38.
身体全体に、暖かな温もりを感じた。
意識はもっと寝ていたいと言っているが、身体は元気すぎるほど元気になった。
今すぐにでも、大空に飛び立ちたいくらいだ。
さすがにしないけど。
身体全体をぐっと伸ばして、伸びをする。
少し、身体が凝っている気がしなくもない。
モゾモゾと身体を動かしながら、動きの確認をする。
パッと上を向くと、その人とパチっとめがあった。
綺麗なロイヤルパープルの色だ。
『おはよう、ヴィル!』
「おはよう、よく寝ていたな。」
『どれくらい寝てた?』
「九ヶ月くらいだな。今は九月、もうすぐ十月になる。」
『そっか。よく寝たね〜』
「身体は大丈夫か?」
『バッチリ、絶好調!身体もさらに大きくなっただろうし、力も強くなったよ!今度一緒に空の散歩しようね!』
「それは楽しみだな。」
ヴィルがふっと笑った。
ヴィルの笑顔、何気に初めてかもしれない。
ちょっと得した気分だ。
よし、じゃあ人型になって……
「人型になるなら、隣の仮眠室を使ってくれ。」
『はーい。』
ヴィルが仮眠室の扉を開けてくれたので、するりと入り込む。
一瞬で人型になると、亜空間から服を取り出した。
ありゃ……
服が小さい。
人型の身体も成長していたので、以前の制服が小さくなってしまった。
こんな時こそ、万能な魔法の出番。
植物魔法、修復魔法、時魔法の複合魔法を使って、制服を作り直した。
できた制服に、袖を通すとピッタリ。
目算で作ったが、問題なさそうだ。
水魔法と光魔法で作った鏡を見ながら、全身をチェック。
よし、問題なし。
魔法を消して、ヴィルの待つ執務室に戻るのだった。
扉を開ける音に反応したヴィルが、私の方へと顔を向けた。
「身長、伸びたか?」
「うん。十センチは伸びたんじゃないかな?」
眠りにつく前までは、百五十センチくらいしかなかったけど、今は百六十センチはあると思う。
「制服は大丈夫だったのか?」
「魔法で、ちょちょいっと、ね。」
「……魔法は、そんなに便利なものではないはずなんだが……?」
「そう?基本的に何でもって言えるくらい、何でもできるよ?」
「そう……なのか……」
まぁ、人間は魔力が低いし、単一属性であんまり研究していないみたいだから、発展しないのも仕方がない。
寿命も短いから、魔法研究に時間かけられないだろうし。
他種族と仲良く交流もないから、余計に発展しないのだ。
他種族と友好関係を結べばそれだけ利益があるのに、それを自ら捨てるなんて、本当に人間って馬鹿だと思う。
お互い切磋琢磨したら、もっと発展して豊かになるのに。
勿体無いな……




