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92話 バケモノ2

 はぁ……スタンガンを持っているのは予想外だったわ。まぁ押し倒した際にGPSを付けたから後を追えるな。大体2時間くらいは気を失っていたのか。二人には遅くなるって連絡は入れてあるし、22時までには帰ればいいだろう。明日も学校はあるわけだし……さっさと終わらせるか。


 その辺でタクシーを拾えればいいんだけどな。流石に人通りがない場所だからある所まで歩かないといけないのは面倒だな。この辺に知り合いがいればよかったんだけど、流石にいないだろうな。ふぅ荷物は預けて来て正解だったな。


「てめぇは……」

「どちら様で?」

「俺様のことを忘れたのか。人のことをなめやがって」


 向かってきた奴をとりあえずボコり、どんな関係なのかを吐かせた。入学の際にボコした奴らのリーダーらしく今日は一人で走っている所に僕がいたってことらしい。怪我をしているからケンカを売るかを悩んだようだが、ムカついて殴りかかってきたそうだった。


「流石に強いな」

「・・・それってバイクだよな?」

「そうだぜ。俺様の自慢の愛車だ」

「行きたい場所があるんだが乗せて運んでくれないか?」

「危ねぇことじゃねいよな」

「コレが止まっている近くまででいい」

「チッ……厄介ごとじゃねぇぁよ」


 文句を言いながら乗せてくれた。案外いい奴なのかもしれないな。僕が見せたスマホにはGPSで相手を追いかけれるようだったのでコイツは巻き込まれたと、分かったみたいだった。ただ巻き込んでしまったのは申し訳ないとは思うな。




「着いたぜ。アニキ」

「誰がアニキだ。ありがとう」

「待っておいてやるよ」

「それは助かる」


 コイツいい奴なのか。巻き込んでしまった訳だし、護衛でも誰かにお願いしておくか。竜二の所にいる奴らよりも強くないといけないのがアレだが、守ってもらうか。う~ん、不良そうだし表で教師をしている奴を探さないとな。


 まぁこのままコイツらが手を引いてくれたらいいだけなんだが、そんなことは基本的にしないような連中だろうから探しておかないとな。輪花にその辺も調べておいてもらうかぁ。僕はあの家に詳しいとは言えないからな。


 へぇ~アレが重要人物たちね。メイド長は知っている顔で幼い時から竜二の側近らしいな。執事長は孤児院出身で元々は凛奈さんのとこで仕事をしていたんだとか。他はあの事故が原因で親に預けられたとか。7,8人はいるがまぁ制圧が厳しいだろうな。あのメイド長が勘づいたみたいだしな。


「出て来てください」

「メイド長……誰に言ってるんですか?」

「貴女、咲人様につけられているみたいですね」

「はぁ!? しっかりと気絶させてきましたよ」

「あの方を甘く見過ぎです」


 何やら言い合っているみたいだけど、僕が出て行っていいのかな? まぁ出ていくんだけどね。僕が出て行くとメイド長以外は目を見開いていた。特にGPSを付けた少女は目が落っこちるんじゃないかと思うくらいには目を見開いていた。


 面白いものを見たからもう帰ってもいいと思ったけど、こいつらには佐藤達から手を引いてもらわないと困る。あの先輩の親からもだけど……事業に手を貸すまではいいがそれで家庭を崩壊させてはダメだろう。使い捨ての駒じゃねぇからな? まぁ僕も同類だけどな。


「咲人様、お引き取りをお願い致します」

「断る。お前らのことは調べさせてもらった」

「・・・あの件もでしょうか?」

「あぁ……だがアレは今は関係ない」

「貴方様たちを巻き込むとは我々も予想外だったのです」


 メイド長が言ったあの件とは僕は記憶を失った事故のことだ。間接的とはいえ先輩の家庭を崩壊させてのは僕の責任だ。犠牲の上に僕たちは立っていることはわかってはいたつもりだが、ムカつくな。自分が全知全能にでもなったつもりだったんだからな。


 心底自分は傲慢にならないとすまないらしい。分かったと思い込んで手を差し伸べて……助けられない。僕は何も変わらないから佐藤裕太(主人公)で自分を変えれる奴を探していた。アイツには表でいてもらって僕はこうゆう手に負えない奴らを陰で消す役目を勝手に背負う。

そんなことは今はどうでもいいか。


「さてと、あの家族から手を引け」

「それは無理ですね」

「なら救おうとしている奴らがいるから手を出すな」

「無理です。貴方様こそ手を引いてください」

「それこそ無理だな」

「それであれば手荒な真似をさせていただきます」


 僕は襲い掛かってくるコイツらをさばかないといけないのが面倒だから一歩下がる。



◇◇◇


[メイドさん視点]


 やはりこのお方は私たちよりも上の生物なのでしょう。私たちが一斉に武器を持って襲い掛かったのにかかわらず、一歩だけ下がるとすぐに反撃してきました。しかも松葉杖で。私と執事長はくらわずに済みましたが、他の方はくらってしまいました。


 防弾チョッキを装着しているので大丈夫でしょう。咲人様は骨折されているはずなのにこれですか。皆様方が言う「バケモノ」も共感は出来ますね。本当に勝てるのでしょうか? 人質を取っても無理だと思うのですが・・・はぁ私たちの見せ場ですかね。


「二人は来ないのか?」

「間合いに入ったら終わりですよね」

「かもな。試してみるか?」

「これなら間合いも関係ないだろ」


 執事長が出したのは麻酔銃でした。そんな物を持ち歩いているのには引きましたが、咲人様には効かないでしょう。当たれば効くとは思いますが……あくまで当たればです。当たるわけがないのにどうして無謀なことをしようとするのでしょうか。


「これで終わりだな」

「よっと……麻酔ねぇ」

「はぁ? 本当に人間か?」

「見えてるわけじゃないからな。勘で掴んでるだけ」


 こは……バケモノですね。本当に癒しが欲しいですね。現実逃避しかけていた私以外は地面に寝転んでいました。無理じゃないですか?

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