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空を飛びたいと言ったけど、竜になりたいとは言っていない  作者: 氷桜 零
三章 世界の危機は、自分の危機
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39.


私はヴィルから、私が眠っていた九ヶ月にあった出来事について話を聞いた。


例の魔物討伐で負傷した騎士は、全員怪我治って職務に復帰できているんだとか。

ヴィルから改めて、瘴気を浄化したことについての礼を言われた。


次に、私のことについて。

(イコール)竜ということは、国の上層部の中でも一握りの人と、各騎士団長にのみ伝えられている。

あの場にいた騎士については箝口令を敷いていたものの、人の口に戸は立てられないので、いつの間にか、竜が騎士を守ったとの噂が流れていた。

それは、九ヶ月経った今でも変わらない。

今一番ホットな噂だ。


その噂に合わせて、プリオーネ帝国がまたうるさくなってきたらしく、間者が増えて頭が痛いのだとか。

しかもプリオーネ帝国だけでなく、他の間者も増えてしまったのだ。

騎士団は間者や内通者の炙り出しに、かなり力を入れている状況。

その代わり、戦争をふっかけてくる気配は、しばらく見られなくなった。

戦争の抑止力になる程、竜の力は強大で、人には太刀打ちできないものだからだ。


私が竜だと知っている国の上層部は、ひとまず私を自由にさせると意見が一致したらしい。

下手に竜を怒らせるより、今のまま抑止力としていてもらった方がいいとの考えだ。


国の上層部は優秀だよね!

ここで私を利用するなんてなったら、首をすげ替えてたかもしれないし。

静観してくれるなら、何かあった時、少しぐらい手伝ってあげてもいいかな。


「あと、ここ一ヶ月の間に、隣国であるマーヤン王国から、大勢の難民が押し寄せてきた。初めは数名の難民だった。年に何回か、近隣の国から難民が来ることは珍しくない。」


「けど、わざわざ言うってことは、いつもと違うことでもあった?」


「ああ。いつものことで済ませられないほど頻繁に、しかも大勢の難民が押し寄せてきたんだ。」


「この時期にって言うのも、おかしいことだよね?」


この時期は、多くの実りが収穫できる時期だ。

田畑でも育てているだろうし、少し山に入ればたくさんの木の実や食材になるものが手に入る。

それなのに、生まれ育った場所や土地を捨ててまで、わざわざ国を越えて遠い隣国に来た。


「ああ。普通なら難民は、食糧が不足する初冬や夏に来ることが多い。おそらく、マーヤン王国の一地方だけでなく、マーヤン王国全体に何かあったのだと思う。」


「考えられるのは……大雨や日照りなどの自然災害、魔物の被害、虫による作物の被害で飢饉が起こったってところ?」


「そうだが……やけに詳しいな?」


ギクッ


「まぁ、これでも竜だから!」


人間は竜について詳しく知らないし、全部「竜だから」で押し通せば大丈夫、大丈夫。


「そう言うものか……」


そう言うもの、そう言うもの!







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