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俺の妻が猫になった  作者: 穏世青藍


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14/22

月の世界と猫と竹

 時は現在から遡ること380年前の数週間後\(◎o◎)/!

 月の世界の王様に 帰蝶 のことを話した 道三たち(ToT)

 必ずや 帰蝶 を迎えに行くつもりです。

 王様からたまに 帰蝶 へ会いに行くお許しを頂けました(^^♪

 しかし、帰蝶 の姉の 倫子(ともこ) の輿入れが延期になるなど色々とありました(´;ω;`)

 道三 の心は ぼろぼろ です(ノД`)シクシク

 一方、 帰蝶 の方は、地球の尾張国(おわりのくに)で 長信たち からおもてなしをされて心穏やかに過ごしておりました(⌒▽⌒)

 これからどうなっていくのでしょうか…?

 はじまりはじまり〜(●´ϖ`●)

 帰蝶 は月から地球の尾張国(おわりのくに)にという 妖精たち の森に来てから、数週間が経ちました。

 その間に、 長信たち は色々と、おもてなしをしてくれたりだとかリラックスタイムとかに時間を割いてくれたりだとか、気を遣ってくれました。

 住居とか調度品とか入り様な物をあてがってくれました。

 とても大切に客人としての待遇をして貰えているようでした。

 帰蝶 は 強ばっていた気持ちが揺るやかにほどけていきました。

 でも、 何とかこのままやっていけそうなのかしら・・・ と、まだまだ慎重でした。

 月の世界の美濃国(みののくに)からの正式な使者になったのです。

 帰蝶 は、己の気持ちが固まるのを静かに待ちました。

 ゆっくり と ゆっくり と 静かに 静かに 暮らしました。

 毎日の楽しみも増えてきました。

 森の中の散策や美味しい料理、楽市楽座というお店の数々。

 風流な文明。

 見たこともない草花たち。

 何より夜になってからの地球から見る月。

 毎晩毎晩、月見窓という物より月を眺めていました。

 優しい光を降り注いで きらきら きらきら なんと美しいことでしょう。

 こんな素敵な世界に住んでいたのね・・・ と、 しみじみ 感じていました。

 すると・・・。

 

 とん とん とん・・・。


 観音開きをする玄関の妻戸(つまど)を叩く音がしました。

 こんな夜分に何のご用でしょうか・・・?

 

 帰蝶:少々お待ちを・・・。

    今開けます・・・。


 そう ぽつりと 言って、 そ そ そ そ・・・ とうぐいす張りの廊下を小走りしました。

 廊下が冷たくて気持ちいいです。

 一輪挿しの花が さわさわ と揺れました。

 草履を履いて、玄関へと向かいました。

 夜風が ひんやり として涼やかです。

 妻戸(つまど)の向こうにいるどなたかにに恐る恐る尋ねました。

 

 帰蝶:お待たせ致しました。

    如何されましたでしょうか・・・?


 吉秀:帰蝶様。

    吉秀です。

    夜分に申し訳ございません。

    今宵、 長信様 が宴を開かれます。

    そして、その場で出来れば、月の世界のお

    話を聞きたいと仰せになっておられます。

    如何なさいましょうか・・・?

    無理にとは言わないそうです。

 

 吉秀 のようです。    

 帰蝶 は安心して妻戸(つまど)を開けました。

 

 帰蝶:今支度をして参ります。

    少々お待ちください。


 吉秀:分かりました。

    急がれなくても大丈夫ですよ。

   

 帰蝶 は、 長信 から頂いた 辻ヶ花(つじがはな) の織物でこしらえた打掛けを着て、まだ むしむし するくらいの暑さだったので、腰巻姿(こしまきすがた)にしました。

 髪型は下げ髪です。

 この尾張国(おわりのくに)のお洒落が気に入っていました。

 長信 からは 繊細な美しさの 辻ヶ花(つじがはな) や きらきら 輝いて美しい縫箔(ぬいはく) の織物を沢山頂きました。

 毎日、何回眺めても飽きませんでした。

 うふふ・・・ と顔がほころびました。

 この地球の文明を月の世界にも広めたい・・・ と思いました。

 これまで何度も何度も訪れていた地球でしたが、竹林に 月の光の粉 を蒔くだけで、文明には触れてきませんでした。

 これからは、月の世界も地球も共に発展していければいいなぁ・・・ と未来を描きました。

 

 身支度が出来ました。

 いそいそ と吉秀の元へと行きました。

 そして、一緒に 長信のお城へと急ぎました。

 提灯(ちょうちん) の明かりが柔らかに辺りを照らしていました。

 月明かりと星の明かりがバランス良く、心に寄り添うかのように 帰蝶 を包み込みました。

 帰蝶 は急な呼び出しに緊張して心が早鐘のように打っていたのが、だんだんと緩やかになっていくのを感じました。

 しず しず ・・・ と歩き、ゆったり とした時間が流れました。

 不意に、 吉秀 が おずおず しだしました。

 何か言いたそうです。

 吉秀 は 帰蝶 に 何か心配事はないかどうか 尋ねました。

 帰蝶 は 大丈夫です。ありがとうございます と言って微笑みました。

 吉秀 は 帰蝶 が不憫でなりませんでした。

 月の世界から離れてあまり知らない地球に一人きりになってしまった一人きりの月の女性です。

 でも、 大丈夫だ と気丈に言われました。 

 そっと 見守るしかなさそうです。

 そして、なんとも美しい・・・。

 吉秀 は心を奪われていました。

 寧々(吉秀の妻)に怒られそうです。

 

 しばらくするつと、遠くに明かりが煌々と見えてきました。

 お城に近づいてきました。

 ぞろ ぞろ ぞろ ぞろ・・・ と 長信のご家来衆たち が集まってきているようです。

 門をくぐると、お城へと続く道の両側に松明が等間隔に灯っていました。

 帰蝶 は 足下に広がる石畳の荘厳で気品を感じる美しさに魅了されました。

 月の夜の世界が陰のきらめきならば、地球の夜の世界は陽のきらめきに感じました。

 とても新しい世界のようでもあり、懐かしい世界のようでもありました。

 

 大広間に着きました。

 最上座には 長信 が既に座っていました。

 長信 のすぐ側の上座が空いていました。

 そこへと 吉秀 が案内しました。

 吉秀は では、ここで失礼致します と言い、上座の奥の方へと向かいました。

 帰蝶 は寂しくなりました。

 心許なくなりました。

 やはり、緊張していました。

 

 長信:よく来てくれた。

    急な呼び出しで悪かった。

    今宵は宴じゃ。

    心ゆくまで楽しむといい。

    そして、心にゆとりが出来たら、月の世界の

    話をしておくれ。


 帰蝶:ありがとうございます。

    楽しませていただきます。

    宴が落ち着きましたら、月の世界のお話をさ

    せていただきとう存じます。 


 長信:相分かった。

    それまで待つことにしよう。

    

 帰蝶:ありがとうございます。

 

 長信:辻ヶ花(つじがはな) の打掛けがよく似合う

    ておる。

    そなたに似合うと思っておった。

    欲しいものがあれば遠慮無く申せ。

  

 帰蝶:もう充分に頂きました。

    心が満たされております。

    これほどまでに良くしてくださり、ありがと

    うございます。

    

 帰蝶 は嬉しくて微笑みました。

 長信 はその微笑みに安らぎを覚えました。

 何だか、とても、気になります。

 

 宴が始まりました。

 始まりは粛々としていましたが、段々と振れやかになってきました。

 美味しい料理やお酒。

 引き込まれる世界感のある能や舞。

 雅楽や南蛮の音楽というものの調べ。

 帰蝶 の心を潤してくれました。

 お酒も入り、程よく心が緩やかになってきました。

 ちらり ちらり と、皆が 帰蝶 の様子を見るようになってきました。

 帰蝶 はそれを ひしひし と感じていました。

 そろそろ 月の世界のお話をする方が良さそうです。

 長信 がしびれを切らして、こちらに体を向かせました。


 長信:あの・・・、そろそろ・・・、月の世界の話

    は如何かな?

    無理にとは言わんが・・・。


 あの威勢の良かった 長信 がもじもじ もじもじ しています。

 帰蝶 は可愛らしく思って笑ってしまいました。

    

 帰蝶:はい。

    喜んでお話しとうございます。

    何からお話を始めれば宜しいでしょうか?

       

 長信:では、民はどういう生活をしているのかを教

    えてくれ。

    経済はどうなっておるのか教えてくれ。

    それから、国はどうやって治めているのか?

    それから・・・。

    それから・・・。


 長信 は堰を切ったかのように質問をし出しました。

 長信のご家来衆たち も興味津々でした。

 帰蝶 はしっかりと使者としての勤めを果たそうと心が決まりました。

 体を 長信 の方へとしっかりと向けました。

 そして、月の世界へと思いを巡らせて、 ぽつり ぽつり と話し出しました。

 

 帰蝶:私の住む月の世界は大きく4つの国から出来

    ております。

    1つ目は妖精と猫と鹿との国。

    2つ目は妖精と猫と河童の国。

    3つ目は妖精と猫と狸の国。

    4つ目は妖精と猫と兎(うさぎ)の国です。


 長信:そなたはどの国の者なのか?


 帰蝶:私は4つ目の妖精と猫と兎(うさぎ)の国で

    す。

    

 長信:それぞれの国は誰が統治しているのだ?


 帰蝶:それぞれの国には王様がいます。

    その国々は皆平等で、上下の差はありませ

    ん。

    ですので、皇帝はおりません。


 長信:月の世界が4つに分かれているが、戦はない

    のか?


 長信 だけでなく、 長信のご家来衆たち もとても興味があるようでした。

 皆、 じっ と 帰蝶 の話に耳を傾けました。

 

 帰蝶:戦はここ何千年も起こっておりません。

    至って平和です。

    もめ事はありますが、外交で事を治めており

    ます。

    

 長信:武士はいないのか?


 帰蝶:武士はおりませんが、軍はおります。

    民の暮らしを直接守ってくれているのは、警

    察や公安です。

    地球のような武家社会でもありません。

    武器を持ち歩いている様な民はおりません。

 

 長信:では、我らが恐ろしいのであったろう?

 

 帰蝶:はい・・・。

    申し訳ございません・・・。


 帰蝶 は気まずくて、お酒を すっ と飲みました。

 隣の席にいた 盛信 がお酒をつぎ足してくれました。

 

 長信:戦のない世の中だとは、羨ましい限りじ

    ゃ・・・。


 帰蝶:戦にならないように、皆、協力して生活をし

    ております。

    そして、妖精も猫も鹿も河童も狸も兎(うさぎ)  も平等です。

    とても居心地がいいですよ。


 長信:それぞれの国のことを話してくれ。

    どのような生活をしているのかが知りたい。


 帰蝶:分かりました。

    それでは・・・。

    まず最初に、どの国にも共通して存在してい

    るのは、妖精と猫です。

    全ての王族は妖精です。

    そして、猫は各家庭に一匹はいます。

    しかし、家庭の増加で猫が不足しそうになっ

    ております。

    ですので、猫は CITES(サイテス) という

    絶滅危惧種をを保護する為の国際取引条約で

    厳格に各国保護しております。

    

 長信:なるほど・・・。

    そうやって、絶滅危惧種を守っているの

    か・・・。

    だが、何故、猫は各家庭にいるのだ?


 長信 は?マークが頭にいっぱいありました。

 長信のご家来衆たち も?マークが頭にいっぱいありました。

 帰蝶 は困ったように頬に右手を当てました。


 う~ん・・・。


 そういえば、何故、猫は各家庭にいるのだろう・・・?   


 帰蝶:どの国でも各家庭の印鑑証明は 猫の肉球 

    になっております。

    地球でいう 花押(かおう) の様なもので

    す。 

    郵便物や宅配物も 猫の肉球 を印鑑証明に

    使います。

    ですから、どの家庭にも猫が必要なのです。


 長信:わははははは!!!

    それは、面白いな!!!

    のぅ?

    皆の衆?


 長信たち は愉快そうに笑いました。

 帰蝶 は憤慨しました。

 吉秀 はそんな 帰蝶 の様子に気づいて、慌てて叫びました。


 吉秀:猫の肉球 を使われるなんて、なんとお素晴

    らしい文明だ!!!

    きっと 経済が混乱していないことでしょ

    う!!!

    ささっ!!!

    続きをお聞かせください!!!

 

 帰蝶 は 吉秀 の優しさに心を緩ませました。

 感謝して会釈しました。


 帰蝶:猫の働きはどの国でも重宝されております。

    猫なしではどの国も回っていきません。

    ですので、猫はとても大事なパートナーなの

    です。

    そして、猫は神の使いとしても崇められてお

    ります。

    その為、各国王室の庇護があります。

    にゃシントン条約とも言われるCITES(サイテス) 

    はつい最近、何百年かの間に出来たもので

    す。

    益々、猫が大切にされ出しました。


 長信:猫が神の使いなのか・・・。

    それは、神聖な存在だな。

    日本で言うと鹿のような存在か。

    月の世界には鹿もいると言ったな?

    鹿も神の使いなのか?


 帰蝶:いいえ。

    月の世界では鹿は神の使いではありません。

    我々、妖精と共に社会で生活をしておりま

    す。

    

 ほぅっ・・・ と 長信。

 杯に入ったお酒を ぐいっ と飲み干しました。

 口角を横に広げ、頭を軽く横に振りました。

 辛かったようです。

 そして、話を続けよ と先を促しました。

 

 帰蝶:それでは、鹿のお話が出て参りしたので、1

    つめの国のお話をさせて頂きます。

    妖精と猫と鹿のいる国を 春日国(かすがのくに) といいます。

    妖精と鹿は郵便屋さんと宅配業者と運輸など

    の物流を生業としたプロフェッショナルで

    す。

    道路や建築の土木工事も整備致します。

    

 吉秀:妖精と鹿が道路や建築の土木工事もするので

    すか?

   

 帰蝶:はい。

    全ての国が 春日国(かすがのくに) に発

    注致します。

    とても手際が良くて、仕上がりも綺麗です

    よ。

    お見せしたいくらいです。


 秀長:物流はどうなっているのですか?


 帰蝶 は えぇっと・・・ と考え込みました。

 そして、おもむろに話し出しました。


 帰蝶:物流は 竹 を使って致します。

    全ての物流品は各郵便局や宅配業者や運輸に

    持って行きます。

    そして、妖精と鹿が 竹の節の中 に品物を

    入れて発送します。

    配送先に到着すると、 竹の節の中 が光りま

    す。

    到着したときに、 竹 は 呼び鈴が鳴ります

    。

    にゃぁ~ と 鳴ります。

    私どもは 呼び猫 と言っております。

    

 長信:竹 が光るのか?

    竹 の 呼び鈴が鳴るのか?

    

 帰蝶:はい。

    竹 が光り、 竹 が鳴ります。

    竹 の目の高さにある節には小さな舞良戸(まいらど)という横にスライドさせて引く戸があり

    ます。

    品物が届くと 竹の節の中 が光ります。

    そして、 呼び猫 が にゃぁ~ と鳴きま

    す。


 家勝:それは、尾張国(おわりのくに)の竹林でも

    出来るのですか?

    月の世界の国々と 竹 を使って物流が出来

    るですか?

    

 家勝 は目を輝かせました。

 純粋な少年のようでした。


 月の世界の国の文化にそれほどまでに興味を持って、受け入れようとしてくれている・・・。


 帰蝶 は嬉しくなりました。

 

 帰蝶:出来るかどうか分かりません。

    月の世界と地球は離れておりますし・・・。

    でも、試してみるのは悪いことではありませ

    ん。

    お互いの国々にとって、物流があることは経

    済発展を意味するので、前向きに検討致しま

    す。


 益一:もし、これが出来たのならば、戦の時に鉄砲

    などの武器をわざわざ遠くまで運ばなくても

    済むかもしれない。

    竹の節の中 に入れれば、大量に運び込め

    る。

    是非、知りたい!!!


 帰蝶 は戦と聞いて、顔が曇りました。

 戦のために 竹 が使われるのはとても嫌でした。


 この方たちに、教えても良かったのだろうか・・・ と不安になりました。


 戦に使うのならば、ここで断った方が良さそうです。

 でも、怒らせてしまったら、月の世界に戻れなくなるかもしれません。

 もしかしたら、ここでお手討ちに遭うかもしれません。

 ・・・ 仕方がありません。

 帰蝶 は外交の難しさを知りました。

 ぽろぽろ と涙を流しました。

 覚悟を決めました。

 益一 はただならぬ気配を感じました。


 帰蝶:軍事的利用されるのならば、お話を終わりに

    させてください。

    

 冷たく言い放ちました。

 益一 はしまった・・・ と思いました。

 

 しくじってしまった・・・。

 

 あぁ・・・。


 どうすれば良いのだ・・・。


 怖くて 長信 の顔を見られませんでした。

 長信 はすぐに答えを出しました。

 

 長信:戦には使わん。

    話を続けよ。


 帰蝶 は疑っていました。

 もの凄く怒っている気を発していました。

 しばらく時間がかかりそうです。

 長信たち は待つことにしました。

 お市 がやってきました。

 長信の妹です。

 側で 帰蝶 をなだめ出しました。

 お菓子を持ってきてくれたようです。

 金平糖やカステラや有平糖(アルヘイトウ)、ボーロが並べられました。

 帰蝶 は色鮮やかで美しい形のしている飴細工の有平糖(アルヘイトウ) を食べました。

 ・・・ とても美味しいです。

 でも、緊張した心は、なかなかほどけませんでした。

 お市 は 竹 以外のお話をしようと決めました。

 

 お市:月の世界のお菓子はどのようなものが流行な

    のじゃ?

    どのようなお店があるのじゃ?

    市場はどのようになっておる?


 帰蝶 はこの場で唯一の味方のような お市 の言葉に引っ張られました。

 柔らかなお市の声音に、安らぎを覚えました。

 ふっ・・・ と涙が はらはら とこぼれ出しました。

 そして、 わぁ~ん わぁ~ん ・・・ と泣き出しました。

 皆、 びっくり しました

 こんなにも素直に悲しい感情を人前で晒す妖精は見たことがありませんでした。

 しかも、敵なのか味方なのか分からない妖精たちに取り囲まれているのに、泣くなどという心の隙を見せることなどあり得ませんでした。

 さすが、平和な国の妖精だ・・・ と皆が思いました。


 これは、手強いぞぉ・・・。


 時間がかかりそうだ。


 もう、夜も更けてきたなぁ・・・。


 ここで宴はお開きなのかなぁ・・・。


 長信:今宵の宴はしまいじゃ。

    部屋を用意する。

    皆、泊まって参れ。


 そう言って、廊下へと出て行ってしまいました。

 少々、ご機嫌斜めでした。

 どし どし 足音が聞こえました。

 丸蘭 が後を急いで追いました。

 長信のご家来衆たち が ぞろぞろ ぞろぞろ と大広間を出て行きました。

 中には 帰蝶 と お市 だけ。

 帰蝶 は初外交が失敗に終わったことが悔しかったようです。

 手を拳にして じっ と動きませんでした。

 そして、己の不甲斐なさを しみじみ 感じました。

 お父様ならこんなことにはならなかったはず・・・ と ぐるぐる 思考を巡らしました。

 そして、月の世界の平和がなんと有難かったのかを思い知りました。

 何としてでも、軍事的利用になんかさせたくありません。

 地球の民を苦しめる道具に 竹 を使わせるわけには行きません。

 この身に変えてでも、民を守ってみせる・・・ と、誓いました。

 次は、絶対に軍事的利用されるようなお話はしないように気をつけよう と心に決めました。

 吉秀 が 帰蝶 の側にやってきました。

 泊まるお部屋へと案内をしてくれると言いました。

 帰蝶 はお家へ帰りたいと言いました。

 吉秀 は 長信 に許可を取りに行ってくれました。

 許可が降りたので、 吉秀 は 帰蝶 をお家へと送り届けました。

 


 帰蝶 は、お部屋の明かりをつけて、温かい飲み物を用意しました。

 今日のことを振り返りました。

 悲しくて ぽろぽろ 泣き出しました。

 まだまだ月の世界のお話をしなければならないことは分かっていました。

 月の世界も守らなければなりません。

 何処まで教えて良いのか整理しだしました。

 きっと、当分、月の世界のお話をすることはないでしょう。

 それまでに、対応策を考えることにしました。

 失敗から学べば良いんだよ という 道三 の教えを思い出しました。


 そうね・・・。

 

 最初から上手くいくわけがないわね・・・。


 今日の失敗から学んで、次の成功に繋げましょう・・・。


 頑張る意欲が沸いてきました。

 

 遠く遠くに見えるお月様。

 今宵も 月の世界の美濃国(みののくに)にいる 道三たち にご挨拶。

 

 帰蝶:お父様。

    お母様。

    お兄様。

    お姉様。

    おはようございます。

    お仕事、無理しない程度に頑張ってね。

    帰蝶 はこれから眠ります。

    おやすみなさい。

    またね。


 これからどうなっていくのでしょうか・・・?

 不安とやる気に振り回されている 帰蝶 でした。



     ep.14 月の世界と猫と竹 終わり


 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 もしよろしければ次回作もお読みいただけると嬉しいです。

 次回は、鹿の 春日国(かすがのくに) と河童の国 と出来れば 狸の国 や 兎(うさぎ)の国 のお話まで書きたいと思っております。

 次回作は投稿日は未定です。

 出来ましたら活動報告にてご連絡致します。

 お待ちしております。


 リアクションマーク と 感想 を頂きました!!!

 とっても嬉しいです(≧∀≦)

 ありがとうございます!!!

 あなた様に幸あれ~(帰蝶より)

 勿論、お読みくださった皆様にも幸あれ〜(寧々より)


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