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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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72 101階層探索リベンジ


 後日


 ダンジョン1階層で剣技の練習をしながら、101階層の攻略について考えてみる。


 光が使えないのなら、携帯で写真を撮ることも確認することもできない。

 となれば、模様を模写するか、完璧に記憶するか、あてずっぽうで歩き回るか。


 千里眼や視界拡張などのスキルを創れば、適当に走り回れば次に進む魔法陣が見つかるとは思う。

 しかし、それでは後続の人たちの参考にはならない。俺がただ進むだけになってしまう。

 

 俺が配信する目的は、深層の様子を見せてみんなに追い付いてもらいたい、というものだ。それなのに、後続の為にならない方法で攻略をするのもあまりよくない。


 水竜とか湖の中の探索?あれはたしかに俺しかできない方法だが、攻略には関係ないからノーカウントだ。無視しても次の階層に進めるし。


 ということで、できれば他の人でも可能な方法で攻略をしたい。


 やはり模写するのが無難だろうか?暗視スコープなどで視界は確保している前提で、模写した模様の紙を確認しながら探索する。それがいい気がする。


「っていう方法がいいと思うんだけど、どう思う?他にあるかな?」


 配信をつけて、コメントのみんなにも相談してみる。

 攻略方法は、別に俺一人で考える必要はない。俺では考えつかないような方法を思いつく人もいるだろうし、ここは素直に聞いてみよう。


:暗闇でも見えるなら、携帯の明るさを最大まで下げたら魔物に反応されずに確認できるんじゃない?

:いや、そもそも写真が撮れないだろ。フラッシュたかないと写らないし

:柱の模様しか特徴ないの?他に判別方法あったりしないかな

:実は天井の穴が攻略に繋がってたりしない?


「見た感じは柱の模様くらいしか特徴がなかったな。床に何か書いてるわけでもなかったし。天井の穴はたしかに、まだ調べてないから攻略の手がかりになる可能性はあるな。」


 そもそも天井に穴があることすら気づいていなかった。あの穴の形が違っていたり、実は矢印みたいな形の穴になっていたりしないだろうか?


:あの穴の中通っていけばすぐゴールだったりして

:でも天井までめっちゃ遠いし、穴調べるの難しそう

:穴の中に行くなら空でも飛ばないと無理だろ

:模写じゃなくてさ、配信画面をスクショ撮ってプリントすれば?


「ん、ちょっと待て、今のコメント。配信画面をプリントってなかったか?」


 大勢の人が一気に提案や疑問をコメントしだしたので、コメントの流れが速い。しかし、その中で使えそうな意見があった。


:今あったね。配信画面をスクショしてプリントすれば?ってやつ

:たしかに模写よりいいな

:暗視機能あるから、配信には模様映ってるもんな。ちょっと見えにくくはあるけど


「...その発想はなかったな。自分で写真を撮るか、模写するかしか頭になかった。」


 そもそも自分の配信を見返したりしないからな。配信画面を使う、という考えがなかった。


:言われてみればそれアリだな

:スクショをプリントとか普段しないし

:スクショしたのをプリントってできるの?

:調べたら色々方法あるっぽい

:なんならコンビニでもできるはず


「模写よりはそっちがよさそうだな。もう一回101階層に行って調べてみて、柱以外に特徴がなさそうだったらその方法で行こう。視界に関しては多分見えるはずだ。」


 全部模写してたら時間も労力もかかるしな。

 プリントならすぐに終わるし、負担も少ない。やはり相談してみてよかった。



 ダンジョン101階層


 ということで、そのまま101階層にやってきた。

 相変わらずの暗闇。『暗視』スキルがなければ何も見えない。


 まずは周辺の柱をチェック。

 転移は毎回同じ場所にされるわけではないが、それでも毎回ある程度近い場所に転移はされる。


 この周辺の柱を把握しておけば、次回来た時にまた同じ柱を見つけて、「この柱の右方向を探索した」などと判断することができる。


 適当に歩き回るだけじゃ、同じ場所を何度も探索している可能性があるからな。起点となる柱を決める必要がある。


(模様は...さっぱりわからんな)


 自分で柱の模様や装飾を見て、ドローンにもそれを映す。

 うずまきっぽいものもあれば、波線のようなものもある。少し離れた場所にまた同じような模様もあるが、同じに見えてもうずまきの巻き回数がちょっと違っていたりと、微妙な違いがある。


 この模様に何か意味があるのかはさっぱりわからない。現状では、ただの位置把握のためのものとしか考えていない。


 一つの柱につき一分ほど、ドローンの映像にしっかりと映しておく。

 この階層にある柱を全部、となるとさすがに膨大な量になるので、ひとまず転移直後の周辺の柱...探索の起点となりそうな柱を映していく。


:この模様、さっきもなかった?

:いつの間にか戻って来た?

:いや、若干違うぞ。さっきよりも線が一本多い

:同じにしか見えない


 コメントのみんなも、模様の把握に苦戦しているようだった。

 ...ほんとにこの方法でいいのだろうか。いや、何事も試してみるのが大事だ。


「...この柱を起点としようか。うずまき模様で、四回巻いているやつ。」


 いくつか見て回ったところで、探索の起点となる柱を決める。


「まずは、この柱の模様からまっすぐの方角を探索してみる。そして次回はその反対、その次は模様の右側、次は左側...って感じだな。」


 この方法であれば、同じ場所を探索していた、ということはなくなるはずだ。毎回ちゃんとこの柱を見つけられたらの話しだけどな。


:俺らもちゃんと見つけられるようにするぞ!!

:天井の穴はどうですか?


「そうだな。天井の穴も確認してみよう。」


 起点の柱と探索方向を決めた後は、天井の穴も確認する。


 天井までは10メートル以上あるので、地上から穴の形などはわかりにくい。だがそこはドローンの高度を上げて近づけて映しておく。


 そしてしばらく映した後でドローンを戻して、今回決めた方角へと歩き出す。


 等間隔に並んだ柱を映しながら、ひたすらに歩く。

 天井の穴も、見つけ次第ドローンを近づけて映す。


 当然、敵も出現する。基本的に最初の階層は魔物一体だけの出現なので、戦闘に関しては特に苦戦はしない。


 歩く、映す。戦う。歩く、映す、戦う。

 ...繰り返しになってきたな。


:最初はすげー光景だと思ったけど、さすがに飽きてきたな

:もうちょっとこう、何かないのかね

:ほんとに変わらないな


 コメントの人たちも同じことを思っているようだ。

 ひたすら同じ光景、同じことの繰り返し。


 違いと言えば、天井の穴の間隔か?


 柱は等間隔だが、天井の穴は等間隔ではなく不規則だ。

 もしかしたら不規則に見えるだけで、何か法則があるのかもしれないが。今はまだ何もわからない。


 まあ俺がわからなくても、配信を見ている誰かが何かの規則性を見つけ出すかもしれない。それに期待だな。


 探索に関しては、ただひたすら歩くだけ。戦闘も問題ない。

 戦闘にも慣れてきたところで、前回やろうと思ってできなかったこと...『確定ドロップ』での宝箱回収を試みる。


 この魔物の行動パターンも把握してきたので、スキルを減らしたところで問題ない。

 前回は『確定ドロップ』を創造してから急に魔物に出会わなくなったが、今回は創造してから数分後に、早速魔物と出会うことができた。


 相手の槍と角からの魔法を対処し、剣で斬りつける。そして一気に畳みかける。

 『確定ドロップ』のためにスキルをいくつか減らしているが、それでもこれくらいの動きは造作もない。

 あっという間に敵は粒子となって消えていき、その場所に宝箱が出現した。


「よし...!」


 正直、この101階層という深層でもちゃんと宝箱が出るのか不安ではあったが、しっかりとドロップしてくれた。これなら装備集め、アイテム集めが捗るな。


:おおおおおおおお!!!

:宝箱だ!!!!!

:101階層の宝箱!!!

:箱の中身はなんだろな!!!!


 俺は出るとわかっていたから喜びは控えめだが、そんなことは知らないコメントのみんなは大盛り上がりだった。

 俺も大げさに喜ぶべきだったか?いや、大声出したりしたら魔物が寄ってくるかもだし、控えめに喜ぶのが正解だよな。


「開けるのは後でな。今は探索優先だ。」


 中身が装備にせよアイテムにせよ、鑑定したり性能を確かめたりと時間が取られる。

 今回は柱の模様や穴をドローンに映しながら進んでいるので、ただでさえ時間がかかっている。ここでこれ以上時間を使うのもよくないだろう。


:あけましょうよ!!!

:今回の探索はここで切り上げよう!!

:実際、どこまで探索するつもり?

:どれくらい続いてるかもわからんよな

:端まで行くのに丸一日かかったりして?


「うーん...そうだな...。」


 一応『千里眼』スキルも創って使用しながら歩いてはいるが、それでもまだ先に変化は見当たらない。

 進むのがゆっくりなので仕方ないが、このペースだと本当に丸一日かかってしまう可能性もある。


:今回はお試し探索だったってことで!

:模様とか映してるけど、本当にまた同じ場所を見つけられるかはわからないじゃん?一旦帰って、また同じ場所に来れるかどうか試してみよう!

:たしかに。同じ場所に来れなきゃ模様を映したりプリントする意味もないもんな


 そう言われてしまえばそうな気もする。

 「模様が分かれば位置を把握できる」という前提だが、同じ模様を見つけられるかどうかはまだ試していないのでわからない。


 本格的な探索は、ちゃんと起点の柱を毎回見つけられるかどうか、柱を見てどこまで探索したか把握できるかどうか、が分かってからでよかったかもしれない。


「まあそうか。走ればすぐ来れるとは思うし、一旦戻るか。」


 そもそも、別に急いで先に進む必要もないのだ。まずは装備集めで、探索はそのついで、くらいの気持ちでいい。そう考えると、別に帰っていい気がしてきたな。

 マジックバッグから一階層の転移石を取り出し、起動の準備に入る。


:帰ろう帰ろう!!

:主、押されてて草

:本当は宝箱開けたいもんね、仕方ないよね


 ...宝箱を開ける言い訳にしている、と言われれば否定できないな。やっぱり気になるのは気になるし。




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