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18 変形

18話を投稿します よろしくお願いします

「頑張れ!!」

少年の声に共鳴するように光を増す剣。


(今、一瞬、刀身が伸びた?)


「ユウヤさん!!」


シスターの声で正気に戻る。強大な力を手に入れたとはいえ、状況は未だ劣勢。

礼拝堂には、今もまだ多数の仮設ベッドに横たわる病人。


逃げ遅れ泣きじゃくる子供たち、その前に立つシスターたちが必死に避難を誘導していた。


しかし、黒い影への防衛に追われ、思うように人々を外に逃がせないでいる。


(考えている暇はなさそうだ)


ユウヤは走り出した。


人々をむしばむ黒き病魔は、斬られまいとするかのように無数に分裂を開始した。

床を這い、ベッドの隙間、小さな物陰、あらゆる場所から殺気があふれ出す。


「きゃあああああ!!!」


扉の前、老人を運ぶ女性の元に飛来する影が二つ


「行かせるか!!」


ユウヤはその間に入り、光の剣を薙ぐ。


閃光が走り、飛来した黒い針をまとめて焼き払う。


「ありがとうございます……!!」


「早く外へ!!」


だが、気をとられている隙に、


ヒュッ


一本の黒い針が通路の奥へ走った。


その先には逃げ遅れた少女の姿。


ユウヤは地を蹴る。


「はぁっ!!」


聖剣がひらめき、黒い針を両断した。


その瞬間、


黒い針を斬るために振り抜いた剣。


ユウヤが腕を振った際できたわずかな死角ができた。


まるでその瞬間を狙ったように物陰に潜んでいたもう一つの攻撃が音もなく飛びだした。


体を反らそうにもその一つだけは死角を精密に捉えており、避けることは出来なそうだ。


(まずい!!)


その最中、横合いから巨大な拳が唸りを上げた。


「ふん!!」


ドォン!!


轟音が礼拝堂を揺らした。


セバスの拳が空を裂き、黒い針を正面から叩き潰す。


勢いを殺された黒い塊はそのまま液状になり、床のシミと化した。


「助かった!!」


セバスが黒い染みを見下ろす。


「ふむ、小さければ私の加護でも対処可能のようですね」


それから、数十分が経った。


シスターたちは、はじめは目の前の怪物に恐れを抱いていた。


だが、ユウヤとセバスが一歩も退かず戦う姿を目の当たりにすると、その瞳に再び決意が宿る。


「皆さん! 加護を絶やさないでください!」


「はい!」


シスターの一人が影を踏み潰す。

足下から白い光が広がり、黒い影は苦しむように身をよじると、煙となって消えた。


「やった!!」


「よくやりましたね。アリアさん」


「はい!!」


セバスがシスターの一人を褒めた。


ユウヤはその様子を傍らで見ていた。他でも多くの人々が戦っている。


「子供たちの避難、完了しました!!」


「負傷者の搬送、あともう少しです!!」


礼拝堂にわずかな希望が広がる。


(こりゃ終わるのも時間の問題だな)


そう思ったその直後だった。


ぴたり、と攻撃がやんだ。


「……?」


飛び交っていた黒い針は空中で静止し、床を這っていた影も身じろぎ一つしない。


まるで、何かを考えているかのように。


すすすす……


教会一面を覆っていた陰が晴れていく。


「終わったのか……?」


そのとき、みしり、という音。

それらは徐々に大きくなっていく。


みしり、みしり、みし……みし……


教会の天井に大きなひびが入っている。


「上だ!!」


バキィッ!!


天井に巨大な亀裂が走った。



続く


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