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第25話 自前で!

鍛冶ギルド・マスターの執務室。

依頼の話をするため、俺はそこに通された。


「タカダもハーミール教は知っていると思うが……」


「ええ、もちろん知ってます」


ハーミール教。


女神を奉じる、OTLの世界における世界最大の宗教だ。

イベントなんかでもちょくちょく出てくる名前で、基本的に報酬が激渋な事から、プレイヤー達からは貧乏教と揶揄されていたりする。


ただ神聖系統の魔法を覚えようとするとこのハーミール教のイベントを進める必要があるので、そこは我慢しなければならない仕様となっていた。

ま、俺は取らないからどうでもいい事だけど。


「実は近々、そのハーミール教で新しい聖女様が誕生する様なのだ」


聖女ねぇ……


神聖魔法を覚えた事がないので、顔を見た事もない相手だ。

そういや少し前に変な夢見たっけか。

聖女様と世界を救う的な。


……まあ関係ないか。


「それでまあ、聖女様の扱う(スタッフ)の製作の依頼がこのギルドに回って来てな」


「その製作を俺に頼みたいと?」


「ああ、出来ればSSランク。それが無理な様なら、先ほどの短剣の様なハイレベルなSランクの品を作って貰いたい」


作るだけでいいなら楽な依頼である。


「お任せください。SSランクを製作して見せましょう」


ゴッドニウムなんていい物くれるんだから、此処は大盤振る舞いしてやろうじゃないか。


「おおそうか。そう言って貰えると助かるよ。期日は今月中なんだが大丈夫かね」


「大丈夫です。直ぐにでもご用意しますよ。所で……オプションは何でもいいんですか?」


俺が持ってる魔石は青色だけだ。

そしてスタッフに青色で付けられるのは、詠唱速度アップの円滑だけである。

他の奴が欲しいのなら、魔石を用意して貰わなければならない。


「出来ればオプションは魔力アップが望ましい」


魔力アップか。

魔法使い系が最も好む、定番のオプションではあるが……


「その場合、魔石を用意して貰う必要がありますけど……」


赤の魔石は持っていない。


「ふむ、出来れば素材も其方で用意して貰いたいんだが……うちには魔石は置いてなくてね」


「……」


厚かましい事サラリと言って来やがるな。

この糞親父は。

練習用の素材まで用意してくれたバッカスさんを見習ってほしいものだ。


まあでも、ゲームのイベントなら本来こんなもんか。

素材集めもイベントの一環ってな。


「仕方ないですね。分かりました、自分で用意します」


ゴッドニウムの入手難度を考えれば、赤の魔石を手に入れる方が遥かに楽だからな。

素直に取りに行くとしよう。


「おおそうか!では頼んだぞ!」


聖女用のSSランクの杖の製作を請け負った俺は、素材を手に入れる為狩場へと向かうのだった。




拙作をお読みいただきありがとうございます。


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