【第十一話】今後の方針
【登場キャラ情報】
名前 :アイシン(人型) 職業 :???
レベル:5 熟練 :???
HP :4829 MP :2460
攻撃力:2645 防御力:3155
魔力 :1066 抵抗 :2837
命中 :178 回避 :216
ラック:15 特殊 :あり
【能力解放】
一時的にゴールドドラゴンに戻る事ができ、
全てのステータスが大幅に上昇する。
解放後、暫くの間全ステータスが最低値になる。
【金の鱗】
ゴールドドラゴンへ変身後発動。
火、水、風、土の4元素属性のダメージを
90%カットする。
【人間界:ルド村近辺】
俺はアイシンと共にルド村へ向かっている。
魔族界から転移する前にダンジョン情報館という
お店に立ち寄り、ダンジョンを
レンタルしようとしたが
そもそもお金を持っていなかった。
アイシンに頼ろうとしたが、
お金は持ってないと言った。
立派なお城のお姫様なのに
お金を持って来ていないとは
どういうことだ! とお店で怒鳴ってしまった。
そもそも借りる側の俺が他人様のお金に
頼ったが当てが外れたので逆上する、
元人間としては最低な行動をとってしまったのだ。
アイシン曰く、初めからお金があると
それに頼ってしまうので修行にならない!
とのこと。仰る事は理解できますが、
最低限のお金は必要だと思う。
まずはお金を稼ぐ所から
始めていかなければいけない。
その為お仕事を探しに一度ルド村へ
戻る事になったのだ。
しかし、村へ戻る前に1つ確認しておかなくては
いけない事がある。
タルト
「あのさ、人間の姿はしているけど、
その翼と尻尾はどうにかならないのかな?
さすがにそれだと村に行けないんだけど」
アイシン
「あぁ、これ? このままじゃだめかな?
一応、隠すこともできるけど、
あまりやりたくないのよねぇ」
できるなら今すぐに実行して隠して頂きたい。
アイシン
「隠すといっても翼と尻尾は完全に消すことは
できないの。ただ、極限に小さくすることは
できるから髪や服の下に入れて
見えないようにはできるわ」
アイシン
「でも隠した翼と尻尾は服とかに擦れて
擽ったいのよね。だからあまりやりたくないの」
タルト
「村に行ったり人間と接触する時は
我慢して隠してくれ。
その姿をみたら誰でも魔族だと思うぞ」
アイシン
「あら、私はそうは思わないけど」
いや、俺は少なくとも魔族だと思いましたよ。
恐ろしくて全力で逃げましたよ。
アイシンは渋々翼と尻尾を小さくして隠した。
アイシン
「それでタルト、
どうやってお金を集める気なの?
何かいい方法とか考えたの?」
タルト
「まずは村へ行ってお手伝いや
アルバイトとかやって
小銭を稼ぐしかないだろう」
アイシン
「アルバイト? 何? それ美味しいの?」
タルト
「ああ、美味しいといいな、アルバイト。
ギルドの依頼とかはお金になりそうだけど、
俺は冒険者じゃないし依頼受けれないからな」
アイシン
「じゃあ冒険者になっちゃえばいいんじゃない?
私たち人間の姿してるからバレないよきっと!」
タルト
「もし魔族だとバレたらその場で
八つ裂きにされそうだな」
アイシン
「その時はそこにいる人間全てを
八つ裂きにすればいいんじゃない?」
おいおい、簡単に恐ろしい事を言う。
冒険者ギルドの中だから冒険者達が
たくさんいるだろう。
まあ、こいつならできなくもなさそうだ。
始めから八つ裂きにする気持ちがあるなら
村を襲撃して金品かっさらえば楽だろう。
タルト
「いいかアイシン、魔族が村を襲撃するのは
あまりよくない事だぞ。偉い人が言ってたよ。
騒ぎを起こして顔が割れたら人間達に
追い回される事になる。
そうなると後々行動しづらくなるから
なるべく人間界で行動するときは
慎重に行動したい。だからあまり
目立たないようにしてくれ」
アイシン
「ちぇっ、つまんないな。
それで具体的にはどうするつもりなの?」
タルト
「ん~、正直決まっていない。
とりあえず村へ行ってから情報収集をして
今後の方針を決めるさ」
俺とアイシンは何も策が出ないまま
村の入り口へ到着したのだった。
時間はお昼頃だが門番は二人いる。
前回いた人間とは一人違うが、
もう一人は鍋蓋門番だった。
俺達は村へ入るため門番に話をかける
タルト
「お勤めご苦労様です~」
鍋蓋門番
「これはご丁寧にありがとう。
君はたしか依然この村に来たね。
おや、もう一人は初めてかな?」
よく覚えているなこの鍋蓋門番は。
ここは簡単に話を合わせよう。
鍋蓋門番
「ほお、よく見るとこの子
べっぴんさんやないか。
金色の髪とは珍しい。服装は村娘と
さほど変わらないが高貴なお方かな?
にいちゃんも隅に置けないな!」
アイシンにはあまり触れないでください。
この子の制御をうまくできる自信がないです。
鍋蓋門番
「そういえばなぜ一回村を出たのかね?
戻ってくるなら村から出る必要は
なかったんじゃいか?」
野宿をするために出て行ったとは言いづらい。
鍋蓋門番
「でもこの村は何時でも誰でも大歓迎さ!
これは何かの縁だ。名前を聞いてもいいかな?」
この鍋蓋門番は気さくでいい人っぽいな。
仲良くなれば後々情報とか聞けそうだ。
タルト
「私はタルトと申します。
こいつはアイシンと言います。
訳あって一緒に旅をすることになりました」
アイシン
「アイシンです。以後お見知りおきを」
アイシンは右足を斜め後ろに引き
左足の膝を軽く曲げながら軽く頭を下げ、
可愛らしい笑顔で挨拶した。
アニメとかでメイドが挨拶する様なシーンだ。
アイシンの挨拶は見事だった。
鍋蓋門番
「あ、ど、どうも!!
ん~!! ありがとぅぅぅぅ!!!」
ありがとぅぅってなんだよ。
鼻の下伸びてるよおっさん。
俺達はデレデレした門番達に手を振り、
村の中に入った。
鍋蓋門番
「見たか今の女の子!
むちゃくちゃ可愛かったな!!」
別の門番
「ああ、あれはやばいな!!
俺、もう胸ズッキューンだよ!
止まらないこの胸の高鳴り!
なんな可愛い子初めて見たわ!」
鍋蓋門番
「だよな! 正しく歩く宝石箱やー!!
くぅぅぅぅぅぅぅぅ!
あんな子に徹底的に罵られたいな!」
別の門番
「おおう!わかるわかる!
俺なんかあの笑顔でボッコボコにされたいわ!」
鍋蓋門番
「わかるわぁ! 死ぬ一歩手前まで
トコトンだろ! 話がわかるな兄弟!」
あの、会話全部聞こえてるんですけど······
さて、まずは仕事を探さなければ行けないが
どうもこのアイシンが目立ってしまう。
通りすぎる人間全員が振り向いている。
翼や尻尾を隠したところで
この容姿では意味がない。
まじめな門番が鼻の下を伸ばして
しまう程だから仕方ないか。
簡単な対処方法だが布か何かで
顔を隠してもらうしかないな。
タルト
「アイシンすまん、これで顔隠してくれ」
アイシン
「え? どうして? こんなの巻いたら
前が全然見えなくなっちゃうけど」
タルト
「ちょっとお前は目立ちすぎる。
これで存在感をなくしてくれると助かる」
アイシン
「え? やだ」
タルト
「やだ、じゃない。隠せほら!」
アイシン
「絶対いや! タルトが隠せばいいじゃない!」
タルト
「俺が隠れても意味ねえっつうの!!
いいから隠せ馬鹿!」
アイシン
「なんでよ! なんで隠れなきゃいけないの!?
こんなのしたら暑いじゃない!」
タルト
「暑いとかじゃないんだよ!
お前は可愛すぎるから注目を浴びちゃうんだよ!
少しは自覚しろ馬鹿!」
アイシン
「か、かわいい・・・・・・」
おや? 急におとなしくなりましたよこの子。
ははーん、さては可愛いとか
あまり言われたことないから
照れちゃってるんだな。
ふっ、所詮ドラゴンと言っても子供だな!
もう少し押してみるか。
タルト
「そうだ、お前はすごく可愛いんだ。
誰もが羨む完璧な美少女だよ。
だから仕事が見つかるまではその顔を
隠してほしいんだ」
アイシン
「う~・・・・・・」
ふっ、勝機!
タルト
「これを被ると暑いのもわかるし
前が見えなくなるのもわかる。
しかしその可愛さがこの後の
行動を妨害する可能性があるんだよ。
我慢して隠してくれるよね?」
アイシンは顔を赤くしながら
何も言わずにうなずいた。
本当に面倒な奴だなと思いながら
アイシンの顔に布を巻いた。
とりあえず目は見えるように隙間は
作ってあげた。
とりあえずこれで大丈夫だろう。
俺たちは人気店の居酒屋暁亭へ向かった。
【ルド村:暁亭】
まだ昼間だと言うのに人間が
うじゃうじゃいる。
村人から冒険者、旅人まで揃っている。
昼間っからよく飲めるものだと感心する。
この世界の人間はやることがないのか?
とにかくまずは居酒屋のマスターに声をかけて
仕事や依頼などがないか聞こう。
俺達はカウンターテーブルに付き、
マスターの様子を伺って話をかけてみる。
タルト
「へいマスター、何か仕事はないかい?」
店員
「すまん、おれはマスターじゃないよ。
マスターはそこでメニュー取ってるやつだよ
ほら、あそこのハゲ頭がマスターだ」
え? 嘘? マスターってホール業務なの!?
部下にハゲ頭って言われてるよ!?
ではあそこのハゲ散らかしているマスターに
声をかけよう。
タルト
「マスター少し話をいいかな?」
マスター
「すまんねお客さん、ちゃんと仕事しないと
怒られるから後でいいか?」
え? 嘘? マスターは誰に怒られるの!?
俺達はしばしの間、座りながら待っていると
マスターが近づいてきた。
どうやらお店は落ち着いたらしい。
マスター
「厨房に聞いたよ、仕事をさがしてるんだって?
ちょうどよかった。ホールの人数が少ないので
うちでアルバイトやってみるか?」
お、これは仕事獲得のチャンスが
転がり込んできた。
タルト
「いいんですか? ぜひやらせて頂きたいです。
あと、もう一人いるのですが、こいつも
雇って頂けるとすごく助かるのですが」
マスター
「んー、二人かぁ。まあいいだろ!
二人とも雇おう。明日からここに来てくれ。
仕事は他の者が教えるから一日でも早く
覚えてくれよ!」
あっさり仕事がきまりました。
俺、過去の面接でこんなあっさり採用が
決まったことなかったなぁ。
マスター
「ところでお前さん、名前はなんと言うんだ。
そしてもう一人の方は・・・・・・」
俺はアイシンの頭に巻いた布を取った。
マスターはアイシンの顔を見ると
どんどん鼻の下が伸びていった。
その変化は誰が見てもわかりやすい物だった。
アイシン
「アイシンです。これからお世話になります」
マスター
「あ! はいよろこんで!!
色んな意味でお世話になります!!
おーいみんなー! 美少女入りまーす!!」
定員達
「はいよろこんでー!!」
やめろ。何だこの連携は。
マスターはどんな意味でお世話になるつもりだ。
ここの村人はこんなのばっかりなのか?
とりあえず仕事は見つかったので
しばらくここでお金を稼ぐとしよう。
マスター
「ところで泊まる場所とか決まっているのか?」
タルト
「いえ、これから探そうかと思ってます」
マスター
「それなら店の3階に空いている部屋があるから
そこを使うといい。長い間誰も使っていないから
少し掃除が必要だから待っててくれ。
その間に必要な物を買って来たりしたらいいさ」
タルト
「それはすごく助かります。
では少しの間アイシンと
買い物に出かけてきます」
マスター
「うん、そうするといい。仕事は明日からだ。
よろしく頼むよ、タルト君、アイシンちゃん」
こうして俺達は仕事を見つける事ができたので
部屋の準備が整うまで少し店を出た。
マスターは鼻の下を伸ばしてはいたが
仕事の話になると元に戻る。
仕事に対して公私をきっちり分けている人っぽい。
しかし仕事の話が終わると鼻の下が伸びるが。
俺達は一度村の外へ行き、
アイシンと仕事について
話をするようにした。
タルト
「お前、定員とかやった事あるか?」
アイシン
「ないよ。お仕事をするのはこれが初めて。
でも何となくわかるよ。魔族界でよく
お店を回ったりご飯食べたりしてるから
何となくはイメージできるわ」
タルト
「そうか、それなら大丈夫そうだ。
まずここでしばらく
アルバイトをしてお金を貯める。
おそらく食費も宿代もかからないし
二人分のお給料を貰えるから
すぐに貯金できるだろう。
貯金が出来たら一度魔族界へ戻り、
ダンジョンをレンタルして運用を開始する。
そういう流れでいく予定だが
何か意見とかあるか?」
アイシン
「んー、タルトに任せる。
先の事考えるのは苦手だから」
タルト
「では決まりだな。さて、目標金額だが
ダンジョンのレンタル料は格安物件でも
一日20ゴールド、一か月借りるのに
600ゴールド必要になる。
そして罠や魔族、宝箱の中身も用意する必要が
あるし、不足の事態の為予備のお金も考慮して
全部込々で1500ゴールド程必要だな。
なのでまずは1500ゴールドを目標金額とする」
アイシン
「はぁーい、お仕事がんばります!」
タルト
「ではお店で働きやすい服と最低限生活に必要な
物を買って戻るか」
こうして仕事も決まり、方針も決まった俺達は
目標に向かって突き進むだけになった。
あ、そういえばお金がないから
何も買えませんでした。
マスターに前借できないかな・・・・・・




