表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルが生えてくる異世界に転生したっぽい話  作者: 明和里苳
第7章 鍛冶編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/89

第82話 杖を作ろう

 午後は親方の工房へ。お爺様とベルント様の刀は、親方やお弟子さんが最優先で取り掛かって、急ピッチで仕上がりつつある。その後は、ヒヒイロカネ製の献上品を打つ予定だそうだ。


 俺は相変わらず研磨三昧。刀を打つには、まず鍛治レベルをべらぼうに上げなければならない。そして刀を打つに足るレベルに達したとしても、レベルが高ければ高いほど品質の良い刀が出来るので、今のところはポイント稼ぎ一択だ。


 しかし、牙でナイフを削り出すのも飽きてきた。だってあんまり実用的じゃない。まず刃物に加工すると、どうしても小ぶりになる。そもそも、刃物に加工出来るような丈夫な魔物素材は貴重だ。そして立派な剣が切り出せるような大きな牙はさらに貴重。めちゃくちゃ高い。やはりそのまま槍の穂先や爪に加工した方が丈夫だし、形状的にも理にかなっている。




 というわけで、今日からはいろんな武器に挑戦することにした。まずは木の短杖(たんじょう)。これはいわゆる武器やステッキとしての杖ではなく、魔術師の使う指揮棒状の杖を指す。ボディは硬くて丈夫な木材を削って整形し、コルクにあたる部分に研磨した魔石や宝石、いわゆる魔力媒体を埋め込む。ここ一週間で、削り出しと研磨はかなり上達したと思う。杖はそんな俺にピッタリの教材だ。


 木の削り出しはあっという間だった。初めてにしては、綺麗に出来たんじゃないだろうか。もちろん、強度を損なわずにまっすぐ加工するには職人の技が必要だが、今回は駆け出し冒険者用の習作ということで。鍛治スキルポイントもあまり入らなかったし、ここは適当でいいだろう。


 杖の心臓部は、魔力媒体だ。ここの素材の良し悪しが、杖のランクを決める。基本的には、使用者の属性に合った宝石や魔石、魔物素材を使用する。魔素の伝導率が高いもの、さらに魔素を豊富に含むものだとなおよい。高品質なものなら、魔力の増幅効果まで期待できる。


 もう一つ重要なのは、カッティングだ。これは魔法の正確性と指向性に関係する。しかも素材によって最適な形状や角度が異なる。アレクシス様が「光の屈折と関係があるかもしれない」と予測していたが、的を射ているのではないだろうか。


 ちなみに属性に関係なく正確性と指向性だけを上げるのに適しているのは、魔力を込めていない無属性の水晶。これは基本的に初心者用だけど、逆に複数属性を扱う上級者も好む。今のアレクシス様の杖がこれ。


 宝石なんかは作り放題だ。トパーズに雷属性の魔素を込めたオリハルコン、それからヒヒイロカネの材料になるルビーやサファイア。アクアマリンは水属性で、エメラルドは風属性、アメジストは闇属性。土属性はどの石とも相性がいいけど、茶色寄りのトパーズやガーネット、スモーキークオーツなどが特に増幅率が高い。同じく光属性は、不純物を含まない透明な石を好む。水晶やダイヤ、透明なサファイアなど。ダイヤは聖属性を込めるとアダマンタイトになるから、込める魔素で属性が変わる。そして透明なサファイアは、記憶結晶として優秀だ。もしかしたら、画像を再現するのに光属性が関わっているのかもしれない。


 とりあえず、土を出して粘土にし、二酸化珪素に錬金したら水晶の完成だ。ピンポン玉くらいのやつをアダマンタイトでしこしこ削り、六角柱に。さらに上下を六角錐にしたらOK。なお、理想的な形状や角度は、アカシックレコードと鑑定スキルが教えてくれる。便利。


 夢中でいくつか削っていたら、こんなメッセージがポップした。




===


細工スキルを獲得しました


===




 おおっと。杖の宝石研磨は、鍛治スキルと細工スキルの両方にポイントが入るようだ。めっちゃお得じゃん。


 宝石を研磨してて分かったことは、素材のレア度が高くて加工の難しいものほど細工スキルが伸びること。そして同じ素材でも、魔素を込める前と込めた後ではスキルポイントが異なる。当然、魔素伝導率や増幅率は言わずもがな。そして出来のいい媒体が完成すると、更にボーナスポイント。ヤバいな、これはフェルトを投げるどころの騒ぎじゃない。


「おいクラウス、時間だぞ。一体何をそんなにのめり込んで———」


 兄弟子が終業の声を掛けるまで、俺は時間の経つのも忘れていた。午後だけで3つ出来た魔導媒体。水晶、普通のルビー、火属性の魔素を込めた魔導ルビー。ルビーは硬いから、なかなか骨が折れた。


「親方ア!!!親方アァァ!!!」


 その後、ドワーフの皆さんがわらわらと集まってきて大騒ぎとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 次回予告:叱られ回
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ