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空を飛びたいと言ったけど、竜になりたいとは言っていない  作者: 氷桜 零
三章 世界の危機は、自分の危機
41/44

37.


二人の頭の中は、凄い速さで回転しているだろう。

けれど、どれだけ考えても簡単に解決するわけがない。

たった一国がそうしても、他の国が今まで通りなら意味がない。

たった一国で、どこまで世界を変えられるのか。


まぁ、私と盟約を結んだ以上、否応なしに引っ張るつもりではあるけど。


「このままこの問題を放置しても構いませんが、世界の崩壊まで時間がありませんよ?」


「え?」


「堕人が現れた以上、瘴気が許容できないくらい濃くなっている証拠ですから。これから世界中で、どんどん増えてくるでしょうね。しかも、下級とは比べ物にならないくらい強い堕人が。」


「はぁ……これは私たちだけで対処できん。国王陛下に奏上しよう。」


ついに二人とも頭を抱えてしまった。

でもこれは人間の責任でもあるし、頑張ってもらいたい。


「あぁ、あと、盟約について聞きたい。」


「魂と魂を繋いで、ずっと友でいましょうと言う、契約みたいなものですね。どこにいても私の声はヴィルに届くし、逆もまた然り。友のためなら、色々手伝うのもやぶさかではありませんし、協力しますよ。もちろん、嫌なことは聞きませんけど。」


「わかった。じゃあ、私の近くにいてもらった方がいいな。明日から総団長付き従者に、所属変更しよう。」


「わーい。ありがとうございます!」


「優秀な従者だったのに、惜しいですね……」


「第一騎士団長のことは結構気に入っているので、ヴィルの許可があれば手伝いますよ。」


この一ヶ月、一緒に仕事をした仲だからね。


「それは助かるね。その時はぜひ頼もう。」


「他に聞きたいことはありますか?」


「今のところは大丈夫だ。」


「それじゃあ、私は今から休眠に入りますねー」


「は?」


「盟約を交わしたおかげか、二次成長期が来てまして、しばらく休眠する必要があるんです。」


「どのくらい休眠するんだ?」


「短くて半年、長くて一年ほどですね。」


「結構長いんだな。」


「まぁ、力を馴染ませないといけないので。」


「わかった。目覚めの時を待っていよう。」


私はポンッと音を立てて、子犬サイズの幼竜の姿に変わった。

二人は全く同じ表情で、目を丸くしていた。


「小さくなれるのか?それともそちらが本当の姿?」


『大きい方が本当の姿ですね。でも大きいと幅をとってしまうので、小さな幼竜の姿に変身しました。これなら室内にいられますから。』


「へぇ〜便利な者ですね……」


『まぁ、自在に身体の大きさを変えれるのは、私くらいなものですけどね!』


「それはすごい。」


『それでは、おやすみなさーい……』


私は翼と尻尾を身体に巻き付け、丸くなりながら、しばらくの眠りについたのだった。






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