ユミルへの移住生活ー2 クーペの自宅訪問までの作戦会議とミルシェアの想い
こんにちは。終焉の焔です。
今回はいつもより800文字ぐらい長めです。
ここからラブコメが加速します!
遅くなりましたが先週、編集が滞っていた事を心よりお詫び申し上げます。
では、本編をどうぞ。
将は村を駆けていた。自宅に戻る為に。
メロスの如く速度で走れたらいいのだが、走っているのは運動音痴レベル99。体力も俊敏さも皆無に等しい。
なぜ転移魔法を使わないかというと使ったらクーペに勘付かれてしまうかもしれないと踏んでの事だ。
どうやら足は回らなくても頭はまわるらしい。
そう、将は自分が最強である事をひた隠しにしようとしている。
自分が最強である事がばれたら勇者を狩りにくくなるという事かららしい。
どれ程、恨んでいるのか計り知れない。
時は既に夕暮れ。
夕日が空を焦がし、幻想的な美しさを魅せる。
その中を汗だくで走った将はようやく自宅に到着した。
「はあはあ…よう…やく……か」
そう呟く声も自分の荒い呼吸で掻き消される。
肩で息をしている将は呼吸を整えずに扉を開けた。
「おかえりなさいです!ってどうしたんです?」
ゼエゼエ言っている将に驚き、ミルシェアはそう問う。
だが、ゼエゼエ言っている人間に問うたところで答えは非常に聞きずらい。
「おう……こく… の調査…団が……きている…俺を…捕まえ…に……」
だが、ミルシェアは将の言葉を一言一句間違えずに聞くと冷静沈着に応えた。
「それは大変な事です!私の将くんを奪おうなんて!許せませんです!私が懲らしめてくるです!」
そう可愛らしく怒ったミルシェアは今にも駆け出しそうだ。
どう見ても調査団にはかないそうもない。
「いや、待て待て、ミルシェア。どう考えても危険すぎる!」
将はそんなミルシェアを制止する。
「私の将くんに対する愛は正義なのです!正義は勝つのです!」
「論理性に欠けるぞ」
その言葉は男女間ではあまり意味をなさない言葉だ。
感情的な女子に対し、その言葉は非常に危険だ。
「論理性に欠けても気持ちがあれば何も憂う事はないのです!愛は世界を救うのです!」
「いやいや…何もない日常では愛なんてあってもな…はは…」
将は前の世界でのトラウマ的出来事を思い出し乾いた笑い声を発した。
そのトラウマについては後の機会に語るとしよう。
だがミルシェアはその笑い声で全てを悟ったのか次のような禁句を述べた。
「将くん、気を落とさなくても大丈夫です!なにせこのラノベは全然冴えない普通の主人公が勇者候補として俺tueee状態で異世界に召喚されたけど極度の運動音痴によって勇者になれなかったので、ヒロイン達|(私が正妻だけど)とマッタリとイチャイチャ日常を過ごしながら勇者と魔王を倒す事を目指す物語ですからです!」
「ミルシェアそれ言っちゃ駄目⁉︎それは、いろいろと問題がある!読者の皆さんにこれは全部、虚構にすぎませんよと夢を奪ってしまう!」
ミルシェアの暴言を将がそのように嗜めるが“読者"という言葉を使っているのはどうかと思う。
「あ!そうでしたです…すみません読者の皆さん。これからはそのような概念はないように振舞いますのでどうぞ、続きもよろしくお願いしますです」
そうぺこりとミルシェアはお辞儀する。だから読者いうな。
この夢の二次元崩壊ラッシュがひと段落するとミルシェアは笑った。
「少しふざけすぎましたです。将くん、安心してくださいです。今は何もない日常ではないです。将くんには私がいるのです。将くんは私を宵闇の最果てから救ってくれましたです。だから今度は私が将くんのピンチを救いたいんです。だからいいですかです?」
ミルシェアの微笑みは本当に輝いている。
太陽とかそのような、言葉では形容しがたい生への活力に満ちている。
そして将への愛に満ちている。
ミルシェアの愛は本当に世界を救うのではないかと思わせる程に。
将はその微笑みが自分に向けてられているかと思うとマジマジとその瞳を見つめる事は出来なかった。
少し顔を反らして口をもぞもぞと少しだけ動かす。
「ああ、でも…時間稼ぎ…だけな…こっちからは絶対に仕掛ける事はするなよ…」
今の将の脳にはそれだけで負荷が大きいぐらいだった。
だが、この言葉だけは振り絞ろうと今現在の脳内の容量をさらにフル活用させた。
「み…ミルシェアが…いなくなったら…また前みたいな世界に戻っちゃうだろ…だから…ミルシェアには死んでほしくないんだよ…ミルシェアは……ずっと側に居てくれるか?」
その言葉でほんのりピンクだったミルシェアの頬に一気に赤さが増す。
そしてその状態のままミルシェアは大きく頷いた。
「もちろんです!」
ちょっと遊びすぎました…
ミルシェアの安心してくださいが来た時にここでふざけるか…
と頭を抱えましたが、今回はスルーしときました。




