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『DEAD LOGIC ― 最後の正解者 ―』  作者: hael
season 1 『12人の被験者』
4/6

第四話 存在の余白



『第二陣営に少女はいますか?』


表示された質問を見て、第二陣営の代表者は眉をひそめた。


「……何を聞いてるんだ?」


第一ゲームで脱落した少女のことは、全員が知っている。


第二陣営にいるはずがない。


そんなことを確認するために、わざわざ質問の機会を使うとは思えなかった。


「回答期限、残り二十秒」


機械音声が告げる。


代表者は考えるのをやめ、回答欄に向き直った。


「いいえ。第二陣営に少女はいません」


『回答を受理しました』


表示が切り替わる。


『回答を第一陣営代表者へ送信しました』


それきり、何も起こらなかった。


*


数分後、二つの扉が開いた。


第一陣営の代表者である白いシャツの男が、先に戻ってくる。


「こちらは協力を選ぶ」


続いて、第二陣営の代表者も部屋に戻った。


「俺たちも協力だ」


二人の選択が表示される。


『第一陣営――協力』


『第二陣営――協力』


『最終判定まで、三分』


「これで全員助かるんだよな?」


若い男が尋ねた。


「ルールどおりならな」


眼鏡の女性 ー PLAYER 10 ー が答える。


黒い服の男 ー PLAYER 11 ー は、二つの表示を交互に見ていた。


「質問の答えは、もう伝わったのか?」


彼が第二陣営の代表者に尋ねる。


「ああ。回答を送信したと表示された」


「質問した理由は聞いていないのか?」


「聞ける雰囲気じゃなかった。時間も短かったしな」


黒い服の男は、それ以上尋ねなかった。


俺は壁の表示に目を戻した。


質問の内容は奇妙だった。


少女が脱落したことは、第一陣営も知っているはずだ。


それでも、わざわざ確認した。


ただの確認だったのか。


それとも、回答そのものに意味があったのか。


今ある情報だけでは判断できない。


「あと二分です」


機械音声が告げる。


誰も話さなくなった。


*


残り十秒。


数字が一つずつ減っていく。


やがて、最後の数字が消えた。


『第二ゲーム――終了』


『両陣営の選択を確認』


『協力』


『脱落者――なし』


参加者たちの間に、安堵が広がった。


誰も脱落しなかった。


少なくとも、今回の結果はそれだけだった。


「行こう」


黒い服の男が、次の扉へ歩き出す。


ほかの参加者たちも続いた。


俺は最後に、壁を振り返った。


少女についての質問は、もう表示されていなかった。


回答も、記録も、残っていない。


俺は視線を戻し、みんなの後を追った。

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