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96話 執着の片鱗2

◇◇◇

[桜木雪菜視点]


 今日は水曜日……学校に行くたくない。サキくんにどんな表情して会えばいいの!! 昨日のことを冷静になって思い出したら_うわぁあ! サキくんにはしたないって思われてないよね? 大丈夫だよね?


 サキくんにそんなことを思われたら私は死ねる。普通に無理に決まってる。だって13年間、好きな人に嫌われたと考えると……もう何もする気が起きないよ。もう14年経ったんだっけ?


「はぁ、学校行こ」


 いっぱい喚いた後、ちゃんと用意して学校へ登校しました。サキくんの家にも寄ったけど中には入らずに先に行くことだけ伝えた。



 教室に入って自分の席に着くなり机に倒れ込んだ。私のライフはすでにゼロに近い。サキくんに責任を押し付けるって形を取っても……いいかもしれないんだろうけどそんなことはできない。既成事実を作ることはできるけどそんなことしたら嫌われる。


「雪菜ちゃん、おはよ」

「おはよう沙耶ちゃん」

「暗い顔してるよ?」

「聞いてくれるかな」


 私は昨日あったことを沙耶ちゃんに話した。びっくりはされたけども特に責められることはされなかった。ハレンチやはしたないって言われる可能性があるかもしれないって思っていたけど言われなくてよかった。


 沙耶ちゃんは逆に色々と考えてくれると言ってくれた。どうしてこんなにも優しい人なのに佐藤くんを好きになったんだろ? 結構な何故だよねぇ。私ならあんな人は好きにならない。友達の好きな人を悪くは言いたくないけど、佐藤くんはやめておいた方がいいと私は思っている。


「何を朝から盛っているのよ」

「ゲッ!!」

「たぬちゃん、おはよう」

「雪ちゃんおはよう。誰かさんと違って挨拶出来て偉いね」

「えっ!? 二人って仲良かったの?」

「場所を移動しましょう」


 私たち三人は場所を移動した。朝は誰もいない中庭で色んなことを喋らないといけない。もしかしたら佐藤くんのことを幻滅するかもしれない。沙耶ちゃんには聞かせたくないこともあるけど、たぬちゃんはそんなことは気にせず話すと思う。


「ほら、座りなさい。何も仕込んでないから」

「はぁ……しっかりと全部話しなさい」

「分かっているわ。雪ちゃんは少しだけ黙っていてね」

「うん」


 沙耶ちゃんが座ったのでたぬちゃんは私達と知り合う前からのことを話し始めた。世界で一番な女優を目指して子役時代から色々なことを学び、世界的にも有名になったけど挫折してしまったことで逃げ出した公園に私やサキくんがいたことを初めて知ったかもしれない。


 それ以降の出来事は私がよく知っていることだった。全部たぬちゃんは話した。沙耶ちゃんは何を言ったらいいか分からないのか、口を開いたり閉じたりを繰り返していた。ただ怒っている感じではないってことは分かる。


「所々は省いたりしたけど、どう?」

「そんなこと言われても……情報が多すぎて」

「私を信用してくれなくてもいいわ」

「・・・雪菜ちゃん、今のはほんと?」

「うん。佐藤くんのことも」

「そっかぁ~」


 これで諦めてくれたらいいんだけど、私は知っているからなぁ。諦められない恋があることを。私の場合はもう取り返しが付かないところまできているけど、沙耶ちゃんは引き返せる。私が彼女に対して色々言うことは違うと思うから黙っておこう。


「原さんのことは信用は出来ない」

「でしょうね」

「けどぉ! 納得は出来たから私とお友達になりましょう?」

「はぁあ? 馬鹿なの?」

「バカじゃないですぅ。信用できるようになりたいって思っているから言ってるの」


 この二人って意外と相性がいいかもしれないね。私の友達同士が仲良くなってくれるのはうれしいけど、少し寂しいような気がするな。私の友達じゃなくなるわけじゃないからいっか。そういえば昨日の件をたぬちゃんに話すべきなのかな?


 私のことを理解しているたぬちゃんから即「悩みがあるなら白状しなさい」と言われた。顔に出ていたのかもしれないけど、ドンピシャすぎて引くよ。私は大人しく昨日のことを白状したら鼻で笑われた。彼女はサキくんのことも理解しているようだ。


「アイツはどうせぐだぐだ悩んでいるわよ」

「たぬちゃん……流石」

「・・・ただ問題をごり押しで解決するかも」

「「問題?」」


 沙耶ちゃんと私は首を傾げた。たぬちゃんはもう隠す必要がないと思ったのか、色々と話してくれた。サキくんは色々と抱えすぎているのにどうして話くれないの。私だって力になれることを証明したいのにさぁ。たぬちゃんには頼ってばかり。


「雪菜ちゃん顔に不満が出てるし……原さんが気絶するよ」

「えっ。たぬちゃんごめんね。大丈夫だった?」

「げほっ……大……丈夫。天国だったから」

「うわぁ原さんはそっちの人かぁ。イメージが崩れてく」


 無意識にたぬちゃんの首を絞めていたみたく気絶させるところだった。多分だけど、たぬちゃんに嫉妬したから体が勝手に動いたんだろう。私は別に殺したくてしたわけじゃなくて悔しかっただけなんだよ。あと沙耶ちゃんは何言ってるのさ。


「これあげるから許して」

「・・・雪ちゃん? これどこかで見たような気がするのだけど」

「うん、サキくん人形だよ」

「「・・・」」

「安心してそれにはサキくんの髪の毛とかは使ってないから」

「「うっわぁ」」


 二人して同じ反応してくるのは心外だなぁ。私の部屋に置いてあるサキくん人形にはちゃんと回収したのを使用しているに決まってるじゃん。夜夢さんから買い取った服を使ったりしているしね。私は何もおかしいことはしていないよね?

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