37.
二人の頭の中は、凄い速さで回転しているだろう。
けれど、どれだけ考えても簡単に解決するわけがない。
たった一国がそうしても、他の国が今まで通りなら意味がない。
たった一国で、どこまで世界を変えられるのか。
まぁ、私と盟約を結んだ以上、否応なしに引っ張るつもりではあるけど。
「このままこの問題を放置しても構いませんが、世界の崩壊まで時間がありませんよ?」
「え?」
「堕人が現れた以上、瘴気が許容できないくらい濃くなっている証拠ですから。これから世界中で、どんどん増えてくるでしょうね。しかも、下級とは比べ物にならないくらい強い堕人が。」
「はぁ……これは私たちだけで対処できん。国王陛下に奏上しよう。」
ついに二人とも頭を抱えてしまった。
でもこれは人間の責任でもあるし、頑張ってもらいたい。
「あぁ、あと、盟約について聞きたい。」
「魂と魂を繋いで、ずっと友でいましょうと言う、契約みたいなものですね。どこにいても私の声はヴィルに届くし、逆もまた然り。友のためなら、色々手伝うのもやぶさかではありませんし、協力しますよ。もちろん、嫌なことは聞きませんけど。」
「わかった。じゃあ、私の近くにいてもらった方がいいな。明日から総団長付き従者に、所属変更しよう。」
「わーい。ありがとうございます!」
「優秀な従者だったのに、惜しいですね……」
「第一騎士団長のことは結構気に入っているので、ヴィルの許可があれば手伝いますよ。」
この一ヶ月、一緒に仕事をした仲だからね。
「それは助かるね。その時はぜひ頼もう。」
「他に聞きたいことはありますか?」
「今のところは大丈夫だ。」
「それじゃあ、私は今から休眠に入りますねー」
「は?」
「盟約を交わしたおかげか、二次成長期が来てまして、しばらく休眠する必要があるんです。」
「どのくらい休眠するんだ?」
「短くて半年、長くて一年ほどですね。」
「結構長いんだな。」
「まぁ、力を馴染ませないといけないので。」
「わかった。目覚めの時を待っていよう。」
私はポンッと音を立てて、子犬サイズの幼竜の姿に変わった。
二人は全く同じ表情で、目を丸くしていた。
「小さくなれるのか?それともそちらが本当の姿?」
『大きい方が本当の姿ですね。でも大きいと幅をとってしまうので、小さな幼竜の姿に変身しました。これなら室内にいられますから。』
「へぇ〜便利な者ですね……」
『まぁ、自在に身体の大きさを変えれるのは、私くらいなものですけどね!』
「それはすごい。」
『それでは、おやすみなさーい……』
私は翼と尻尾を身体に巻き付け、丸くなりながら、しばらくの眠りについたのだった。




