嘘つき多い問題(1)
館脇家を出たとたん、お腹がぐうと鳴った。スマホで時間を確認すると、五時をとっくに過ぎている。今日はお昼を食べる時間がなかったので、図らずもプチ断食してしまったらしい。
「先生、何か食べて帰りません?」
私は耐えきれず、提案してしまった。夕食には少しだけ早いのだが、何か口にしないとヤバそうだった。事務所を閉めて自宅アパートにたどり着くまでに、空腹で倒れそうだ。
「そういえば、お腹が空いたわね。どこかで食べましょうか。フレンチかお寿司が良いわね」
先生は、外見に似合ったジャンルの料理をご所望した。家臣である私は、ご希望に合った店を予約せねばならない。正直私は、ラーメンでもハンバーガーでもメキシコ料理でも何でも良かったのだが、ジャンルを絞って検索する。ところが、ない。意外に、ない。ジャンルとエリアを少しずつ増やして探したが、やっと駅前に欧風カレーの店があるだけだった。十分は歩く。フレンチかお寿司に限定すると、駅を過ぎて二キロも行った先だった。
「先生、カレーにしましょう。欧風カレー。ほら、美味しそうですよ」
私が口コミサイトの写真を示してプレゼンするが、先生は首を縦に振らなかった。寿司屋があるのだから、そこまで歩くと言い張る。外見に似合わず歩くことは厭わないのが先生の長所なのだが、今は裏目に出た。
私は渋々従ったが、歩いているうちに軽い飢餓状態に陥り、イライラしてきた。道すがら発見した薬局で、お菓子でも買い食いしてやろうかと思ったが、休みだった。定休日が火曜日で、今日は火曜日だ。くそう。
欧風カレーの良い匂いが漂ってきたときには、先生に別れを告げ一人飯をしようと本気で思った。しかしやっとたどり着いた高級寿司店でウニの軍艦を口にした瞬間に、欲望に負けなくて良かったと本気で思った。
「しかし幽霊見える人って、私初めて見ました」
お腹が少し落ち着いたところで、私は華の顔を思い出しながら言った。今日は採取した情報がてんこ盛りで、語りたいことは色々あったのだが、私は一番どうでもいい話題から責めてみる。先生は、やる気がないときは主体的に会話をする気がないので、私の振った話題についてきてくれた。
「今は、そうなのね。私が子供の頃は学年に一人はいたけどね、霊感少女」
「先生は、信じてないんですよね」
「信じるわけないでしょ? 見たことないし」
大トロ時価をモグモグしながら、先生は澄まして言った。先生の世界は先生を中心に回っているので、先生が信じないものは存在しないことと同義だ。ちなみにここは、先生の奢りである。ボーナスはケチるくせに、こういうところは意外に気前が良い。商売が下手なだけで、先生は元々お金持ちのお嬢様なのだった。
私は華の最後の一言を思い出し、軽く先生から距離を取った。先生に憑いている背後霊は、どんな人物なのだろう。きっと想像を絶するような、巨大で目玉が十個くらいついている、十二ナントカみたいなやつに違いない。
妖怪七変化を背負った先生は、イクラ軍艦を口に放り込みながら、




