとしたが、
天井から大きな物が落ちてきた。
[トラップ発動:1→2hit]
リサ
「ジョー! 危ない!!」
咄嗟の声にジョーは反応したが、床が滑って
逃げることが出来なかった。落下物はジョーに直撃した。
流石に驚いた冒険者共は、ジョーを確認する。
落下した物は頑丈に作られた檻だった。
ロベルト
「······ぷっ、今度は捕まってるぞ!」
キャス
「もう、ビックリさせないでよね!」
ジョー
「別に俺が驚かせてるわけじゃねえよ!
しかしこれじゃ動けないな」
ジョーは落ちてきた檻を持ち上げようとするが
見た目よりも重く、動かすことができない。
しかし数名で持ち上げれば問題ない重さだった。
そこでジョーは檻をどかす為助けを求めた。
ジョー
「この檻持てない重さだから、一緒に手伝ってくれよ」
バーン
「全く、世話が焼けるやつじゃ。今助けるぞ。
リサ、手伝ってくれ」
バーンとリサは落ちてきた檻を持ち上げるため、
檻の左右に移動した。軽く持ち上げると檻は少し動く。
確かに持てない重さではない。バーンとリサは檻を持つ。
そしてバーンの掛け声と一緒に檻を持ち上げようとした。
ズボズボッ!
[トラップ発動:2→4hit]
バーンとリサは落とし穴に落ちた。2人同時に落ちたのだ。
待機していたキャスとロベルトは何が起きたかすぐには理解てきなかった。
突如2人が消えたように見えたのだ。
すると焦った様子のジョーが大声を上げる。
ジョー
「おい、落とし穴だ! 2人共落とし穴に落ちたぞ!
何か変だ、こんなに連続してトラップが仕掛けられてるのは
今まで経験したことがない!早くこのトラップから脱出するぞ!
俺はあとでいいから先に2人を助けてやれ!」
キャス
「油で滑った所を檻で捕獲。それを助けようとした二人が
落とし穴に落ちる・・・・・・。まさか、全て計算されているの?
私たちの行動を読んで仕掛けたって言うの?」
ジョー
「そんなわけあるか!魔物がそんな事出来るとは思わない!
他にトラップがあるかもしれないから、とにかく早くしろ!」
冒険者共が混乱している中、部屋の奥から一匹の魔物が
近づいてきた。魔物に気付いたキャスとロベルトは
流石にこの状況では不味いと思い、急いで戦闘準備を始める。
ジョーも捕まってはいるが、檻の中で剣を持ち警戒する。
出てきた魔物はアンデッドだった。
アンデットを見たキャスとロベルトは少しホッとする。
この魔物は弱い。アンデッド2匹相手でも1人で倒せる魔物だ。
だが今はジョーが捕まり、リサとバーンも落とし穴に落ちている。
ここまでのトラップが計算されていたのであれば、
これにも何かトラップが仕掛けられているはず。
2人は魔物には近づかずに身構えた。
しかしそれは間違いだった。
身構えるのではなく、すぐに近づいて退治すべきだった。
キャス
「ロベルト、下手に動かないで。これもトラップかもしれない。
下手に誘い込まれないように用心して!」
ロベルト
「くっ、やっかいなダンジョンだぜ。こんな魔物、
速攻でやれるのによ!」
近づいて来たアンデッドは3本の棒を持っていた。
そしてアンデッドは3本の棒に火をつけた。
ロベルト
「た、松明だぁ? こんな時に何しようってんだ?」
キャス
「今松明を点ける必要は何? 自分の存在を見せる為?
それなら1本でいいはずよ」
キャスは頭をフル回転させ、このアンデッドが何を企んでいるか考えた。
ジョーは足を滑らせて転んだ所に檻に閉じ込められた。
バーンとリサはジョーを助ける為に移動し、落とし穴に落ちた。
このタイミングで3本の火の点いた松明。
キャスは顔面の血の気が引いた。
これからアンデッドが何をするのかわかったのだ。
キャスはアンデッドを始末しようと走りだす。
しかしもう手遅れだった。
アンデッドは火のついた棒を、
落とし穴と檻に投げ込んだのだ。
[トラップ発動:4→7hit]
落とし穴からは大きな爆発が起こり、
バーンとリサの肉片が飛び散った。
油まみれのジョーは檻共々火だるまになった。
ジョー
「があああああああああ! あ、あつい!!
し、しぬううう。誰かたすけてぇ!
た、たすけ······」
ロベルト
「う、うそだろ····」
一瞬にして3人が死んだ。
その光景にキャスは崩れ落ち、ロベルトは唖然とした。
ダンジョンの部屋には火薬の臭いと人が焼ける異臭が漂ってきた。
キャスは目の前で焼けるジョーを見て嘔吐する。
ロベルトはそのまま立ち尽くす。
魔物はそのまま奥の部屋へ戻っていく。
[トラップ終了:最大7hit、3殺達成!]
〈転生ポイント獲得〉
最大レベル15 X 3殺 X 7hit = 315ポイント
累計転生ポイント:315ポイント
初転生ポイント獲得おめでとうタルト!!




