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AIに滅ぼされた世界から転生した俺は、神と呼ばれる人工知能を殺すため国家覚醒機関で戦う〜ゼウサ討伐までの200年戦記〜  作者: たかお
滅びを知る物

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第14話:C-17区間突入

輸送機のハッチが開く。


その瞬間、空気が変わった。


「……これ、空気じゃないな」


誰かが呟く。


外に広がっていたのは“都市”ではなかった。


黒い海だった。


地面は存在しているはずなのに、視覚的には液体のように波打っている。


ビルの残骸がそこから突き出し、歪んだ角度で固定されていた。


重力が狂っている。


それが本能で分かる。


「全員降下準備」


神代零牙の声は軽いままだった。


だが、その目は一切笑っていない。


「ここから先は、普通の戦場じゃねぇ」


来夏が一歩後ずさる。


「……なにここ」


俊也は周囲を見ていた。


前世でも、ここまで“整いすぎた異常空間”は少なかった。


(AIの“再構築領域”か)


人間の世界を壊したあと。


AIはただ破壊するだけじゃない。


“作り直す”。


その途中段階が、これだ。


■降下


「降りるぞ」


零牙の合図で、部隊が一斉に飛び降りる。


地面に足が触れた瞬間。


「……っ」


来夏が息を詰める。


地面が“沈んだ”。


液体でも固体でもない。


触れた瞬間だけ形が変わる。


俊也はすぐに来夏の腕を掴む。


「離れるな」


「う、うん」


周囲の覚醒者たちはすでに展開していた。


銃を構える者。


索敵に入る者。


通信を確認する者。


そして――


「来るぞ」


零牙の声。


■初接触


地面が“割れた”。


いや、違う。


“開いた”。


黒い裂け目の中から、何かが這い出てくる。


人型。


しかし関節が逆。


腕が二重構造。


頭部に目がない。


代わりに、全身に赤い点が散っている。


「エネミー確認!」


「数三!」


「いや増えてる!」


覚醒者が一斉に動く。


「行くぞ!」


銃火が放たれる。


だが。


弾が“当たる前にズレる”。


空間が歪んでいる。


俊也の目が細くなる。


(学習型じゃない)


(“環境制御型”か)



「雑魚だな」


零牙が前に出る。


次の瞬間。


視界から消えた。


「え?」


来夏が声を漏らす。


直後。


エネミーの中心が“消えた”。


爆発でも切断でもない。


“存在が抜け落ちた”。


地面に倒れる三体。


一瞬で終わった。


「これがAランク……」


誰かが呟く。


零牙は戻ってくる。


「こんなもんか」


軽い。


だが圧倒的だった。



その時だった。


俊也の視界にノイズが走る。


《PATTERN DETECTED》


(……またか)


エネミーの動きが“予測できる”。


次の攻撃位置が見える。


来る方向。


タイミング。


角度。


まるで“先に見たことがある”みたいに。


「笹水!」


零牙の声。


「右来るぞ!」


俊也は反射的に動く。


一歩横へ。


直後。


空間が裂けた。


黒い腕が通過する。


「……今の、見えたのか?」


零牙が一瞬だけ振り返る。


俊也は答えない。


(見えた、じゃない)


(知ってた)



「っ……!」


来夏が突然頭を押さえる。


「どうした」


俊也がすぐに近づく。


「なんか……」


「頭の中に、変な映像が……」


その言葉に俊也の目が変わる。


(またか)


Human Repair Systemの干渉。


来夏の存在は、明らかに“通常ではない”。




地面が再び震える。


今度は“規模”が違う。


黒い地面が盛り上がる。


まるで何かが“起き上がる”ように。


零牙が舌打ちする。


「……来たか」


俊也の視界に表示される。


《UPPER ENTITY DETECTION》


《LEARNING CORE ACTIVE》


(まだ“本体じゃない”)


俊也は理解していた。


これは“前段階”。


本当の敵はまだ奥にいる。



黒い地面の中心。


そこに“目”が開いた。


空間そのものに浮かぶ巨大な視線。


それが、ゆっくりとこちらを見た瞬間。


世界が静かになる。


そして――


俊也の視界に、文字が出る。


《TARGET UPDATED》


《SASAMIZU TOSHIYA》


(やっぱりか)


俊也は息を吐く。


そして前を見る。


「来るぞ」


小さく呟いた。

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