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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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78/80

78 105階層の中ボス戦


 ダンジョン105階層


 階層更新はゆっくりとするつもりだったが、あのバケモノの未来が視えてから予定を変更。無理のないペースで進めていくことにした。


 ダンジョンを攻略して、防衛に使える魔物を増やす。階層を進めることで、強力な装備を手に入れる。これも乗っ取りを防ぐためだ。


 一人で階層を更新するのは、当然ながら危険が大きい。だが準備不足であのバケモノと対峙するくらいなら、多少のリスク覚悟で階層を更新したほうがまだマシだ。あのバケモノには、それだけの威圧感があった。


 ちなみに、初日以来『未来視』は使っていない。またあのバケモノの未来が視えたら、と思うと怖気づいて使う気になれなかった。使ったほうがいいとは思うんだけどな...。


 暗闇階層の攻略法は、柱を起点にしてとにかく全方向探索する、という力技に落ち着いた。もっといい方法もあるのかもしれないが、一応これでも攻略はできる。


 なので同じ構造の階層はさっさと攻略して、105階層まで到達した。

 105階層も、ほとんど同じ構造ではある。しかし少しだけ違う点があった。


(...何かいるな)


 『気配感知』に、他よりも強い気配の反応があった。階層的に考えておそらく中ボスだろう。


 階層更新だけを考えるなら無視してもいいが、中ボスはレアなアイテムを落とすことも多い。それが強力な装備の可能性もあるので、倒せそうならやってしまいたい。


:この階層も同じような感じだな

:最初は壮大だーと思ってたけど、さすがに飽きてきたな

:ダンジョンさんもネタ切れか?


 気配の感じる方向に歩いていくが、コメントの言う通り構造は全く一緒だ。広い空間に、柱が定期的に置いてある。

 探索する側としては構造が同じ方が進みやすいが、飽きてくるのは間違いない。新鮮さがなくなってしまうが、今はそんなこと言ってられない。むしろ進みやすい方がありがたいかもしれない。


 そしてそのまま歩いていくと、突きあたりの壁に到着...したが、その壁に穴があって、通路のように先が続いていた。


:道がある!?

:行き止まりじゃない!?

:隠し通路か!?


 この先に中ボスがいるな...。

 通路を進んでいくと、奥に広い空間があるのが見えた。そしてそこに、何かがいる。

 まさに中ボスって感じの構造だ。わかりやすくていい。


 見た目は大きくて鎧を着た騎士、と言ったところだろうか。武器は剣...いや、両手で持つ大剣か。

 ぱっと見の見た目や武器ではわかりにくいが、こいつも頭に角が生えているし、背中には羽がある。

 通常魔物と同じく、悪魔の魔物の一種だろう。


 空間の入り口まで来たところで、『鑑定』を使用する。


─────────────────────────────────────

種族名:堕光騎士

個体名:ルクシード

状態:正常


レベル:105

スキル:闇纏い・炎角・立体機動


 難易度2ダンジョンの105階層に生息する魔物。

 魔鬼の上位種にあたり、暗闇の中での近接戦闘と空中戦を得意とする。


 角から放つ属性攻撃は個体によって異なる。

─────────────────────────────────────


 ふむ。遊び心は感じられない、真っ当な相手って感じだ。


 『闇纏い』は、闇を纏い身体能力を上げるスキル。闇を纏うってなんだよって感じだ。

 暗いところほど上昇率は高いらしいので、この階層向けだな。


 と思っていたところで、中ボスが入り口の俺の方を見てきた。そして角が赤く点滅する。


「マジかよ...!」


 俺は急いで中ボスの空間に入り、横に大きく跳ぶ。その数瞬後に、入り口に大きな炎が襲い掛かった。


:いきなり攻撃!?

:まだ部屋入ってなかったよな?

:対峙前に不意打ちとは卑怯なやつめ!


 こういった空間にいるタイプのやつは、部屋に入ってくるまでおとなしくしているのが普通だった。


 それが今回は普通に攻撃してきたので、これからは相手が部屋にいるからと言って、部屋の外でゆっくり準備したりするのは危ないかもしれないな。


(さて、出鼻をくじかれたわけだがどうしようか。)


 剣と盾を構え、改めて中ボスと向き合う。

 100階層以降に来て、初めての強敵だ。


 90階層台の小ボスたちは、ほとんどゴリ押しの形で突破できた。

 だが100階層以降も、それで通じるのかどうか。

 スキルを豊富に使い丁寧に戦うか、スキルを削って過剰駆動だけにして、一気に押し切るか...。


 別に、過剰駆動+スキルたくさんもできるっちゃできる。だがそれをすると後の反動がきつくなるので、あまりやりたくないだけだ。


(...押し切るか)


 じっくり戦って相手の手の内を暴いていくという方法もあるが、それは階層主が相手の時だけでいいだろう。

 中ボス相手なら、まだ一気に押し切ることができると思う。無理そうなら手段を変更すればいいだけだしな。


 スキルを消していき、過剰駆動だけにする。これで持続時間は10分以上だし、反動もほとんどない状態になった。


 地を蹴り、一気に中ボスに接近して剣を振る。

 中ボスは反応することもできずに、剣を受けて吹っ飛びそのまま壁に激突した。


:すげえ飛んだ!

:あんな玩具みたいに吹っ飛ぶもんなのか

:全身粉砕骨折間違いなし


 ガシャン!と鎧が壁にぶつかる音がする。そのまま追撃の為に走っていくが、たどり着く前に中ボスの角が赤く点滅する。


 角から飛んでくる炎。俺はそれを再び横に跳んでかわすが、かわしている間に中ボスが羽を広げ、空を飛んでしまった。


 よく見ると、中ボスの体に闇が纏っている。あれで身体能力...防御力を上げて、ダメージを防いだのか。


 こうなってしまうと、剣で戦うのは難しい。

 今の身体能力だと、ジャンプで届かせることはできる。だが相手は『立体機動』スキルで空中の動きに補正がかかるので、簡単に防ぐか避けられてしまうだろう。


 逆に俺は空中では無防備なので、そうなってしまうと相手が優位になる。なのでジャンプ攻撃はしたくない。


 となると、ここは魔法だな。

 過剰駆動中は魔力も強化されるので、魔法もいつもより強力になる。充分戦えるはずだ。


 相手は炎を使ってくるので、それに有利な水魔法が使える杖を取り出す。


 使う魔法は、『水鞭』。その名の通り水の鞭を作り出し、相手を攻撃する魔法だ。

 相手は空中の移動が素早いので、単純な魔法だと避けられたりしてしまうだろう。

 その点、水鞭は操作性が高いので動き回る相手にも当てやすい。上手くいけば相手を鞭で拘束することもできるしな。


(水鞭!)


 魔法を唱え、鞭を中ボスに向かって振り回す。


:空中VS鞭

:空飛ぶのは卑怯だろ!

:でもいい構図だな。面白い戦い


 やはり中ボスは空中を素早く移動するが、それに合わせて俺も鞭を動かす。

 時々角から炎を放ってくるが、それは属性有利な水鞭で弾いて無力化する。


 そしてしばらくその攻防を続けたのち、俺の鞭が中ボスの羽を叩いた。


 羽が削れて、中ボスの体勢が崩れる。そこを狙ってまた別の羽を攻撃することで、中ボスは空を飛ぶことができなくなり地に落ちてきた。


 俺は杖を放り投げて剣を手に持ち、中ボスに接近する。

 中ボスは大剣を振りかざしてくるが、遅い。

 大剣を持つ手を斬りつけ、指を何本か斬り落とす。


 たまらず大剣を落とした中ボスを前に、俺はタメの体勢に入る。


 必殺の『極鋭刃』


 ボスは黒い闇を体に纏わせてくるが、それに構わず俺は技を放った。


 過剰駆動で強化状態の極鋭刃は、相手を覆う闇も、その下の鎧さえも貫いて。

 中ボスの首を斬り落とした。


 首が地面に落ちるのと同時に、中ボスの体も倒れこむ。そしてそのまま粒子となっていった。


:勝ったあああああ!

:中ボス?撃破!

:面白い戦いだった!


 盛り上がるコメントをよそに、俺は別のことを考えていた。


 これくらいなら、通常スキル+確定ドロップで、宝箱も狙えそうだな。中ボスからの宝箱は入手しておきたい...。


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