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俺の妻が猫になった  作者: 穏世青藍


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10/22

猫になって一日目

 時は現在へ戻ります(^o^)

 妻 式部 が猫になってしまった一日目の日です(TOT)

 妻の 式部 が猫になってしまったのを 主人公 道長 が認識しました・ω・

 おっかなびっくりの会話が始まります(#^^#)

 どうするのでしょうか…?(●´ϖ`●)

 はじまりはじまり〜(⌒▽⌒)

 道長 は、猫になった 式部 と対峙しておりました。

 お互い、はぁっ・・・ と一息。

 

 道長:お前は 式部 なんだな?


 道長 は、目を うるうる して、足下にいる 式部 に聞きました。

 

 式部:そうだにゃぁ~!!!

    私だにゃぁ~!!!


 式部 は、 道長 の足に すりすり しました。

 道長 は、そんな 式部 の頭から尻尾までを なでなで し始めました。

 

 か、か、か、可愛い・・・。

 

 でも、 猫 だ・・・。

 

 どうしようか・・・。


 あっ・・・。


 何で、猫になってしまったんだ?


 やっと現実を理解し始めた 道長。

 ゆっくり と口を開きました。


 道長:お前、どうして、猫になっちゃったのか?

    ・・・妖精にでも頼んだのか?


 妖精のことは村長と内緒だったはずだけれども、おそらく、妖精が絡んでいるのだろう・・・。

 

仕方なしに、怒られるのを覚悟で、聞いてしまいました。

 道長の言葉に びっくり した 式部。

 

 何故、妖精のことを知っているの・・・?


 式部:そうだにゃぁ~!!!

    そうだにゃぁ~!!!

    妖精だにゃぁ~!!!

    妖精が二匹いたにゃぁ~!!!

 

 道長は、 やっぱり・・・ と思いました。

 でも、 動物 が 人間 になることはあっても、 人間 が 動物 になるケースは初めてです。

 

 大変なことになった・・・。

 

 そもそも、 式部 は、人間 に戻れるのだろうか・・・?

 

 道長:その妖精は、今、何処にいるんだ?

    隠れているのか?


 道長 は、辺りを きょろきょろ し始めました。


 式部:空間に魔方陣のような物が見えて、その中に  

    入って、消えてしまったにゃぁ~!!!


 式部 は、 道長 の足から上半身によじ登ろうとしました。

 それを察して、道長 は、 式部 を抱っこしました。

 温かいです。

 式部 は、喉を ごろごろ と鳴らし始めました。


 道長:お前・・・。

    喉は鳴らさないといけないのか?

    どんどん と猫になっていってしまうぞ。

    出来れば、やめた方が良いんじゃ無いのか?

 

 はっ とした 式部。

 

 そうだにゃぁ~・・・。

 

 私、何で、喉を鳴らしてしまってるのだろう・・・?


 道長:空間に魔方陣のような物が見えたのは何処で

    だ?

    もう一度、一緒に見に行ってみよう。


 式部:私のお部屋だにゃぁ~!!!


 ぞういうと、 ひらり と、 道長 の腕の中から降りました。

 と と と と と・・・ と、 道長 の前を歩きます。

 道長 もその後を追います。

 式部 のお部屋の前につきました。

 式部 は、 道長 の周りを くるくる と回ります。

 そして、 にゃぁ~ と言いました。

 抱っこして欲しいようです。

 道長 は、抱っこしてあげました。

 式部 は、ここぞとばかりに、 道長 に甘えるモード。

 すると・・・。

 

 ピンぽ~ん・・・。

 

 呼び鈴が鳴りました。

 がらがら と 引違戸(ひきちがいど) が開きました。


 少納言:ごめんくださ〜い!!!

     式部 さんは、いらっしゃったのでしょう

     か・・・?

     

 小馬(こま):ごめんくださ〜!!!

    式部 のおばさまは、いらっしゃい

    ましたか・・・?


 ねこねこ長老:にゃぁ~・・・?


 心配して、わざわざお家まで来てくれたようです。

 そして、足下には、 地域猫 の ねこねこ長老。

 尻尾の先が ぱたぱた 揺れています。

 

 道長:いやぁ~・・・。

    それが・・・。

    いるにはいたんだけれども・・・。

    ちょっと、様変わりしてしまったよう

    だ・・・。


 そう言いながら、玄関の方へ歩いて行きました。

 勿論、 式部 を抱っこしたままです。

 段々と、明るみに出てきました。

 すると・・・。


 少納言:あらぁ~。

     道長 さん、猫 をお飼いになったのです

     ね!!!

     可愛らしい、三毛猫ですね~!!!

     ・・・。

     ・・・?

     ・・・。

     あのぅ~・・・。

     どうして・・・。

     えぇ~っと・・・。


 小馬(こま):式部 のおばさま!!!


 ねこねこ長老:にゃぁ~!!!


 皆、大パニック。

 あぁ・・・。

 式部さん が、何故か、猫になっている・・・。

 騒ぎに気づいた 定子 が、 少納言 の胸ポケットから顔をちょこんと出して様子を見ました。

 確かに、 式部 が猫になっている・・・。

 あぁ・・・。

 何で・・・。

 

 少納言:ねこねこ長老 が、この村に突如 猫 が

     現れたようだと言っていたのは、このこと

     だったのね・・・。


 道長:妖精に猫にされてしまったようです・・・。

    その妖精は、空間に出来た魔方陣のような物

    の中に入って消えてしまったようす・・・。

    どうすれば良いのでしょうか・・・?


 式部:助けてにゃぁ~!!!

    助けてにゃぁ~!!!

    3日間は猫の姿のままだにゃぁ~!!!

    水に濡れると人間に戻れる魔法が解けてしま

    うにゃぁ~!!!

    お水が怖いにゃぁ~!!!


 式部 は、もう、体をくねらせながら、じたばたしました。

 道長 は抱っこをしきれなくなり、式部 を床に置きました。

 式部 はとても切なそうです。

 

 少納言:詳しくお話を聞かせて下さい。


 道長:あぁ・・・。

    俺も気が動転していて、詳しくは聞いていな

    かった・・・。


 すると、式部 が 道長 の足下に来て、よじ登ろうとしました。

 なので、 道長 が抱っこして、頭を なでなで しました。

 気持ちよさそうに にゃぁ~ と鳴く 式部。

 少納言 は、 棟世(むねよ) に電話をして、すぐに 道長のお家 へ来るように言いました。

 すぐに、 道長のお家 へと向かってくるそうです。

 ねこねこ長老 は、 ねこねこテレパシー を使って、地域猫たちに 式部 のことを伝えました。

 すると、 平安村の地域猫たち が、 道長のお家 へ向かって一勢に走り出しました。

 ちなみに、ねこねこテレパシー は、猫のお髭をアンテナにして、地域猫同士で情報をやりとりしています。

 

 式部:居間に行きませんかにゃぁ~?

 

 皆は、 それもそうだ・・・ と居間に入っていきました。

 少納言たち は、少納言たち の専用スリッパを履いています。

 しょっちゅうお宅を往き来しているので、お互いのお家に用意されています。

 仲が良いのです。

 少納言たち は、引っ越してきてから、ずっとお世話になりっぱなしです。

 そして、道長 の娘の 彰子(しょうし) と 堅子(かたこ) から、年だからたまには 道長たちの様子を見に行ってはくれないか・・・? と頼まれています。

 良い感じで持ちつ持たれつの、村人ライフです。

 畳のお部屋に雪見障子からお庭の花々が見えて、とても綺麗です。

 小馬(こま) は、このお部屋が大好きです。

 いつか、 花農家 さんになりたいので、お花に興味津々です。

 今は、お家で、ガーデニング を楽しんでいます。

 道長 のおじさまが、丹精込めてお庭を整えてられる・・・。

 道長 にしょっちゅうお花のお話を聞いています。

 そして、 式部 の おやつ も大好きです。

 ケーキ とか、 クッキー とか、全て手作りです。

 一緒に作って教えてもらっています。

 二人にとっても懐いています。

 二人とも、 孫 のように可愛がっています。

 だから、小馬(こま)は、 式部 が猫になってしまったので、 今度は私が何とかしなくては・・・ と、息巻いています。

 少納言 は、そんな娘の気持ちを察して、 ほのぼの しました。

 

 良い娘に育ったなぁ・・・。

 

 居間の座布団に思い思いに座りました。

 道長 が台所へ行き、グラスに麦茶を入れて持ってきました。

 氷が からから と鳴って、冷たくて美味しそうです。

 少納言たち に、もう朝ご飯は食べたのか? と聞きました。

 もう食べた と聞いたので、 悪いが私はまだなので、食べても良いか? と聞いて、テーブルに どんどん と朝ご飯を並べていきました。

 少納言たち の為にしかしか煎餅 を用意してくれました。

 ねこねこクッキー もあります。

 村の特産品です。

 有難く、頂戴しました。

 すると、丁度、 棟世(むねよ) が車で到着しました。

 勿論、 懐仁(やすひと) も一緒です。

 お邪魔します と言って、居間の中に入ってきました。

 三毛猫に気づきました。 

 恐る恐る顔を近づけました。

 式部 だと認識したようです。

 すぐに、事態を察しました。

 そして、お外には、 平安村の地域猫たち が沢山集まったようです。

 みゃぁ~ みゃぁ~ みゃぁ~ みゃぁ~ と鳴いています。

 

 道長:さて・・・。

    どうして、お前は猫になってしまったのか

    い?


 式部:だし巻き卵を食べようとしたら、妖精たち 

    に持って行かれたにゃぁ~!!!

    始めは妖精だと気づかないで、ゴキブリだと

    思って、叩こうとしたにゃぁ~!!!

    そうしたら、叩こうとしたことに怒った妖精

    が、猫にしてしまえと言ったにゃぁ~!!!

    そして、もう一匹の妖精が猫にしてしまった

    にゃぁ~!!!

   

 少納言:すると・・・。

     妖精たち は二匹いたのですね?

     どのような妖精たちでしたか?

     大きさは・・・?


 定子:私のような感じですか?


 定子 が 少納言のポケット から出てきてしまいました。

 懐仁(やすひと) も 棟世(むねよ)のポケット から出てきました。

 ゆらゆら 飛んでいます。

 式部 は、とっさに身構えました。

 道長 の後ろに隠れました。

 怯えています。 

 定子 はショックを受けました。

 それまで、怖がられたことが無かったからです。

 

 そうよね・・・。

 

 猫 にされちゃったのなら、妖精が怖いわよね・・・。


 定子 は 式部 に 何もしないから、大丈夫ですよ と言いました。

 すると、 道長 の影から少し顔を覗かせました。

 目から 涙が ぽたぽた 落ちています。

 

 可愛そうに・・・。

 

 何とかして差し上げなくては・・・。


 定子:私のような妖精でしたか・・・?


 式部 は、 にゃぁ~ と頷いたら、すぐに 道長 の背中に隠れてしまいました。

 みゃぁ~ みゃぁ~ 泣いています。


 道長:何か、名前なんか言っていなかったか?


 式部:確か、 長信 と 倫子(ともこ) と言って

    いたような気がするにゃぁ・・・。

   

 道長 の背中に すりすり しながら、 ぼそっ と言いました。

 

 懐仁(やすひと):きっと、竹林に住む 長信 だろ

    う!!!

    厄介なことになった!!!

    出来れば、関わりたくは無かったが・・・。

    こうなったら、 光秀 殿にお願いするしか

    なさそうだ!!!

    すぐにでも、役場へ向かわなければならな

    い。

 

 定子:倫子(ともこ) は、しょっちゅうこのお家

    に出入りしていた妖精かしら?

    もっと早くに、調べておけば良かった。

    

 少納言:そんな妖精がいたのですか?


 定子:えぇ・・・。

    ただ、 道長 さんの周りを、見つからないよ

    うに見ていただけだったから、気にしていな

    かったの。

    私 がこのお家に来ると、 すっ・・・ と消

    えていなくなってしまうの。

    いつも魔方陣の中から帰って行くの。

    

 道長:きっと、その妖精だ!!!

    式部 が空間に魔方陣のような物があって、

    その中に消えていったと言っていた!!!

    な?

    そうだよな?

    式部?


 式部:にゃぁ~!!!


 式部 は、 妖精たち の言葉を一生懸命に思い出そうとしていました。

 たしか、 道長 が転生する前の夫だったとか何とか、言っていたような・・・。

 でも、そんなこと、現実的にあり得ないから、とても言えません。

 もじもじ していました。

 すると、 ねこねこ長老 が 式部 に近づいてきました。

 鼻 を近づけてきます。

 式部 は驚いて シャーッ としました。

 ねこねこ長老 撃沈。

 しょんぼり してしまいました。

 

 少納言:大丈夫ですよ。

     鼻と鼻をくっつけるのは、 猫同士の挨拶

     なんです。    

     そして・・・、お尻のにおいを嗅ぎま

     す・・・。

     無理ですよね・・・・。

     どうしましょう・・・。


 道長:いくら猫といえども、お尻の匂いを嗅ぐのは

    やめてくれ・・・。

    すまない・・・。

    ところでお前、本当に、3日間で人間の姿に

    戻れるのか?

    水に濡れてしまったら、戻れなくなるって、

    どういうことだ?

 

 式部:魔法をかけた妖精がそう言ったにゃ

    ぁ・・・。

    猫になる魔法は3日間だけだって言っていた

    にゃぁ・・・。

    魔法は3日後には解けるように更に魔法をか

    けているって言ってたにゃぁ・・・。

    でも強い雨が降るとかけた魔法が消えるとか

    言っていたにゃぁ・・・。

    水や雨に濡れてはいけないそうだにゃ

    ぁ・・・。

    

 定子:元のお姿に戻せないかどうか、他の妖精たち

    に聞いてみましょう。

    3日間に強い雨が降るのかどうかも調べない

    と。

    濡らさないように気をつけましょう。


 棟世(むねよ):やっぱり、村長に事情を説明した方

    が良さそうです。

    一緒に村役場へ行きましょう。


 道長:分かった。

    すぐに、支度をしよう。

    少々お待ちください。


 そう言うと、テーブルの上の食器を片付け始めました。

 台所へ運んで、洗おうとしているので、 少納言たち が 私達がやります と言って、 道長 には役場へ向かう支度をしてもらいました。

 道長 は 式部 に何か余計なことを言ったらしいです・・・。

 式部 が シャーッ としていました。

 身支度も片付けも戸締まりも終わったので、車で向かうことにしました。

 玄関開けたら、 沢山の平安村の地域猫たち がいました。

 みゃぁ~ みゃぁ~ みゃぁ~ みゃL~ 鳴いています。

 ねこねこ長老が前に進み出ました。

 にゃにゃにゃにゃにゃぁ~!!! と叫びました。

 そして、 地域猫たち は一斉に村役場の方へと走り出しました。

 物凄いスピードです。

 道長 と 式部 は 道長の車 に乗り込みました。

 棟世(むねよ)たち は 棟世(むねよ)の車 に乗り込みました。

 

 お空が何処までも何処までも高く青い。

 でも、竹林と森の方から、薄黒い雲が見えてきました。

 雨が降るかもしれないです。

 涼しい風が段々と迫ってきました。

 濡れたら大変です。

 途中の商店で バスタオル と 大きなポリ袋 を買いました。

 雨が降ったらポリ袋の中に入れるつもりでした。

 愛護団体さんから怒られそうだけれども、それしか思いつかなかったのです。

 そして、急いでいました。

 どうすることも出来ないけれども・・・。

 気持ちばかり焦っていました。

 式部 だけでなく、 道長 も きりきり していました。

 気を紛らわしたいです。

 だから、車の中で 式部 に、 やっぱり、折角だから、キャットフード食べてみるか? と聞いてみました。

 案の定、 シャーッ としました。

 さっき、お家の中で怒らせたことを、また言ってしまいました…。

 それくらい心に余裕がなくなっていました。

 俺も一緒に食べるよ と言いました。

 式部 は、 みゃぁ~ と切なそうに鳴きました。


 村役場が見えてきました。

 色とりどりのお花たちが見えてきました。

 もう既に 棟世(むねよ)たち が入り口の前に立っていました。

 村長たち も待っていてくれました。

 村長は、現在も 晴明 です。

 車を着けて、 式部 を抱きかかえて、バスタオル と 大きなポリ袋 を持ちました。

 小馬(こま) が、バスタオル と 大きなポリ袋 を持ってくれました。

 道長 は 晴明 を見ると、涙が出てきました。

 晴明 は、 道長 の肩に優しく手を置きました。

 言葉にならない声が、溢れてきました。


 うぉ~っ・・・ うぉ~っ・・・。


 普段の沈着冷静な 道長 からは想像も出来ないことでした。

 式部 は、申し訳ない思いで一杯になりまし。

 

 私がゴキブリだと思って、妖精たちを叩かなければ、こんなことにはならなかったのにゃぁ・・・。

 

 消えてしまいたくなリました。

 

 私のせいで、 道長 が苦しんでいるにゃぁ・・・。


 どうか、3日間だけ強い雨が降らないでにゃぁ・・・。

 

 どうか、どうか、これ以上 この人を苦しませないでにゃぁ・・・。


 涙が止めどなく溢れてきました。

 それに気づいた 道長 が、優しく優しく 式部 の頭 をなでました。

 式部 はその手に顔を すりすり しました。


 村役場の中へと入りました。

 人間たちと・・・猫二匹。

 職員たちは、驚きました。

 一匹は 地域猫の ねこねこ長老。

 もう一匹は・・・。

 見たこともない 三毛猫。

 ここは保健所じゃない・・・。

 でも、村長 が何も注意していないから、きっと、いいのだろう。

 職員たち は、見て見ぬ振り。

 村長室 に入っていきました。

 ぞろぞろ ぞろぞろ・・・。

 そして、晴明がエレベーターのボタンを押しました。

 うぃ~ん・・・。

 うぃ~ん・・・。

 地下に着きました。

 皆、エレベーターから降りました。

 そこは、白漆喰(しろしっくい)の美しい壁。

 モダンな調度品。

 似合わない黒板や机や椅子。

 パソコン。

 そして、簡易的なキッチン。

 本棚。

 奥には沢山の書類の山。 

 

 式部:ここは何処にゃぁ・・・?

    なんてお洒落なんだにゃぁ・・・。

 

 道長:ここは、国家機密特区の執務室だよ。

    妖精 や 人間化した動物 を調査やサポー

    トをしているところだよ。

    ここで、今回のことを相談するよ。

    ちょっと待っててね。


 式部:こんなところが村役場の地下にあったなん

    て、全然知らなかったにゃぁ~・・・。


 式部 は、辺りを きょろきょろ。

 好奇心が止まりません。

 すると、 道長 に 晴明 が話しかけました。

 

 晴明:事情は簡単に聞きました。

    大変ですね。

    早速、緊急会議をしましょう。

    皆、支度をしてください。


 そう言うと、皆、 ばらばら に動き出しました。

 あっという間に、会議セットが出来ました。

 道長たち は促されるままに席に着きました。

 向かい側に 3席誰も座っていません。

 

 光栄(みつよし):向かいの席には、 胡兵衛 さん

    と 誠兵衛 さんと 鹿兵衛 さんが座られ

    ます。

    今、こちらに向かっているそうなので、少々

    お待ちくださいね。


 棟世(むねよ):簡単に説明だけでもしておいてはい

    けませんか?

    お辛いでしょうから・・・。


 晴明:それもそうですね。

    では、早速、事の事情をお話しください。

    

 道長 は 式部 を膝の上に乗せました。

 大事そうに 大事そうに 頭をなでました。

 手が震えていました。

 式部 はそう感じました。

 

 あぁ・・・。


 新しい扉が開くのね・・・。


 大丈夫にゃぁ・・・ と、 道長 を支えようと、頭をお腹に すりすり しました。

 道長 は 式部 の気持ちが分かったのか、 式部 の頭を ぽんぽん として、大丈夫だよ と合図を送りました。


 道長:実は・・・。

   

 朝からの出来事を話しだしました。




 長い長い説明が終わりました。

 晴明 と 光栄(みつよし) と俊賢(としかた) と 行成(ゆきなり) と 斉信(ただのぶ) と 公任(きんとう) は、熱心にメモを取っていました。

 そして、よ~く見ると、皆の胸ポケットから 妖精たち がちょこんと顔を覗かせています。

 式部 の視線に気づいたようです。

 手を振っています。

 式部 は慌てて、 道長 に抱きつきました。

 急に ばたばた し出したので、 なでなで してなだめました。

 式部 は、ただいま、妖精アレルギーになってしまったようです。

 みゃぁ~ みゃぁ~ 泣き出しました。


 よし よし・・・。


 仕方ないなぁ・・・。


 道長 は、もぉ~ 式部 が愛おしくて仕方ありません。


 もし、 式部 が人間に戻ったら、猫を飼おうかなぁ・・・。


 晴明たち に話したことで安心したのでしょう。

 少々いつもの 道長思考 に戻ってきました。

 

 晴明:妖精担当大臣 と 人間化動物担当大臣 に 

    連絡を取ります!!!

    そして、 光秀たち!!!

    すぐに、 長信 なるものを至急調査しなさ

    い!!!


 光秀:分かりました!!!

    ・・・長信は、もしかしたら私の知り合いか

    もしれません・・・。

    そうなると・・・、とても厄介です・・・。

    やれるだけやってみます!!!


 8匹の妖精たちが甲冑を着て水色桔梗紋の旗印を持って、 ぴゅ~ん と飛んでいきました。

 うぃ~ん とエレベーターの開く音。

 妖精たち が近づくとセンサーが感知してエレベーターが開くそうです。

 凄い技術です。

 

 光栄(みつよし):当面は、猫から人間に戻れなか

    ったときのことを考えて、整理しましょう。

         

 道長:人間に戻れなかったときのこと・・・(T-T)


 ショックで、固まりました。

 

 色々と物事が動き出したようです。

 人間が猫になってしまった例は、調査して把握している限り、全国で初めてのケースだそうです。

 国がとうとう動き出しました。

 臨時閣議が密かに行われました。

 晴明 と 光栄(みつよし) たちは、テレビ電話 で何やら難しいことを話しています。

 一方、胡兵衛 と 誠兵衛 と 鹿兵衛 が次々と到着しました。

 事情を 道長 から聞いています。

 

 そうこうしているうちに、 ぼろぼろ になった 光秀たち が帰ってきました。

 長信たち にコテンパンにやられてきたようです。

 晴明たち が気づいて、光秀たち のもとへとやってきました。

 光秀 が報告します。

 

 光秀:実態調査は難航しております。

    でも、分かっていることは、森を抜けた竹林

    に、沢山の妖精たちが集まっていました。

    皆、甲冑を着てそれぞれの旗印を持っていま

    した。

    鬨(とき)の声をあげていました。

    何かがあるかもしれません。

    ご用心ください。

    ・・・多分大将は・・・ 長信 ・・・で

    す・・・。

    手強い相手になりました・・・。


 晴明:ありがとう。

    まずは、ゆっくり休んで、傷を癒やしてくだ

    さい。

    そうしたら、詳しく教えてください。

    大変だったね。


 道長 は不穏を感じて、 ぴりぴり しました。

 晴明 は少し考えて、皆に向かってこう言いました。

 

 晴明:全国的に妖精たちが集まっていないか実態調

    査をお願いする。

    ねこねこ長老 さん!!!

    ねこねこテレパシー で情報を収集してくだ

    さい。

    胡兵衛 さん!!!

    かっぱっぱ無線 で情報を収集してくださ

    い。

    誠兵衛 さん!!!   

    ぽんぽこ交信 で情報を収集してください。

    鹿兵衛 さん!!!

    しかしか占い で情報を収集してください。

    宜しくお願い致します。


 それを聞いた ねこねこ長老 と 胡兵衛 と 誠兵衛 と 鹿兵衛 は、お部屋の隅に固まって、なにか神秘的なことをしだしました。

 ねこねこ長老 は、お髭を ぴ~ん と張って、何かを発信しているようです。

 上を向いて目をつむっています。

 全国の 猫たち と交信しているそうです。

 側には 棟世(むねよ) がいて、何か会話をしているようです。

 棟世(むねよ) がメモを取り出しました。

 さら さら 何かを書き出しました。

 胡兵衛 は、無線機を使って、何かを発信しているようです。

 全国の 河童たち と交信しているそうです。

 何かの情報が入ってきたのでしょうか・・・?

 メモに書き出しました。

 誠兵衛 は、お腹を ぽんぽこ 叩いて、何かを発信しているようです。

 全国の 狸たち と交信しているそうです。

 鹿兵衛 は、鹿の角で占いを始めました。

 鹿兵衛 さんの占いはよく当たるそうです。

 情報収集も出来るそうです。


 ・・・しばらくすると、皆、深刻そうな顔で戻ってきました。

 それぞれのお話をまとめると、全国的に竹林に妖精たちが甲冑を着て旗印を掲げて集まっているそうです。

 何事でしょうか・・・?

 とても物騒です。

 晴明 は、 妖精担当大臣 と 人間化動物担当大臣 に連絡を取りました。

 でも、内密に 内密に 事を荒立てないで・・・ との事お達しでした。

 晴明 は愕然とします。

 そして、意を決しました。

 平安村臨界体制 を発動しました。

 全ての 職員たち を地下室へと呼び寄せました。

 始めは誰も信じてはくれませんでしたが、妖精が出てきたり、猫がお話ししたので、わずかに信じて貰えました。

 まだ、半信半疑といったところでしょうか・・・。

 それでも充分です。

 立派な戦力です。

 夕方になっていました。

 役場は終了の時間です。

 大方の役場の職員たちは、とりあえず、今日の所は帰ることになりました。

 不思議そうな顔で帰って行きました。

 その一方で、まだ、情報収集は続いています。

 皆、必死です。


 何か出来ることはないかにゃぁ~・・・ と 式部。


 夕ご飯を用意して差し上げたらどうかにゃぁ~ と言いました。

 

 あぁ・・・そうか・・・ と 道長。

 早速、お店に買いに行きました。

 おにぎり サラダ 唐揚げ ヨーグルト お茶 ・・・ と お菓子 と 飴。

 皆で夕ご飯を食べました。

 辺りは暗くなっておりました。

 道長 たちは、晴明たち に礼を言って帰ることになりました。

 

 道長たち は、車に乗りました。

 ぶ~ん・・・。

 がたがたがたがた・・・。

 道長 と 式部 に言葉がありません。

 何を話したら良いのか言葉を探していました。

 道長 は ちょっと寄り道するよ・・・ と言って、ハンドルを土手の方へと向けて走らせました。

 少し行くと、蛍が沢山見えました。

 ゆらり ゆらり とても優美で綺麗な蛍火です。

 式部 はこの場所がお気に入りです。

 実は、この場所は、 道長 が 式部 にプロポーズした場所なのでした。

 車から降りました。

 辺りは生暖かくて湿度が高いです。

 風がやんでいました。

 

 式部 の方を向いて、 じっ と見つめました。


 道長:この先何があっても一緒に暮らして欲し

    い・・・。

 

 式部 は うるうる しました。

 

 式部:そんなの・・・、悪いから猫から戻れなかっ

    たら、別れたいのにゃぁ~・・・。


 道長 は、 式部 の愛を感じました。

 確信しました。

 

 やっぱりこの人は俺が側に居ないと・・・。

 

 俺が守ってやらないと駄目なやつなんだ・・・。


 心が決まりました。

 

 道長:たとえ猫であっても、別れないよ。

    

 式部 は、涙を ぽたぽた 落として、 申し訳ないにゃぁ~・・・ と言いました。


 道長:これから先も、何が起ころうとも、ずっと愛

    し続けるよ・・・。


 式部 は、たまらなくて切ない声をあげて大泣きしました。


 みゅぅ~ みゅぅ~ みゅぅ~ みゅぅ~・・・。


 道長:もし、お前が人間に戻れなかったら、妖精に

    頼んで俺も猫にしてもらう!!!


 式部:そんなの駄目だにゃぁ~・・・。

   

 道長:いいんだ。

    もう決めたんだ。

    俺、お前が人間に戻れなかったら、猫にな

    る。

   

 式部 は少し考えました。

 

 式部:それなら・・・、 スコティッシュフォールド 

    がいいにゃぁ~・・・。


 道長:そうか。

    分かった。

    俺、 スコティッシュフォールド になる。

    ・・・かっこいいのか?

    

 そう言うと、 道長 は笑って、 式部 の頭を なでなで した。

 式部 は何となく にゃぁ~ と言った。

 そして、 式部 を抱きかかえて帰って行った。

 

 道長:お前、少し重くないか?


 式部:シャーッ・・・。


 お家に帰っていきました。

 あっという間に一日が過ぎました。

 明日は、どうなるのかなぁ・・・。





    ep.10 猫になって一日目 終わり


 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

 次回も宜しければお読み頂けると嬉しいです。

 お待ちしておりますだにゃぁ〜(式部より)

 

   

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― 新着の感想 ―
そっか、道長は猫と妖精たちのことを知っていたのか! それでも、奥さんの式部が猫になったことは衝撃的ですよね。人間が猫になったのは初めての事例なわけですし……。 そして、全国的に妖精たちが集結している…
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