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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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84/90

84 寒い方が苦手


 ボスが粒子化して消えたのと同時に、部屋の灯りが消えて再び真っ暗になった。


:お疲れ様あああああ

:ちょっとヒヤッとしたけどよう勝てた!

:相変わらず、なんでソロでボスに勝てるんだ

:部屋また暗くなった?


「...ボスを倒したら、ギミックも消えるってことか」


 これ以上敵の追加はないと判断し、過剰駆動を解除する。


「...おえっ」


 途端に襲い来る反動。

 吐き気、眩暈、倦怠感、筋肉痛...。思わずその場に膝をついてしまう。


:どうした!?

:疲れた?

:本気出した反動的な?


「はあ...はあ...」


 マジックバッグからポーションを取り出し、急いで飲み干す。


 この状態はスキルの反動によるものなのでポーションで完治はしないが、それでも多少はマシになる。

 一応霊薬と万能薬を飲めば完治はするが、そんな気軽に手に入るようなものでもないので、ここはポーションで凌ぐしかない。


「ふう...」


 数分してようやく落ち着いてきたので、なんとか立ち上がる。

 何度も経験している状態だが、やっぱり慣れないな。というか慣れたくもないしんどさだ。


 暗視スキルを発動し、周囲を見渡す。

 部屋の奥の方に魔法陣が出現していて、ボスが消えた場所にはドロップ品が残されていた。


「とりあえず...ドロップ品を回収して、次の階層の転移石を入手して、帰りたいな。」


:ドロップ品!何があるかな!!

:その状態で次の階層の敵倒せる?

:通常魔物一匹くらいなら倒せるでしょ

:いやいや、ここまで来ると、通常魔物でもバカにできない強さだぞ。多分。知らんけど


「...まあ、数十分休憩してからかな。さすがに今すぐ行くのはきつい」


 ぶっちゃけ今のままだと、碌に体が動かない。もう少し休めば魔物1、2体相手に戦えるくらいには動けるようになるので、それまではここで少し休憩だ。


「さて、ドロップ品は...」


 鑑定スキルを創って発動しながら、ドロップ品の近くまで歩いていく。

 落ちているのは、魔石と、何か肉のようなもの...


─────────────────────────────────────

ケルベロスの肝


地獄の番犬から得られる素材

極めて高い生命力と魔力を内包しており、伝説の霊薬、エリクサーの素材となる。

単体では効力を発揮しない。

─────────────────────────────────────


(おお?)


 ドロップ品は、まさかのエリクサーの素材だった。

 ケルベロスの肝...たしかに、エリクサーの素材の中に『■■■■■の肝』というものがあった。

 あれは、このケルベロスの素材だったのか。


(でも...なんかイメージと違うけどな)


 エリクサーは寿命をも延ばす薬だ。

 だがケルベロスは地獄の番犬だし、毒や腐食を持ってるし、どっちかと言えば寿命が削られそうな気もする...。


(まあ、ダンジョンのアイテムに疑問を持っても仕方ない)


 それを言えば、白蛇の鱗や太古の骨もなんでエリクサーの素材なんだって話になってしまう。そういうもの、と思っておくしかないだろう。


:また肉か!?

:肉と言うより内臓?

:レバーっぽく見えるな


「いや、食用ではないみたいだな。調合素材らしい」


 コメントが、また肉かと騒いでいたので一応訂正する。


:レバーがなんの調合素材になるんだよ

:そのまま食っちまえ

:そのまま食うな。焼いて食え


「食べないぞ」


 それだけ言って、壁際まで行って座り込む。

 過剰駆動の反動状態は、創れるスキル数も減って効力も弱まる。なのでスキルを『気配感知』と『高速回復』の二つだけにして、ひとまず装備の手入れをする。盾が結構ダメージを負ったからな


 昔は反動状態ではスキルを全く創れなかったので、これでも反動は大分マシになってるほうだ。だからと言って、気安く使いたくはないが。


 そして装備に修復のオーブを使って直した後は、少しだけ目を瞑って休むことにした。


:休憩か

:結局なんの調合素材なの?

:深層のアイテム、用途不明なの多いよな

:ちょっとは教えてくれー

:主は深層の様子とか攻略法見せるだけで、アイテムとかはあんま教えない方針だからな

:知りたきゃ深層まで来い。って何度も言ってるもんな


 ドローンのかすかな起動音だけ聞こえる。

 室内で暗闇というのは、休むには悪くない環境なのかもしれない。一応気配感知は創っているが、ボス部屋に魔物は滅多に来ないからな。割と安心して休むことができる。


────────────────────


 30分後


 ほんの少し仮眠のような形で休んでから、立ち上がって体を動かす。


「...よし」


 少し筋肉痛のような痛みはあるが、吐き気や眩暈はおさまっている。

 創れるスキルも万全ではないが、それでも6個くらいは創れるようになっている。

 これなら、少し戦って帰るくらいは問題ない。


:おはよう!

:大丈夫?

:無理だったら帰っていいぞ!

:帰ったらまたボス戦しなきゃなんだよなあ。次の転移石は確保しときたいところ


「なんとか大丈夫だ。転移石確保するための休憩だからな。このままちょっとだけ次の階層に行くよ」


:新階層だーーーーー

:さらば暗闇階層

:この階層、最初はすごいと思ったけど段々飽きてきたしな

:大体どの階層も後半は飽きてくるもんだから...


 まあ暗闇階層は、前半がずっと同じ構造だったから特に飽きやすかったんだろう。

 攻略する側としては同じ方が楽ではあるけどな。


 次の階層は、どんなところだろう。森か、洞窟か、荒野か...


────────────────────


 ダンジョン111階層


「さむっ!」


 魔法陣を使って転移してきて、開口一番のセリフがこれだった。


 白銀の景色。冷たい風。足首まである白い粉...いや、雪。


:雪景色だあああああ

:真っ白!!!!

:トンネルを抜けると、そこは雪国であった


 111階層は、雪が積もっていて冷気が漂う階層になっていた。


 白い息が出て、自然と歯がカチカチとなる。

 普通にめちゃくちゃ寒い...。


(い、一旦『寒さ軽減』あたりを創っておこう...)


 急いで創造スキルで寒さ対策のスキルを創り、場を凌ぐ。


 そして落ち着いたところで辺りを見回してみる。


(見晴らしはいい。遠くの方で動いているものが見えるけど、あれがこの階層の魔物か。こんだけ離れていても視認できるなら、不意打ちとかの心配はなさそう)


 周囲を確認したあとは、雪の上を少し歩いてみる。


(移動は...しにくい。素早い動きは難しいか。単発で跳んだりとかはできるけど、連続的な動きは制限がかかるな)


 雪は足首ほどまで積もっているので、普通に動くと足が取られてしまう。いつも通り素早く動くなら、雪があっても動けるようなスキルを創る必要がありそうだ。


(となると、結構厄介だな。寒さ対策のスキルと、雪上移動のスキル。それに、もしもこの階層も罠が続くんだったら、罠感知のスキルも必要になる。...環境対策だけで3つは枠が必要になるか?)


 寒さに関しては着こめばなんとかなるだろうが、それも動きにくさの原因となってしまう。スキル枠がどうしても足りなくなったら着こむのも選択肢だが、できれば動きやすさ重視で行きたい。


 ...ちょっと対策が大変な階層だな。




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