番外編ー1 ヴァーリでの研究と研究者達の日常会話
こんにちは。終焉の焔です。
割り込み掲載ですいません…
今回、番外編ですけど、結構重要だったりします…
第三インスレイター、ヴァーリ。
オーディンの息子であるヴァーリの名が付けられているこの都市はオーディン防衛の要の一つである。
しかし、その絶対防衛ラインはいとも簡単に陥ちていた事は否めない。
だが、こうして取り戻すことが出来たのだ。
女子の様に整った小顔に青い髪を後ろで無造作に括った、一人の男ーブレイド・フェンリルは跳ね上がる気持ちを抑え冷静さを装いながらヴァーリの門をくぐった。身長も低い為その姿はまさに女子そのものである。
彼が目指しているのは自分が半生をかけた研究成果がある研究所だ。
一年前、妻が危険な状態にあると言われてオーディンにとんぼ返りしたっきりココには来れなかったのだ。
「懐かしい…」
ブレイドはそう小さく漏らした。
正門から研究所まではさほど遠くない、四、五分歩くとその全容が見えてくる。
幾何学的な外観が味気ない。だが、一目で何かの研究施設である事を伝えている様だった。
中へ入ると多数の魔法映写機で映写された空間ウィンドウの手前に人影が見えた。
「おーフェンリルか…久し振りだなぁ」
「ああ、ジエスですか?、1年振りですね…」
先客ージエス・サウンド・ヴァイスはブレイドの姿を認めると懐かしみの言葉をかけた。
こちらはブレイドとは対照的に男っぽく整った顔立ちと柔らかな金髪をもつ好青年でブレイドの良き研究仲間だ。
「ああ、もうそんなになるか…こっちは妻子共々、穏やかだったぞ」
「おや、ジエスも子供が産まれたのですか?」
「ああ、だが名前をどうしようか悩んでてな……それより、『も』ってことはフェンリルもか?」
「ええ…とんぼ返りした理由が妻がお産で危険だったからなんですけどね…結局そのまま逝ってしまいました…」
「そりゃあ、ご愁傷様だ。ていう事はフェンリル、お前シングルファザーか?」
「ええ、そうですが…」
「しっかり育てろよ…大変だぞ…」
「肝に銘じておきますよ」
フェンリルはそう苦笑いを浮かべて受け流す。
フェンリルは自分の空間ウィンドウの前に座ると光学キーボードを打ち込んだ。
一年も起動していなかった為か未確認のメールが多数来ている。
「これは、これは…ふむ…」
ブレイドが画面をみて唸りを上げる。ー国家重要機密に関するお知らせそれがそのメールの題だった。
「どうした?」
「いえ…これは…面白いですね」
ジエスがブレイドの空間ウィンドウを覗き込む。
するとジエスは得意そうな笑みを見せた。
「ああ、これか…俺の方はもう始めてるんだ。だがな…俺の研究分野とあまりあってないからな…」
「ジエスの研究は人工的な魔力強化ですからね…」
「だが…フェンリルならどうだ?フェンリルのクローン技術なら…」
「ええ、丁度、僕も同じような事を考えていました」
ブレードはそういうといつもの微笑みをニヤリと何か面白いことを思案したかのようなそんな深い笑みに変えた。




