2パート
カイトは自分が情けなかった。能力が低いくせに自分だけで2体を倒すとくだらない意地を張りリオンをぼこぼこに壊した上、周りに心配かけて。挙げ句敵の姿に恐怖すら覚えている。本当は情けなくてどうしようもなく気をまぎらわせる意味も含めて飛行訓練をもくもくとやっていた部分もあった。
夜になって外に出るとマモルが部品を叩いて直していた。カイトが近付くとゆっくりと話し始めた。
「カイトさんも知ってるだろう。光電効果。光のような刺激があると反応して電子を投げる。本来は宇宙放射線にしか反応しないがこいつは特別で太陽光にも反応してしまう。太陽光は強いからあっという間にダメになる。だから夜にやるしかない。」
マモルさんに言われた通りの作業をしながら心の中では自分の愚かさを考えていた。
「しかし、君は恵まれてるよ。」
マモルの行きなりの発言にカイトは驚いた。
「俺は突っ走って人に怪我をさせたことがある。その人の怪我はそんなでもなかったし、その人は笑って許してくれたが自分が情けなくてな。周りの意見を聞かなかったことが。辞めようかすら考えてると言ったがその仲間は過去にない剣幕で怒ったんだ。お前が辞めたら仕事は俺にまわるし責任を取りたいのなら続けて結果でしめすべきだと。目が覚めたよおかげで。」
「マモルさんにも失敗があるんですね。」
カイトの言葉を聞いてマモルは笑いながら言った。
「お前俺は57年も生きてきたんだぞ。一度も失敗がなかったと思うか。失敗は仕方ない。そのあとどうするかだ。だが、これだけは覚えておいた方がいい。カイトさん、君の悩みは一人で解決しようとする人の悩みだ。以後どうすればいいか、後はわかるな。」
マモルの言葉を聞いてカイトはマモルの部品が放つ光を眺めていた。光は、わずかながら涙ぐむカイトの目を照らしていた。
マモルはそれを直接見てはいないものの感じとっていた。
そしてカイトは自分がとても恵まれていると感じた。自分の事を一生懸命心配してくれる人達がエストレーリャにいることを。そしてついこないだ出会ったばかりの出来の悪いパイロットにここまで正直に話してくれる人がいることを。




