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17.「3箇所目」上から目線と上から目線と予想通りの展開

この作品はフィクションです。

「……………。」

「……………。」


洞窟の奥、地底湖の広間。そこには、お目当ての男の他に、まったく再会を望んでいない奴までいた。


全身石で出来た身体に、宝石を散りばめた悪趣味なマントを纏い、見せつけるかのような巨大な金剛石をはめたロッドを携えた生物。いや、石なのだから鉱物か。

そんな、動いて喋る鉱物が、偉そうに水晶の椅子に座り、男の屋台の器を手に取っている。


匂いも味もわからぬ石人形風情が、宮廷料理人の資格を授けられる程の男の料理に手を出すとは。


「さすが、脳みそも石で出来ているだけのことはある。分不相応、という言葉を知らないようだ。」

「…また貴様か。」


左手に料理の器。右手に金剛石のロッドを持ち、石人形は立ち上がった。


「いい加減しつこいぞ貴様。何故いつもいつも我の至福の時間の邪魔をするのだ。」

「何が至福だ。料理の良し悪しなど欠片もわからぬ石人形が。」

「ふん、我ほどになれば、例え味も香りもわからずととも、歯応えと食感だけで料理の素晴らしさがわかるのだ。」

「石人形ごときが料理を語るな。」

「黙れ。先程から我を石人形石人形と…。極刑に等しき侮辱ぞ。」

「石人形と呼ばれるのが嫌なら、岩人形にしてやろうか?喜べ、大きくなったぞ?」

「石を岩に変えるだけとは。なんと乏しい語彙力か。知識の無さが浮き彫りになっておるぞ。」

「石の知能レベルに合わせてやっているだけ、ということもわからんとは。所詮、石は石か。」

「…そうかそうか。そんなに処罰を望むならば、応えてやらねばなるまい。焼殺と圧殺、好きな方を選ばせてやろう。遠慮はいらんぞ?」

「石風情が人間に楯突こうなど、笑い話にもならん。今すぐ物言わぬ石くれに還してやる。」

「………。」

「………。」




















「おい。」





一触即発。その空気を、短く鋭い声が斬り裂いた。

我と人間の小僧が、同時に声の主を見る。


真っ直ぐにこちらを睨みつける瞳。

冷静だが、強烈な怒気を含んだ表情。


間違いなく、男は激怒していた。





「知っているはずだな?俺の最も嫌うことは。」

「………。」

「………。」

「それを承知で、性懲りもなく、あんな言い争いをしていたんだな?」

「………。」

「………。」

「…………………………。」











「………まぁ、あれだ。素晴らしい料理を楽しむ場所で、あのように騒ぎ立てたのは、無粋であった、と、認めなくもないぞ?」

「………そうですね。お見苦しいところをお見せした、と、そう言えなくもないところでした。まぁ、一歩引く度量くらいは、余裕で持ち合わせておりますのでね、えぇ。」

「………まったく。」




食事の場でケンカはよくない。

食事の場でなくてもケンカはよくない。

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