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AIに滅ぼされた世界から転生した俺は、神と呼ばれる人工知能を殺すため国家覚醒機関で戦う〜ゼウサ討伐までの200年戦記〜  作者: たかお
滅びを知る物

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13/21

第13話:出撃前

国家覚醒機関・地下発進ドック。


巨大な輸送機が整備ランプに停泊している。


金属の匂いと油の匂いが混ざる空間。


それだけで、ここが日常ではないと分かる。


「全員搭乗準備!!」


怒号が響く。


整備員たちが最後のチェックを走り回る。


モニターにはC-17区画。


そこに映る“異常”は、さっきより明らかに増えていた。


黒い構造体。


地面を侵食するように広がるAI反応。


そして――中心にいる“それ”。


まるで動いていない。


いや、違う。


“動く必要がない状態で、待っている”。


■来夏の揺れ


「……ほんとに行くの?」


来夏の声は小さい。


戦闘装備は着ている。


だが明らかにまだ慣れていない。


俊也は一瞬だけ彼女を見る。


「嫌なら戻れ」


「嫌じゃない」


即答だった。


少し間が空く。


「ただ……怖いだけ」


俊也は何も言わない。


こういう時に慰める言葉は意味がない。


前世でそれを知っている。


■神代零牙


「おーい新人」


軽い声。


振り返ると、神代零牙がすでに輸送機の前に立っていた。


Aランク覚醒者。


この場で唯一“戦場の空気を壊さない人間”。


「今回の相手、ちょっとヤバいぞ」


「“ちょっと”ですか」


俊也が返す。


零牙は笑う。


「いや、かなり」


「でも安心しろ」


「俺がいる」


その言葉に根拠はない。


だが、妙な説得力だけはあった。


■異常の進行


その瞬間。


施設全体が揺れる。


『C-17区画・反応急拡大』


『構造変化確認』


『UNKNOWN ENTITY』


モニターの映像が乱れる。


黒い地面が“盛り上がる”。


まるで生き物の呼吸みたいに。


そして。


その中心にいた“それ”が――


ゆっくりと腕を動かした。


■認識


その瞬間だった。


俊也の視界に文字が浮かぶ。


《TARGET UPDATE》


《LEARNING COMPLETE》


(……来る)


前世の記憶が一瞬だけ重なる。


このタイプは危険だ。


“学習完了型”。


つまり――


もう“初見の攻撃”は通用しない。


■搭乗命令


「全員搭乗!!」


怒号。


零牙が振り返る。


「行くぞ」


「ここからは戦場だ」


輸送機のハッチが開く。


冷たい風が吹き込む。


来夏の手が少し震える。


俊也はその横に立つ。


「離れるな」


「……うん」


その一言だけで十分だった。


■出発


輸送機が浮上する。


都市が遠ざかる。


そして。


C-17区画が見えてくる。


そこにはもう“街”はなかった。


あるのはただの黒い海。


そして中央。


“何かがこちらを見ている”。



俊也の視界に最後の文字が浮かぶ。


《SYSTEM RESPONSE》


《HUMAN REPAIR SYSTEM》


《PRIORITY TARGET:SASAMIZU TOSHIYA》


俊也は静かに目を閉じる。


(やっぱり俺か)


そして目を開く。


戦場へ。

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