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悪夢のような出会い

私立世翔高等学校は普通科、商業科、国際科の3つの科があり、総勢600人余りの生徒がいる。

私は商業科に受かっているので胸元にある学年を表す校章が黄色く、普通科は青、国際科は赤だった。

やっぱり制服がかわいいからここにして正解だった!友達たくさんできるかなー。

そんなことを思いながら他の生徒と同じように校舎へ続く桜並木を通っていたら、急に後ろが騒がしくなった。

どうしたんだろう?と思い自分も後ろを振り向くと、そこにはタイプは違うがモデルのような4人の男女が歩いていた。

右端から茶色い髪を遊ばせたようにセットしている、愛想がよさそうな雰囲気の少年。その隣は柔らかそうな黒髪を持つ、メガネを掛けた優等生を絵にかいたような少年だった。後ろにはストレートの髪の上の部分に三つ編みを施しておしゃれに纏めたお嬢様風の女性と、一番見目という意味で目を引く、純粋に美しいと思わせる生粋の外国人のような金髪で青目の細い少年だった。

そんな絵になる4人だと、同じ制服を着ているはずなのになぜか別物に見える。思わず自分を見て溜息をついてしまった。

しかし、こんな時間からの登校なので彼らも新入生なのだろう。

周りの人達が色ときめくのが分かる。

だが、こんなざわめきなどこれから起こる出来事の前では小さかった。

そう。


彼らは避けようと道の端に寄った私の前まで一直線に来ると、あろうことか跪(ひざまず)いたのだ。

涙を流しながら。


「は、え、ええええ!!?ちょっ、え、何これ、私何かしましたか!?」


あまりの展開で叫んだ私と、周りの「キャー!!」という声は多分同時だった。

見覚えがない美形集団に跪ずかれた私は混乱中だったが、そんなのお構いなく一番前にいた人懐っこい感じの少年が立ち上がり、私の手を両手で包んで、少し頬を赤らめながら茶髪の少年は言った。


「ずっとずっと探してた。…会いたかったよソロモン。」


「!?ひ、人違いです!!私あなたたちなんて知らない!」


叫びながらこの場を逃げようとするが、手を掴まれてるせいか逃げれない。というか、ビクともしないってどうゆう事だ!?


「人違い?こんなに近くにいて触れ合ってるのに?確かに少し濁って(・・・)はいるが、僕たちがソロモンを間違えるはずがないじゃないか。…まぁ…女になってるとは思わなかったけどさ。」


いーやー!なにこの舐め回すような視線!そして中二病発言!かっこいいのに!かっこいいのに残念な人達だよ!!

そんなこと思ってる内に周りに人が来始めた。

ヤバい。本格的に新入生が集まりだしてくる時間だ。

このままじゃ入学早々ヤバい人レッテルが貼られる。それは勘弁願いたい。


「い、一度手を放してくださいぃ…。」


「…逃げない?」


「…ぅ、うん。」


茶髪の少年がなら、と手を放した瞬間、『いまだ!』と脱兎のごとく逃げようとした。

捕まったが。

ニコニコと腕を掴まれた上、さっきまで跪いていた後ろの3人まで腰や腕に縋り付いてきた。


「逃げないって言ったよね?」


「待って!ほんと待って!」


「置いてかないでくれ!」


「俺らのこと忘れちゃったんですか!」


「ひっ!!ヤダ!放して(・・・)!!」


幾ら美形集団とはいえ、見ず知らずの人に抱きつかれ黒い笑みを向けられ、周りはその状態に阿鼻叫喚。

本能的に叫んだ私の声に、4人が分かるくらいビクッと震え一気に手を上に挙げて放した。

そのいきなりの行動に驚いたが最後のチャンスとばかりに、私は校舎へ走って逃げだした。

走りながら振り向くと、まるで自分たちの行動が信じられない、という顔をしている4人がいた。

追いかけてくる気配はなかったので、先ほど起こった出来事に今だ混乱しつつも、大急ぎで玄関で靴を履き変え、横に貼ってある掲示板で自分のクラスを確認し、1-2へ急いで行った。

願わくばさっきの変な人達とクラスが違いますように。

個人的に腹黒いキャラが好きです。

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