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空を飛びたいと言ったけど、竜になりたいとは言っていない  作者: 氷桜 零
三章 世界の危機は、自分の危機
43/45

38.


身体全体に、暖かな温もりを感じた。

意識はもっと寝ていたいと言っているが、身体は元気すぎるほど元気になった。

今すぐにでも、大空に飛び立ちたいくらいだ。

さすがにしないけど。


身体全体をぐっと伸ばして、伸びをする。

少し、身体が凝っている気がしなくもない。

モゾモゾと身体を動かしながら、動きの確認をする。

パッと上を向くと、その人とパチっとめがあった。

綺麗なロイヤルパープルの色だ。


『おはよう、ヴィル!』


「おはよう、よく寝ていたな。」


『どれくらい寝てた?』


「九ヶ月くらいだな。今は九月、もうすぐ十月になる。」


『そっか。よく寝たね〜』


「身体は大丈夫か?」


『バッチリ、絶好調!身体もさらに大きくなっただろうし、力も強くなったよ!今度一緒に空の散歩しようね!』


「それは楽しみだな。」


ヴィルがふっと笑った。

ヴィルの笑顔、何気に初めてかもしれない。

ちょっと得した気分だ。


よし、じゃあ人型になって……


「人型になるなら、隣の仮眠室を使ってくれ。」


『はーい。』


ヴィルが仮眠室の扉を開けてくれたので、するりと入り込む。

一瞬で人型になると、亜空間から服を取り出した。


ありゃ……

服が小さい。


人型の身体も成長していたので、以前の制服が小さくなってしまった。

こんな時こそ、万能な魔法の出番。


植物魔法、修復魔法、時魔法の複合魔法を使って、制服を作り直した。


できた制服に、袖を通すとピッタリ。

目算で作ったが、問題なさそうだ。


水魔法と光魔法で作った鏡を見ながら、全身をチェック。


よし、問題なし。


魔法を消して、ヴィルの待つ執務室に戻るのだった。


扉を開ける音に反応したヴィルが、私の方へと顔を向けた。


「身長、伸びたか?」


「うん。十センチは伸びたんじゃないかな?」


眠りにつく前までは、百五十センチくらいしかなかったけど、今は百六十センチはあると思う。


「制服は大丈夫だったのか?」


「魔法で、ちょちょいっと、ね。」


「……魔法は、そんなに便利なものではないはずなんだが……?」


「そう?基本的に何でもって言えるくらい、何でもできるよ?」


「そう……なのか……」


まぁ、人間は魔力が低いし、単一属性であんまり研究していないみたいだから、発展しないのも仕方がない。

寿命も短いから、魔法研究に時間かけられないだろうし。

他種族と仲良く交流もないから、余計に発展しないのだ。


他種族と友好関係を結べばそれだけ利益があるのに、それを自ら捨てるなんて、本当に人間って馬鹿だと思う。

お互い切磋琢磨したら、もっと発展して豊かになるのに。


勿体無いな……






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