21 崩壊
21話を投稿します よろしくお願いします
ドオオオオオオン!!!
終末の大剣が怪物を両断する。
刃が触れた途端、黒い瘴気は悲鳴を上げて蒸発した。
ガラガラガラ……
纏う黒い瘴気はたちどころにその剣の表面から蒸発していき、怪物の肉体は宿主のいないただの瓦礫と化していき、触れたところから崩れ落ちていく。
轟音とともに山のような残骸が崩れ落ちた。
そして、
中央広場には、山のように積み重なる瓦礫と、静寂だけが残った。
黒い塊のようなものはもはや影も形も存在していなかった。
「勝った……のか?」
ふと、一人の男がつぶやいた。
そこから、
「うおおおおおおおおお!!!!」
「勇者が勝った!!!!」
「……ありがとう!!……ありがとう!!」
人々の感情は一気にあふれ出した。
喜びのあまりすすり泣くもの、声がかれるほど叫ぶもの、聖剣の凄さを語るもの、それは人それぞれだった。
「ふう……」
ユウヤは歓声を聞きながら、その場に崩れ落ちた。
「よく頑張りましたね」
セバスがその場でにっこりと微笑む。
「……これであの鍔が聖剣だって、信じてくれるだろ?」
セバスは最前列にいた例の少年の姿を見つめる。
「ええ、あの子もきっと譲ってくれると思います」
(やっと見つけたぜ、聖剣……)
そう思い、手元の聖剣を眺めるユウヤ。
聖剣は、光を失い徐々に小さくなっていく。城ほどあった巨大な刀身は消え去り、ゆっくりと少年から託されたあの鍔だけがユウヤの手に残った。
「それにしても、聖剣は鍔だけが本体、なんて結構悲しい話だよな」
「ええ、昔のあなたに言っても絶対信じないでしょうね」
ユウヤは笑いながらそれを仕舞おうとしたその時、
ジリッ……
「あ、あれ?」
手元のそれを見ると、細かなひびが割れている。それはどんどん増えていくように見える。
「な、なあ、セバス……」
「……どうかしましたか?」
「聖剣ってさ、使うとぶっ壊れるもんなんだっけ……」
鍔は小さくなるどころか、変色していく。それは黒く、焦げ付いた形になってしまった。
「いえ、そんな話は聞いたことが……」
聖剣は建国から存在し、国の危機を救った至高の一振り。
国の危機など何度もあったはず。
さらにレディウスの剣は切れ味が落ちないという伝説まである。
(一回使っただけだよな……?)
ユウヤの額に汗が走る。
バキッ
という嫌な音がしたあとに、鍔の中央に一本の亀裂が走る。
「え……」
バキッ……バキバキ……
亀裂は瞬く間に全体へ広がっていく。
「え、ちょ……待て待て!!」
ユウヤは慌てて両手でつばを包み込んだ。
その願いもむなしく。
バキィイイイン!!
つばは真っ二つに折れる。
数秒前まで王都を救った奇跡は、ボロボロのただの鉄くずになってしまった。
「………」
「………」
「うわぁーーーーーー!!!!」
広場中に勇者の悲鳴が響き渡った。




