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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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58/67

58 93階層で手に入れたもの


 ダンジョン93階層


(ここには何かあるといいけどな...)


 2週間かけて91、92階層を探索してみたが、残念ながらめぼしいものはなかった。手に入れたものと言えば、ドロップ品のポーションくらいだ。

 この階層で取れるポーションなだけあってかなり効力の高いものではある。だが今欲しいのはこれではない。


 この灼熱階層は93階層までで、94階層からはまた別の環境になる。なので、もしかしたらこの灼熱階層には何もないのかもしれない。


(見た目で怪しい場所はなさそうなんだよな)


 この階層は視界が広がっているので、『千里眼』系統のスキルを使えばかなり広範囲まで見ることができる。

 それを使って見て回っているが、今のところ視覚的に怪しい場所は見当たらない。


:似た景色が続くな

:101階層行かないの?

:どこ探索するかは主の自由だ

:景色は同じでも、戦闘はちょっと変わってくるからな。それ見るだけでも楽しい


 コメント欄を見たところ、みんなもこの階層に少し飽きてきているようだ。

 80階層台のように未知の遺跡があるわけでもなく、だだっ広い砂漠のような、荒野のような景色が広がっているだけだからな。何回も見ていれば飽きるのも仕方ない。


 魔物も、複数体で出現してくるようになったとはいえ、それほど代わり映えしない。新たに蟹のような魔物が出てくるようになったが、今の俺が苦戦するほどの相手ではない。


 そうして93階層を歩き回っていたところで。


(...ん?)


 ほんの少しだけ、地面の色が変わっている場所を見つけた。


 地上を歩いているとわかりにくいが、千里眼や俯瞰視点で上から広く見ることで気付けるくらいの、微妙な違いだ。


(温度も違うな)


 その近くに行ってみると、ここだけ周りと比べて少し涼しかった。

 地面の色も温度も違う。さすがにここには何かあると思っていいんじゃないだろうか。


:どうした?

:なんかあった?

:何も見えないけどな


 突然止まった俺を見てコメント欄は疑問に感じたみたいだが、俺はドローンを浮上させて上空から地面を映してみる。


「ここだけほんの少し地面の色が違わないか?それと、気温も周りと比べて涼しい。多分このあたりに何かあるぞ。」


:ほんとだ

:マジでちょっとだけ違うな。よく気づいた

:下ばっか見て歩くな!上を向いて歩こうよ


 コメントのみんなも、上から見ることで気づいたようだ。普通に歩いていたら地面には気づけないかもな。温度はわかりやすいけど。


「さて、どう調べるかな...」


 ここが怪しいのは間違いないとして、何があるかだ。

 地面の色が違う以外は、周りと同じ。建造物があるわけでもないし、特別な魔物もいない。


 ...と思っていたところで、突然足場が崩れ出した。


「おっと?」


 足元を見てみると、砂地獄のようなものが徐々に出来上がってきている。飲み込まれそうになったので、急いでその場から離れる。

 ...こういうのって、もっと柔らかい地面で起きる現象じゃないのか?


:なんだこりゃ

:蟻地獄?砂地獄?

:その先に何かあるとか?


「この先か...」


 確かに何かがあるとすればこの先かもしれない。だが見えない場所に飲み込まれるというのは、ちょっと不安だな。

 ...見えないなら、見えるようにしてしまおうか。


 千里眼や俯瞰視点では穴の先は見えないので、『透視』『看破』を創造。そうすると穴の先が確認できた。


(広い空間で、地面はあるな。そして、魔物が二体いる。)


 穴の先は奈落の底でした...とかではなく、ちゃんと空間があるようだった。おそらく、隠し部屋のようなものと考えていいだろう。


「この砂地獄の先に、空間があって魔物がいるな。行くぞ。」


 一応何があるか伝えてから、俺はその砂地獄に飛び込む。

 ...大丈夫だとはわかっていても、砂に飲まれる感覚は心配になるな。


:ほんとに?なんでわかるの?

:その先がトゲだらけのトラップかもしれんぞ!

:おいおいおい大丈夫かよ


 そして少しだけ砂に埋もれる感覚が続いた後、その圧迫感から開放された。


 突然数メートルの高さから落下することになったが、事前にわかっていたのでしっかりと着地をする。

 少し遅れて、上空からドローンも砂にまみれてやってきた。

 ...これくらいじゃ壊れないよな?


 そして、離れた場所に魔物が二体。人よりも大きい犬の魔物だ。


 俺が落ちてきたのを見て、ゆっくりと動き出していた。


:おおーほんとに空間があった

:よく飛び込んだな。めっちゃ怖いだろ

:もう魔物来てないか?


 二体の犬の魔物は喉を鳴らしながら俺の方を見ている。俺は慌てずにスキルを切り替え、鑑定を発動させた。


─────────────────────────────────────

種族名:おるとろす

個体名:オルとロス


オル

レベル:93

状態:正常

スキル:ブリザード・氷鎧・氷柱


ロス

レベル:93

状態:正常

スキル:癒しの波動・魔力吸収・魔力弾


 難易度2ダンジョンの93階層に生息する魔物。

 管理者が生み出した魔物で、姿かたちは神話のオルトロスを元にしている。

 追いつめられると合体をし、頭が二つの魔物へと変身する。

─────────────────────────────────────


 ...なんだかツッコミどころが多い気がするが、今は置いておこう。


 一体は氷の攻撃、もう一体は回復係、って感じだろうか。この辺りが涼しかったのはこいつの影響か。


 そして追いつめられると合体をすると。第二形態ってやつだな。

 まともに戦えば長引いてしまうかもしれない...。じゃあ、取るべき選択肢はこれだな。


「過剰駆動」


 他の創造したスキルを取り消し、過剰駆動のみにする。

 100階層を超えた力で、ここも突破させてもらおう。


 圧倒的な魔力を吹き出し、みなぎる力を開放して、俺は犬の魔物に向かっていった。



 そして数分後...



:いやあ犬の魔物は強敵でしたね

:お疲れ様ワンちゃん

:圧倒的ではないか我が軍は!


 当然負けるわけもなく、頭が二つになった犬の魔物は目の前で粒子化していった。


 いや、弱くはなかったけどな。氷の柱はまともに当たれば体を貫かれていたかもしれないし、半端な攻撃は氷の鎧に阻まれて、傷をつけても回復される。

 さらにはロスのもつ魔力吸収は、こちらの魔力を微量に奪っていくという結構厄介なスキルだった。


 ...たしかに圧倒できたが、それは過剰駆動を使ったからだ。過剰駆動なしだと少し苦戦したかもしれない。

 とは言っても、それでも負ける気はしないが。


(種族名がひらがなだったし、なんか見た目だけ真似たようなものだったし、変な魔物だな。まあヤマタノオロチも見た目だけだったし、そういうもんなのか?)


 ダンジョンは常識外れ...とは言うが、管理者の存在を知ってしまったからには、実は管理者が常識外れだったんじゃないかと思ってしまう。

 でも管理者は人間じゃないっていうのに、やけに人間の知識に合わせたダンジョンだよな。その辺も何か秘密があるんだろうか。


 そう思っていたところで、魔物が消えた場所にドロップアイテムが出現した。

 こんな隠し空間にいた魔物だし、ドロップ品も特別な物...エリクサーの素材だと嬉しいけどな。


 ドロップ品は魔石と、氷のようなもの。早速鑑定をしてみる。


─────────────────────────────────────

凍癒核

おるとろすの合体後に生じる核。

高い治癒力と魔力安定性を持ち、霊薬や高級回復薬の調合素材となる。

─────────────────────────────────────


(これは...霊薬の素材?)


 鑑定文によると、これは霊薬の素材になるらしい。

 すっかり頭から抜けていたが、霊薬や万能薬があるなら、それを作るための素材があるのは当然と言える。


(エリクサーの素材じゃなかったけど、これはこれで嬉しいな。)


 霊薬が四肢欠損を治せるのは実証済みだ。いざという時のために、いくつか確保しておきたい。


(しまった、霊薬の素材を調べて置けばよかった...)


 これが霊薬の素材なら、他にも何か素材が必要ということになる。

 実物があれば素材を調べることもできたが、あの時はすぐに歌に使ってしまったからな。残りの素材がわからない。


(...また今度、アシュファンを倒しにいってゲットするか?)


 霊薬だけでなく、万能薬についても調べたい。それに『選択のオーブ』で手に入る他の物も気になる。


 アシュファンは戦うほどに強くなるらしいので、何度も挑むのはちょっと躊躇われる。だが、だからといっていつまでも避け続けるわけにもいかない。強くなると言っても、さすがに限度はあるだろうしな。


 それを考えるなら、アシュファンとも時々戦うべきか。

 あと、最近戦ってないヤマタノオロチも。まあヤマタノオロチに関しては、現状の優先度としてはそんな高くないけどな。



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