ねこねこ冒険
時は現在から遡ること7年前(=^・^=)
複製打ち出の小槌 の力で猫の姿から妖精になった 棟世たち(^^♪
道隆のお家から脱出してこれから何処へ行くのでしょうか?(^○^)
どきどき していました(●^o^●)
はじまりはじまり〜(⌒▽⌒)
ねこねこ冒険が始まりました。
月の高い真夜中の事でした。
月明かりで川面が光ったおりました。
さわ さわ さわ さわ 穏やかな川の音。
土手の草花たちは、 すやすや 眠っておりました。
さら さら さら さら 涼やかな風の音。
懐仁:さぁ、ここから、川を下ろう。
定子、 お椀 と 箸 を
2セット出しなさい。
そう言いました。
定子:はい。
お椀 と 箸 を2セットここへ。
そう言うと、 定子 は 打ち出の小槌を振りました。
すると、川に お椀 と 箸 が2セット現れました。
お椀は 黒内朱の漆塗りです。
口縁 は金色でした。
金色の装飾がなされておりました。
箸 は、 黒色の漆塗り。
ちなみに、黒内朱 とは、外側は黒色で、内側は朱色です。
内側は 見込み(みこみ) といいます。
口縁 は、口に当たるところのことです。
懐仁 は、お椀の中に先に乗り込みました。
川にお椀が浮かんでいるので、足下が、波で ゆらゆら 揺れます。
おとととと・・・。
そして、 定子 の手を取って、同じお椀の中へと格好良くエスカレート。
決まった・・・。
懐仁 は、爽やかな笑顔を 定子 へ向けました。
定子:ありがとう。
懐仁:どういたしまして。
足下、揺れるから気をつけてね。
定子 は、頷いて(うなずいて)、微笑んで、 よいしょ よいしょ と乗り込みました。
お着物の襟元や裾を気にしておりました。
懐仁 は、 定子 の身だしなみが整うまで、何も言わずに ゆっくり と待ちました。
素敵な素敵な夫婦の雰囲気です。
ねこ妖精たちは、心が安らぎました。
定子 の身だしなみが整いました。
懐仁 は、ねこ妖精たち に、もう一つのお椀の中に乗り込むように促しました。
ねこ妖精たちは、もぉ~楽しそう。
棟世 が先にもう一つのお椀の中へ、乗り込みました。
川にお椀が浮かんでいるので、足下が ゆらゆら ゆらゆら 揺れました。
おっとっと・・・。
そして、 少納言 が 小馬 を抱えて、棟世 へ渡しました。
そして、 少納言 の手を取って、同じお椀の中へと格好良くエスカレート。
俺って、格好いいにゃぁ~・・・。
棟世 は、 少納言 にキメ顔を向けました。
でも、 少納言 はスルー。
お椀の中にいる 小馬 を気にして、 棟世 のキメ顔にかまっていられません。
棟世 は、 が~ん・・・ と、いじけました。
その様子に気づいた 少納言。
仕方ないにゃぁ~・・・ と思って、 はぁっ と、息を吐きました。
少納言:貴方、ありがとうにゃ。
少納言は、めいいっぱい キラキラモードの笑顔を向けました。
棟世:大したことないにゃぁ~。
といいながら、 しっぽ をまっすぐ ぴ~ん とさせて、先端を 曲げました。
もぉ~、嬉しくってテンションMAXです。
しっぽ を ぷるぷる 震わせ始めました。
もぉ~・・・、まぁ・・・、可愛いかもしれないにゃぁ。
少納言は、そんな旦那ちゃんに キュン キュン としました。
小馬 は、そんなお父さんとお母さんを見て、何だか嬉しそう。
その様子を見ていた 懐仁 と 定子 は、穏やかな表情を浮かべました。
何だか、素敵な冒険になりそう。
懐仁:このお椀は船になるんだ。
このお椀は復元力が凄い
んだよ。
よく出来ているから、安心してね。
この箸をつかって、漕いでいくよ。
おのおの2本ずつあるから、大人が漕いで行
きなさい。
座礁しないように、岩に気をつ
けんだ。
一緒に参ろう。
ゆっくりと進めよ。
ちなみに、 復元力 とは、波や風で船が傾いたときに、元へ戻ろうとする力のことです。
ねこ妖精たち:お~だにゃぁ~!!!
恥ずかしいけれども、両手を上に上げてみました。
何だか、とっても楽しい。
定子:お~!!!
まねして、両手を上に上げてみました。
何だか、とっても心が開けていく・・・。
懐仁:定子・・・。
どうしたんだ・・・。
懐仁は、だんだんと、 定子 の様子が大らかになっていくのを感じました。
良いことなのかもしれない。
きっと、悪い病気が良い方へと向かうかもしれない。
病は気からというものな・・・ と思いました。
ねこ妖精たち のお陰かな。
私では、とても、 定子 を のびのび させてあげられなかっただろう。
ねこ妖精たち に感謝だ。
懐仁 は、こっそり ねこ妖精たち にお辞儀をしました。
とうとう、出発しだしました。
ゆっくり ゆっくり 動き出しました。
お椀は、川の流れと風に押されて、下りだしました。
どんぶらこ~ どんぶらこ~。
この先は、一体何があるのだろう・・・。
遠くに、街灯が ぽつ ぽつ ぽつ ぽつ と見えました。
見慣れた街が、段々と、視界から消えていきました。
新しい世界が、広がろうとしている・・・。
ねこ妖精たちは、期待に胸を膨らませていました。
安住の地を見つけなければ・・・。
月明かりに目が慣れたのか、川の中の小石がよく見えます。
月明かりの中を川の中を進むから、漣が出来て、 キラキラ と光が乱反射します。
土手には、少しだけ、ほんの少しだけ、蛍火が見えます。
夜風を纏った(まとった)土手の土の香りと、川の水や石の清らかな香り。
時折、小石にぶつかった水が、波しぶきとなって、顔にかかります。
ひんやり として気持ちいい。
始めは漕ぐのにぎこちなかった 棟世 と 少納言 は、段々と、上手くなっていきました。
でも、あっちへ行き、こっちへ行き、くるくる回り、小石にぶつかり・・・。
汗 をかきかき。
必死に頑張っていました。
どんぶらこ~ どんぶらこ~。
ちなみに、 定子 は漕がない。
懐仁 が、 休んでいて良いよ と言ってくれたから。
定子 は幸せ者です。
懐仁 は、とっても優しい。
小馬 は、もう、すっかり、夢の中。
いい夢見てね。
すやすや すやすや・・・。
その寝息を聞きながら、 棟世 と 少納言 は、 逃げ出して良かったにゃぁ~・・・ と、涙ぐみました。
この子だけは、どんなことをしても、絶対に手放さないにゃぁ~!!! と、心に誓いました。
棟世:あのぉ~ぅだにゃぁ・・・。
どちらまで行くのでしょうかにゃぁ~・・・?
懐仁:この先に竹林があり、森がある。
そして、村が現れる。
それまでの辛抱だ。
あと、5時間くらいだ。
棟世・少納言:にゃぁぁぁぁぁぁぁ
ぁ・・・・・。
あと5時間も・・・。
棟世 と 少納言 は、くたくたです。
でも、かけがえのない 小馬 との生活の為です。
親としての意地があります。
頑張るにゃぁ~!!!
どんぶらこ~ どんぶらこ~。
懐仁 は、この ねこ妖精たち の為に、なるべく遠くへ行こうと考えていました。
いつか、 迷子ねこ として、人間たちにあのお屋敷へ連れ戻されないように。
そして、懐仁 は、あることを考え出し始めました。
それは、 ねこ妖精たち を、 人間 にすることでした。
人間 が ねこ になるのは、ある程度 ねこ界 での生活の予想は付くかもしれないが・・・。
ねこ が 人間 になって、果たして、 人間界 でやっていけるだろうか・・・。
とても、とても、迷いました。
もし、新しい世界で住処を見つけられても、また、他の人間によって、あの ねこ妖精たち は、離ればなれにさせられてしまうかもしれない・・・。
だから、確実に、一緒に居られるのは、 人間 になるしかない。
妖精 でもいいが、 ねこ が 妖精 になったのを 他の妖精たち は、すぐに見抜くだろう。
すると、つまはじきにされる。
妖精界 では、生きていけない。
苦しい生活になるだろう。
勿論、助けてあげよう。
でも、あの ねこ妖精たち は、 のびのび 生きてはいけない。
もともとは、 自由を愛する、きままな ねこ なのだ。
だから、 人間 は、どうだろう・・・。
これは、賭けだ。
どうする・・・。
どうする・・・。
どうする・・・。
定子 は、 懐仁 が黙々と箸で漕いでいるのを、じっと見つめていました。
何かを考え込んでいるのね・・・ と、察していました。
定子 はこういうときは、出しゃばらず、一歩引いて、 懐仁 を見守り、支える、大和撫子でした。
どんな考をお持ちの方でも、ともに歩もう・・・。
結婚したときは、そう、心に誓った方なのです。
とても大事にしていました。
時折、何処か、遠くへ行ってしまいそうなことを感じる時は、覚悟を決め、動じないように努めました。
寂しさを抱えつつも、信じてここまで一緒に来ました。
そこそこ、度胸は付いたつもりです。
ですので、 ねこ妖精たち との同行のことも、受け止められました。
きっと、何か、この ねこ妖精たち の為に、頭を悩ませているのね・・・。
ふっ と、顔がほころびました。
懐仁 を見る目が、穏やかです。
いい人に巡り会ったのね・・・。
私って果報者ね・・・。
何となく、心地よくなってきました。
眠くなってきました。
・・・、いつの間にか、 すぅ~っ すぅ~っ と、静かな寝息になりました。
辺りは、段々と、白んできました。
月が西に沈んでいます。
川が深くなったのかもしれません。
水底が見えにくくなってました。
風は、暖かです。
少しばかり吹いています。
土手の土の香りと川の水と石の香りが、変わりました。
人間界 が近づいてきているのを彷彿させます。
だんだんと、竹林が見えてきました。
クレーン車 や ブルトーザー や チェーンソー・・・。
仮設事務所のようなもの・・・。
切り倒されてまとめられた 大量の竹や笹。
森も見えてきました。
まだ、薄暗いので、緑色の葉が、群青色です。
お椀は どんぶらこ~ どんぶらこ~ と、ゆっくり ゆっくり 進んでいます。
森越しに遠くを見ると、お家がちらほら見えきました。
懐仁 と 棟世 と 少納言 は、もう、くたくたです。
懐仁 は、ここで大丈夫だろうと、思いました。
懐仁:お椀を岸に着けよう!!!
棟世・少納言:やったぁ~だにゃぁ
~!!!
箸を上手に使って、お椀は、岸までたどり着きました。
そこは、森の入り口の側の土手でした。
うっそうと生い茂る草花たちは、まだ、 ぐっすり 眠っていました。
そして、こちらも・・・。
眠っている 定子 と 小馬 を起こしました。
でも、 小馬 は、まだ、夢の中。
すぐに眠ってしました。
お椀から降りた 懐仁 は 定子 を抱きかかえて降ろしました。
お椀から降りた 棟世 は 小馬 を抱きかかえた少納言 ごと、抱きかかえて降ろしました。
少納言:凄いのにゃぁ~!!!
少納言、 棟世 に惚れ惚れ。
棟世、鼻高々。
懐仁:さぁ、早く、森に隠れなさ
い!!!
定子、このお椀セットを片しておくれ。
定子 がお椀セットを 打ち出の小槌 でお椀セットを片しました。
お着物や服が濡れています。
定子 が 打ち出の小槌で、着替えを出そうとしましたが、 懐仁 は、 急ぐから・・・ と言って、制しました。
皆、それを聞いて、慌てて、森の中へと ふわ ふわ ふわ ふわ 飛んでいきました。
森の入り口に到着しました。
少し、森の中に入りました。
辺りは、人間の出入りを感じさせるように整っていました。
太い木から中央に向かって根っこが浮き出ていました。
道路 は、 ぼこ ぼこ ぼこ ぼこ していました。
動物たちの声が聞こえません。
ほっ・・・ 皆、安心しました。
ここでなら、大丈夫に違いない・・・。
懐仁:よく聞きなさい。
これからは、人間として生きなさい。
ねこ に戻ってしまうと、また、人間たちに
よって、離ればなれに暮らすことにな
ってしまうかもしれない。
だから、 ねこ には戻さない。
幸せになりなさい。
人間になって、家族3人で生きるんだ!!!
棟世・少納言:にゃぁ~!!!
人間になれるにゃぁ~!!!
ありがとうございますだにゃぁ
~!!!
定子:分かりました。
そのようなことを考えていらっしゃったので
すね・・・。
では、空が白んできたので、隠れている時間
がありませんので、早速・・・。
この3匹の ねこ妖精たち を、人間にして
ください!!!
そう言うと、 打ち出の小槌 を振りました。
すると・・・。
ねこ妖精たち は、みるみる大きくなり、あっという間に、人間の姿になりました。
皆、分かっていたとはいえ、実際に起こっていることが信じられませんでした。
幸せになるんだにゃぁ~!!! と、 棟世 と 少納言 は意気揚々。
疲れなんか吹っ飛びました。
さてさて、これから、どうなるのかにゃぁ~・・・。
ep.5 ねこねこ冒険 終わり
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次回、よろしければ、お読みいただけると嬉しいです。
次回作は、 少納言たち が、人間の世界に入っていくところから始まります。
お待ちしておりますだにゃぁ〜(小馬たちより)




