1パート
次の日、アユミが起きると二人とも部屋にはいなかった。お菓子の袋は投げっぱなし、床はびしょびしょでこれは後片付けが大変だなと思った。
部屋を出ると、キャリーバックをもったミチルがユイと話していた。
「駅でいいの?」
「はい。新幹線の駅での待ち合わせですから。あまりユイさん達にお手間をとらせるわけにはいきませんし。」
「わかった。えらいね。」
マイは目を赤くしたまま胸ポケットに手紙をしまってちょこちょこついていった。手紙?まさかと思って部屋を見るとやはり、部屋にはアユミ宛の手紙が机の上に置いてあった。
「アユミ、あなたは?」
「私、まだ手紙読んでないから読んでから追い付きます。」
「わかった。間に合う程度にね。」
マイはミチルと手を繋いだ。手を繋いで歩いていった。
アユミは手紙を開くと、文面が話し言葉のようでミチルが呼び掛けているようだった。
アユミ、あなたがこの手紙を読むときは私はもう行ったかもしれないね。まず、アユミ、今までありがとう。アユミはいつも一生懸命でたくさん勉強していろいろ教えてくれたよね。アユミがいなかったら私ら不勉強コンビは同じ大学いけなかったもん。これから先いろいろな事があって素敵な人見つけて結婚したらもしかしたら私の事忘れちゃうかもしれない。でもアユミが仮に忘れたとしても私は忘れないよ。ずっと一緒にいられなくてごめん。あなたがどんなに遠くにいてもどんなに月日が経ったとしても、私はアユミのこと大好きだよ。親友のミチルより。
アユミはそれを読んだ途端、その手紙を机の中にしまって走り出した。
その頃、ミチル達は駅についていた。
ユイが気を使って言った。
「最後はマイが見送ってあげて。私らがいるとちょっと恥ずかしいでしょ。」
「ありがとうございます。そうさせてもらいます。マイ、いこ。」
マイはうるうるした巨大な目をこちらに向けたため、ミチルは泣きそうになったのをこらえた。
歩いていきそうになったのをユイが止めた。
「シンゴさんが渡したいものがあるんだって。」
シンゴはミチルにどさっとお金を渡した。
「あって困ることはないから使ってやってくれ。」
「ありがとうございます。」
カイトが優しく言った。
「何かあれば連絡するといい。俺たちで相談くらいなら乗るから。」
ミチルは大きくうなずいた。
ユウタが言った。
「記者の仕事は今とは全然違うし、最初は大して記事も書かせてもらえないと思う。でも努力し続けるんだぞ。」
ユイが最後に言った。
「戦いをする毎日なんかより、よほどこっちの方がいいと思うよ。素敵な人見つけて結婚して、幸せになるんだよ。応援してるから。それとどうか、体には気を付けて。」
「皆さん、ありがとうございました。」
礼をするミチルとマイは小さくじゃあ見送ってきますと言ってついていった。




