2パート
ミチルはマイと一緒にアユミの扉の前にきた。
「アユミは怒ってるよー。夢を捨てて戻ってきたこと。」
アユミに聞こえるように部屋の前のスピーカーに話した。
「アユミ、恥ずかしながら戻ってきてしまったよ。怒ってるのもわかるよ。だから、少しでも許そうと思ってからでいい。また三人で遊ぼうよ。いろんなお話またしよう。それじゃまたね。」
マイと歩いていくミチルの言葉をアユミは扉に背をつけて聞いていた。確かに、ミチルは大事な夢を捨ててここへ戻ってきた。高校の頃から言っていた大切な夢だ。でも、ミチルが選んだのはここで戦い続けること。ならば、少なくとも今は…
アユミはドアの近くのスイッチを押し、ドアを開けて走り出した。
「ミチル!」
アユミはミチルに飛び付いて前にしたように力一杯抱き締めた。
「ミチル、おかえりなさい。確かに私はね、頭に来たよ。なんで大事な夢を捨てたんだって。でも、ミチルが自分で決めた事。それにね…私は…あなたがどんな選択をしたとしても…あなたたちの事…大好きだよ。」
マイもそれに加わり、また三人で抱き合って泣いた。
しばらく経って泣き止んだあと、ユイがやって来て紙を手渡した。三人分のお休みだった。
「気を使わせてしまいましたか?」
「ううん、そうじゃない。ミチルは安定したとはいえ、ここの生活リズムに戻す必要がある。それに依頼を受けた次の戦闘にはまだしばらくあるし一日、友人と共に過ごす事で体調を安定させてほしい。戦いでいきなり泣かれたり、眠られたりしては困るからね。」
ユイはウインクした。
ミチルは二人に言った。
「明日、遊ぼっか!」
「遊ぼー!」
マイは喜んでいる上、嬉し涙をこっそりぬぐった。
次の日、三人は新しいお店を開拓するといって今まで行った事のないお店を中心に周り始めた。
三倍の辛さのラーメンを食べきったら500円引きの表示を見て、マイが死にそうになりながらラーメンを食べたり、ファッションのお店へ行って流行りの服を見たり、スイーツを食べたり、UFOキャッチャーでぬいぐるみを取ろうと悪戦苦闘したりした。
そして、初めて行ったお店の前やモニュメントの前でデジタルカメラの写真を撮った。
海底基地の玄関の前で全員を集めてもう一枚写真を撮り、現像した。
アルバムの空白のページにはたくさんの写真が追加された。
「これからもたくさん写真が貼れそうだね。」
「うん。もっとたくさんとらないとね。」
「夢を捨てたのは少し残念だったけどね。」
「実はまだ捨ててないんだ。私は新聞記者にこだわってただけ、本当にしたかったのはたくさんの人に考えを知ってもらうこと。それを叶える方法は他にもあるから。」
「そうか。軍にいたとしても、記者の人に伝えるなり、文章を書くなりあるもんね。」
「うん。こだわるのを辞めただけ。ほとんど変わらないよ。」
アルバムを眺めていたマイはミチルの方を向いて目を輝かせていった。
「ここにいても叶えられるんならここにいようよ私達と一緒に!」
ミチルは深くうなずき、それを見たマイはすごくうれしかった。




