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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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67 ねんがんの エリクサーを てにいれたぞ!使う?使わない?


 ダンジョン1階層


 素材を集めた後日、俺は調合のためにダンジョンに来ていた。


 あの後コメント欄から色々聞かれたが、「湖の中に素材があった」とだけ伝えておいた。

 「何故素材があると確信して水の中に入っていったのか」なども聞かれたが、そこは答えずにいた。普通に考えたら、何かがあるってわかってなきゃわざわざ水の中まで調べないし、疑問に思うのも当然だ。


 管理者や補佐システムのことは、いつかは世間に知れ渡ると思う。だが、今俺が公表するべきなのかどうかは判断がつかないので、今のところは秘密だ。なので、湖の中に入っていったことも上手くはぐらかすしかない。

 あまりいい理由が思い浮かばないが、まあなんとかなるだろう。


 それよりも、今はエリクサーの調合だ。


 装備に付与するときと同じく、調合するときはダンジョンでするのがいい。

 俺のスキル「孤高の戦士」は、単独戦闘時に身体能力やスキルの性能が上昇する。

 つまり調合スキルを創り戦闘中に調合をすれば、スキルの効果を最大限に引き出すことができる。


 今回はミスが許されないので、調合スキルを複数創造。それに加えて「魔力操作」「魔量増大」「集中」なども創っておく。


 そしてゴブリンを見つけ、向かってきたところを防御魔法で防ぎ、「戦闘中」の状態を維持。

 これで準備は完了だ。


 マジックバッグからエリクサーの素材である、白蛇の鱗、ドラゴンの血、そして太古の骨を取り出す。


 どれもそれぞれ強い魔力を宿しているのが、手に取るだけでわかる。

 これらを一つにまとめる。言葉にすると簡単だが、失敗すればどうなるのかはわからない。


(...よし、やるか)


 大きく深呼吸をしたあと、調合の作業に入る。

 調合と言っても、やることは簡単だ。

 素材を近くにおいて、スキルを発動して、魔力を込める。言ってしまえばこれだけだ。


 低階層の素材でつくるポーションなんかは、ただスキルを発動させるだけで完成する。

 ただ中層以降になってくると、適切な魔力操作、魔力注入も必要になってくる。そしてその操作は深層になるほど高難易度になってくる。


 果たして深層のエリクサーともなると、どうなるのか。

 三つの素材を近づけて調合スキルを発動させたところで...


「っ...!」


  三つの素材が、まるで反発し合うようにビリビリと震え始めた。


 慌てて魔力操作で流れを整える。

 やはり、ただスキルを使って混ぜればいいわけじゃない。魔力の量、流れ、混ざる順番。そのどれか一つでも狂えば、調合は失敗する。そんな感覚があった。


 三つの素材は少しずつ近づいていき、淡く光って混ざりあっていく。

 そして混ざっていく中で、素材一つずつに魔力を注入していく。


 白蛇の鱗、次はドラゴンの血、次に太古の骨。三つに魔力を注入した後は、素材に魔力を行き渡らせる。ここも繊細な作業だ。

 そして魔力が行き渡り安定したところで、また一つずつ魔力を注入していく。これを繰り返し、魔力を巡らせて効力を高めて完成させていく。


(まだ必要なのか...!?)


 だが、その作業を三度、四度と繰り返しても、まだエリクサーは完成しない。

 深層のポーションであったとしても、二巡すれば完成するというのに。


(魔量増大がなかったら危なかったな...)


 回数もそうだが、素材一つに込める魔力も膨大だ。魔力を増やすスキルを使っていなければ、魔力不足で失敗していたかもしれない。


 額から汗が流れ、緊張で口の中が渇いていく

 だがそれでも作業を続け、六度目の安定化を行ったところで。


(きたか...!)


 三つの素材が混ざり合い、強く光り出す。

 そしてその瞬間、これまで込めた魔力が爆発するかのように、素材から抜け出そうとする。


(ここだ!)


 だがこのまま魔力を逃がしてしまうと、完成品の性能が落ちてしまう。

 なので魔力が抜け出さないように、押さえつける。その場にとどめて、魔力を内包させる。


「くっ...!」


 暴れる魔力を逃がさないように、ひたすらおさえつける。ただ魔力を操作するだけでなく、自分の魔力で覆うようにして、逃げ場をなくす。


 そしてようやく...


 光は収まり、魔力は静まり


 そこには一つの、瓶に入った液体があった。


「...」


 それを見た俺は、おさえつけていた魔力をゆっくりと霧散させる。

 さっきまで暴れまわっていた魔力は、この液体の中に全て入っていった。


 その場に座り込み、息を吐く。


「はあ...。なんとかできたか...。」


 完成した。

 ミスというミスはなかったし、今の俺にできる限り、最高の出来のはずだ。


 まずは鑑定を...と思ったところで。


「グギャ―!」


 目の前にいたゴブリンが、防御魔法を回り込んで突っ込んできた。


「あぶなっ!」


 そのゴブリンがエリクサーを踏みつけようとしてきたので、慌てて回収をしてゴブリンを殴り飛ばす。


「やめろよほんと...。心臓に悪いだろ...。」


 ドキドキしてさっきとは違う種類の汗を流しながら、回収したエリクサーを眺める。


 ポーションは、ヒールポーションであれば緑色、マジックポーションであれば青色など、用途によって色が変わってくる。


 だが、エリクサーは澄んだ色...透明だった。


 しかしただ透明なだけではない。透明の中に、キラキラと輝くものが見える。決して派手ではないが、不思議と神秘的なものを感じる。そんな輝きだった。


(...鑑定。)


 神秘的な輝きに目を奪われながらも、俺は鑑定スキルを創り情報を読み取る。


──────────────────────

【エリクサー(効能98%)】

伝説の霊薬。

あらゆる傷と万病を癒やし、死亡していない限り、いかなる状態からでも使用者を回復させる。

さらに、寿命を数年延ばす。


必要素材七つのうち三つを調合することで作成できる。また、■■■階層以降で直接ドロップすることもある。

ただし、ドロップ品の場合は効能■■%を超えることはない。


必要素材

ドラゴンの血

太古の骨

白蛇の鱗

■■■の葉

フェニックスの■

■■■■■の肝

ペガサスの■

──────────────────────


 完成したものは、間違いなくエリクサーだった。


 効能は98%。一般的に、ポーション類は効能85%を超えると高品質と言われている。

 なのでこの98%は、最高品質と言ってもいいだろう。


 そして、実物を鑑定したことにより多くの情報を読み取ることができた。


(調合だけでなく、直接ドロップもあるのか。それに、他の素材も少し知れた。)


 鑑定情報によると、エリクサーは調合だけでなく直接手に入ることもあるらしい。

 何階層かはわからないし、効能も上限はあるようだ。しかしそれでも、現物が手に入るという情報は嬉しい。


 そして他の素材。読み取れない部分も多いが、わかるものとすれば『フェニックス』と『ペガサス』。

 この先のどこかの階層で、この二体は確実にいるということだ。


(...目標が進んだ感じがするな。)


 エリクサーは、一つ完成して終わりというわけではない。

 俺は、死ぬのが怖い。だからこそ寿命をのばすエリクサーがほしかった。


 ただ、エリクサーは一つで『数年寿命を延ばす』ものだ。この数年が2~3年なのか、それとも5~6年なのかはわからないが、何にせよ一本だけでは死を回避できたとは言えない。


 エリクサーを大量に用意すること。それが俺の目標。

 そしてそのための情報をまた手に入れることができた。目標に、また一歩近づいた。


(このエリクサーは...すぐに飲むか?どうしようか?)


 ようやく手に入れたエリクサー。寿命を延ばすのが目的なら飲んでしまったほうがいいが、『鑑定』のように、手元に残しておけば後でまた調べることもできる。


 それに、エリクサーは欠損や病気の回復にも使える。残しておけば、そういった事態になったときに治すことも可能だ。


 それを考えるなら、ひとまず手元に残しておいた方が...


「...っふ。」


 そこまで考えたところで、俺は鼻で笑い。


 手元にあるエリクサーを口につけ、顔を上に向け。


 一気に飲み干した。


(そんな弱気な考えじゃだめだよな。)


 手元に残す?

 どうせたくさん手に入れるんだから、手元に残す必要なんてない。


 一つしかないからと言って使うのを躊躇っていると、『もう一つ手に入れる自信がありません。』って言ってるようなものだ。

 ここは自分の決意のためにも、使う場面だ。


 エリクサーは、無味無臭でクセは一切なく、のどごしもなめらかでまるで空気のようにスルっと飲み込むことができた。

 そして飲み干して数秒後。さきほどまでの調合の疲れは一気に吹き飛び、魔力もみなぎって来た。


(鑑定情報に書かれてなかったけど、魔力回復効果もあるのか?)


 『使用者を回復させる。』とあったが、どうやらそれは疲労や魔力も回復させるらしい。

 それを知ることができたので、やはり飲んだのは正解だっただろう。


(...よし、やるぞ...!)


 望み続けたエリクサー。たった一つではあるが、手に入れることはできた。

 これを繰り返すには、再びダンジョン探索を続けていく必要がある。


 これまでは、エリクサーはいつ手に入るのか、本当に死ぬまでに間に合うのか。そんな不安を抱えていた。

 だが、エリクサーは確かに存在した。俺はそれを自分の手で作ることができた。


 もう『あるかどうかわからないもの』じゃない。

 手を伸ばせば届くものだ。


 ここから先も潜り続けて、もっと集める。死なないために、何本でも、何十本でも。


 そのために、俺はまたダンジョンへ向かう。


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