表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/27

16.「3箇所目」アルジと上から目線と上から目線

この作品はフィクションです。

「出来たぞ。」

「うむ、待ちかねたぞ。」


水晶から切り出された自前の椅子に腰を下ろし、料理の器を受け取る。

ほのかに湯気のたゆたう器の中には、黒く、深く、色濃いスープ。そして、白色の太い麺と、しっかりと煮込まれた、魔物や動物のスジ肉の塊。


「我が味も匂いもわからぬのを承知の上で、かように手をかけた料理を出してくるとは。これはまさに、敬意だな。苦しゅうない。」

「…お前への敬意じゃなくて、料理への敬意だ。」

「ふっ。照れ隠しなど無用だぞ?」

「………。」


呆れた風にこちらに背を向けると、男は器を磨き始めた。相変わらず、照れ隠しが下手な男だ。






人間たちの間では、我ら「輝石の一族」は、命を持った石像、と形容されているらしい。事実、我のことを、動く石人形、などと言い放った人間もいた。


腹立たしい。実に、腹立たしい。我らの輝かしき姿は、あらゆる生物を魅了し、虜にし、平伏させる。悠久の栄華を生きるのに相応しい姿なのだ。

その輝かしき姿を、石像だの石人形だのと。暴言も甚だしい。


全身の骨という骨をすり潰されたとしても文句を言えぬ。それほどの暴言である。


「…!出たな石人形め。」


そう。まさにこのような


「、……………。」










…話は少し巻き戻る。

アルジと輝石の一族の者が話をしていた、ちょうどその頃、




「まったく…。こんな深いところに潜り込むとは。」


私は地下深くへと歩を進めていた。


本来であれば、このような場所に足を踏み入れるなど御免被りたいところだ。陽の光は届かず、空気はよどみ、足元も歩きづらいことこの上ない。

だが、屋台はこの洞窟の中へと入っていった。ならば、追うしかない。

それが、国のためになり、彼のためになり、私のためになるのである。


「何故それを理解できないのか…。」


この世には、理解の出来ないことが数多ある、ということは理解している。そして、理解のできないことを理解するためには、理解の出来ない理由を理解することから始めなければならない。


が、


あの男に関して言えば、それが出来ない。与えられた名誉を無下にするなどという心理、理解出来るはずがない。


「それでも、どうにかしなければならない、と…。」


国王からの命令に、拒否する権利などない。勿論、失敗することも出来ない。

道は唯一つ。やり遂げるのみ。


そうして歩き続けると、洞窟には似つかわしくない良い香りが漂ってきた。道の先に少し開けた空間があるのが見える。

どうやら、屋台はあそこで停まっているらしい。


「やれやれ…。」


やっと追いついた。一つ安堵して、その空間に足を踏み入れる。そこにはお目当ての屋台と男。そして、




「…!出たな石人形め。」


牛すじ煮込みうどん、好きですね〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ