2パート
改札の前で二人は手を繋いで時刻が書いてある電工掲示板を見ていた。アユミは一生懸命走っていた。走りながら溢れだす涙を拭いながら。
そしてミチルとマイは手を繋いでいる相手との思い出をすこしだけ振り返っていた。楽しかったこと、大変だったこと、泣きたかったこと、怒ったこと、笑ったこと。すべてが遠くにいってしまうような気がした。
マイはチラチラとミチルを見ていた。
「どうしたの?」
「さよならって言いたくないの。でも、私ぶきっちょだからうまい言葉見つからなくて。」
「いいよ、無理しなくて。わかってるから。」
「いつも三人で騒いで、楽しかったね。アユミと仲良くやってね。あいつ、勉強できるけど案外傷付きやすいから。」
「うん。ミチルも寂しいときは連絡してね。」
二人は手を繋いだまま改札を抜けた。
そんなとき、アユミがユイ達に追い付いた。膝に手のひらをのせて息を切らせている。
「二人は?」
「見送り行ったよ、まだ間に合う、ほら見送りのための切符も買ったから。」
ユイから切符を手渡されアユミはまた走っていった。
階段を上るマイとミチルにアユミは呼び掛けた。
「ミチル!マイ!」
「アユミ?間に合ったんだ!」
アユミは階段を登って近くまで行った途端、その場に座って息を切らせた。
「アユミ、大丈夫?」
繋いでいる手がほどけ、二人は駆け寄った。
マイはアユミの汗をふき、ミチルは手であおいだ。
そんななか新幹線が止まる音がした。
ミチルは言った。
「じゃあ、そろそろ行くね。二人とも元気でね。ずっとずっと大好きだよ。」
アユミはよびとめた。
アユミは立ち上がり、飛び付いて力一杯抱きしめた。マイも加わった。
「私も、大好きだよ。ずっと応援してるからね。体には気を付けてすごしてね。」
ミチルは二人の顔を見て涙を流し手を降って新幹線に乗った。窓越しに、二人を見た。
そして、ゆっくりとだが新幹線が動き出した。
マイはもう立ってみていたがアユミが走り出した。
「ミチル!ミチルーっ!」
窓越しのミチルも驚いた顔をしていた。
体力が尽きたアユミはその場で叫んだ。
「どんなことがあっても忘れないよ!私もずっとずっとずーっと大好きだよ!離れてたって親友だぞ!体には気を付けてがんばってね!ミチルーっ!」
アユミはその場で崩れ落ちた。マイはその場で泣いていた。
その日の朝日は切なくも輝いていた。




