97話 教団と死神1
僕は誰もいない所まで来た。雪菜さんが今日は一緒に行くことができないって言いに来た時から誰かが僕を監視していることに気が付いたからだ。監視されていることは予想していたけど、ほとんど気配がなかったから放置にしていけど、今回は完璧に分かった。
守友家の人間じゃないのは確かだな。大暴れできないから誰もいないよな所に来た。通路は狭いから動きも読みやすくなる筈だ。さっさと片づけて学校に行かないと遅刻してしまう。
「早く出て来いよ。バレているんだから」
「やはり分かっていたか」
「アンタ何者だ?」
「答えるわけないだろ」
速攻ナイフを取り出して刺しに来るとはね。簡単に避けれるから何も問題はない。松葉杖での動き方も慣れてきているからナイフくらいなら捌ける。相手は今のところは一人だから避けれたり出来るが人数が増えたら無理だろうね。
「相当慣れているな。小僧」
「そりゃあどうも。何か奥の手があるんでしょ」
「あるに決まっているだろ」
ナイフを投げてくるってマジかよ。しかも目を狙って正確に来るとは……しかも奥の手はスタンガンかよ。まっ油断していなかったから余裕で止めれたけど。まだ奥の手が残っているとも限らないから油断をしないでおかないとね。
にしてもこのおっさん、どこかで見たよう気がするのは何故だろうか。微塵も興味がなかったから覚えていないだけだとは思うんだけどね。僕に関係してはいないかもしれないけど、思い出さないといけない気がする。
「よっ! 久しぶり」
「はぁ? お前は……」
「君に会える日を楽しみだったよ」
「嘘だr___」
ニュースで死んだと報道された筈の男が目の前に現れたことで僕は動揺してしまった。動揺して油断した瞬間にハンカチで何かを吸わされた後、気を失った。
◇◇◇◇
[守友竜樹視点]
放課後、咲人が今日学校を休んだと聞かされた。何故、アイツの担任が俺にそんなことを言ってくるかと疑問に思ったが無断欠席みたいだった。両親も分からないとのことだったので俺に聞きに来たとのことだった。俺も知らなかったので何も力になれなかった。
「そうか……事件かもしれないから警察には連絡は入れている」
「分かりました。ちなみに事件の可能性は?」
「高い。最近は怪しい奴らが多いからな」
誘拐って可能性もあるだろうが咲人に限って遅れをとるのは考えられないが、骨折しているからな。相手が強ければもしかしたらあるかもしれないんだがまぁほとんどない。アイツよりも強い奴がいたら俺が即スカウトしに行くわ。
夜夢の耳にも入っているだろうから俺が動かなくてもいいだろう。アイツには借りがあるけど、動く必要がないものに使ってもノーカンだと思うから動かない。夜夢が動くなら爺さんも動き始めるだろうから何も問題はない。
「呼び出しはもうよろしいので?」
「あぁ咲人が今日無断欠席したらしい」
「一大事じゃないですか」
「警察も念のため動いているんだ。問題ないさ」
「まぁ咲人様のことですからシレっと帰ってきそうですね」
やっぱり葉月栞もそう思っているのか。俺も同じ考えだから何も言えないが、その考え方はどうかと思うぞ。アイツも信じれない相手が目の前に現れたら流石に動……揺する可能性だってあるわけだからな。父くらいなら一切の躊躇なくシバける。
ならあの教団が怪しいな。モール無差別爆破の犯人には双子がいる。その片割れがいる訳だから咲人に接触しても何もおかしくはないのだが……敵討ちには遅すぎる。いや……善良ってニュースでやっていたわけだから先入観だけで判断するのはよくないな。
しかもあの教祖様はテレビに出ていたわけだから顔くらいは分かるだろう。もし見ていなくてもネットにもあったのだから……ないよな? ちゃんと知っている筈だよな? 知らなくて油断して誘拐されたとかないよね?
◇◇◇
[???視点]
ようやくこの時が来た。兄さんの仇をうつことができる。あの日、兄さんの計画にはイレギュラーが多くあった。一つは裏切り行為だ。まぁ兄さんの罪の肩代わりになってくれたから許してあげよう。もう一つはコイツだ。
”藤咲咲人“、兄さんの計画にも私の教団にも悪影響しか与えていない男。何故こんなのが天災なのだ。私の占いはよく当たる。当たる理由は必ずこの男が関わっている。コイツが出てこないと外れてしまうのだ。コイツは幸運の神と死神の両方の性質を持っている。
「目は覚めないのか」
「猛獣のを使っていますのですぐには覚めませんよ」
「ちっ」
教団を救うついでに敵討ちをしようと思ったのにどうしてこうなるんだ。目を覚まさないと意味がないだろうが。教団の今後に関わることを占ったら、コイツに潰される未来が見えたからそうなる前に行動したのに。
待てよ。このまま目を覚まさないのであれば占いは当たらないな。早速、未来が変わっているか占ってこようかな。
「おい……何をしやがった」
「ひぃぃもう終わりがきてしまったのかぁぁぁぁ」
「教祖さま、落ち着いてください」
「くそ……頭が……」
「う、動いたぞ」
「拘束しているので大丈夫です」
そうだった。鎖で拘束しているから何も問題なかったんだ。あの男は簡単に手錠を外したりするらしいからな。ここはかっこよくしないとな。何やら無様な所を見せてしまって今更かもしれないが。私の教団の運命はコイツの手の中なのだからしっかりとしないと。
「私は双骸神様を祀っている教団の教祖である」
「あ゛?」
「ごめんなさい」
「教祖様ぁ!!」
無理、怖すぎるから誰かぁ~助けて……この死神を連れて行ってください。お願いします!!




