26日目の育成
3月分 1/1
『遊佐 蕗+ 魔法使い
レベル 1288+67=1355
HP 1348+67=1415
MP 3924+201=4125
攻撃 1318+67=1385
防御 1318+67=1385
知性 2606+134=2740
精神 2606+134=2740
敏捷 1318+67=1385
SP 1287+67=1354
EXP 643906+33593=677499
NEXT 677500
スキル(+)』
『シトラス+ 光術師
レベル 2065+67=2132
HP 2070+67=2137
MP 6200+201=6401
攻撃 2070+67=2137
防御 2070+67=2137
知性 4135+134=4269
精神 4135+134=4269
敏捷 2070+67=2137
SP 4077+67=4144
EXP 1032230+33593=1065823
NEXT 1066000
スキル(+)』
『ユズ+ 闇術師
レベル 3+1075=1078
HP 63+1075=1138
MP 69+3225=3294
攻撃 33+1075=1108
防御 33+1075=1108
知性 36+2150=2186
精神 36+2150=2186
敏捷 33+1075=1108
SP 2+1075=1077
EXP 1163+537484=538647
NEXT 539000
スキル(+)』
『ニア+ 術師
レベル 3+1075=1078
HP 63+1075=1138
MP 69+3225=3294
攻撃 33+1075=1108
防御 33+1075=1108
知性 36+2150=2186
精神 36+2150=2186
敏捷 33+1075=1108
SP 2+1075=1077
EXP 1169+537484=538653
NEXT 539000
スキル(+)』
『キア+ 剣士
レベル 3+1075=1078
HP 69+3225=3294
MP 63+1075=1138
攻撃 36+2150=2186
防御 36+2150=2186
知性 33+1075=1108
精神 33+1075=1108
敏捷 33+1075=1108
SP 2+1075=1077
EXP 1169+537484=538653
NEXT 539000
スキル(+)』
さて、一夜明けたわけだが。
・・・一応想定通りといっていいのか。
目標としていた神化状態での千レベル、それを全員が達成したことになる。
今後は『所有経験値増加』のスキルを封印して、出来上がった体に技術をなじませていけばいい。
そこまでしてだれと戦うのかというと特に相手もいないのだが。
なんで俺はアノウスと戦う前提でレベルを上げているんだろうな?
・・・なぜかを考えてみても答えは出なかった。
多分育てられる時に育てておかないと、というゲーム的な考え方だろう。
その育成もこの辺りが限界だ。
シトラスが疑似出産という形で経験値を吐き出したように人としても神としても経験値を際限なく受け止められるようにはできていない。
みんながポコポコと卵を生み出したらわけのわからないことになってしまう。
『所有経験値増加』のスキルも役目を終えたようだ。
忘れないうちにスキルを休止状態に・・・、休止状態に・・・。できないな。
パーティーメンバーの配分比率を0%にすることはできる。
需給を0%にすれば供給側としてのつながりもなくなるので増加する経験値の総量は減る。
しかしスキルの持ち主であるおれは0%にできなかったのだ。
他の人ができるからてっきりできる物だと思っていたらとんだ落とし穴が残っていたわけだ。
言うて1%程度なのでじりじりと上がる程度で済む。
いつかおれも卵を産むことになるかもしれないがそのくらいは許容範囲だろう。
「1%ならまあいいか」
すでに千レベルを超えている身としては1%でも10レベル以上は上がってしまうが、シトラスが卵を産んでから安定している様子を見る限り2千レベルまでは安全に上げられるだろう。
「レベル上げも終わりですか。
やっと、終わったんですね」
育成方針を聞いていたシトラスが感慨深げに言う。
苦労も何もしてないのに最強集団が出来上がってしまった。
育成方針と目標を設定できたことで無軌道になりかねないレベル上げを終わらせることができた。
そういう意味ではアノウスに感謝するべきなのかもしれない。
「シトラスの目的もこれで達成になるのかな?」
シトラスは神々が溜め込んだ経験値という形のリソースを、奪い返して再分配したいと言っていた。
「そう、なるのですかね?」
おれに聞かれてもわからないけど、少なくともおれたちが溜め込める経験値はこれが限界だ。
コップのふちから水が盛り上がっているぐらいの詰め込み方をしている。
シトラスなんか一回こぼれたからな。
「おれたちにできることはここまでってことだろ、シトラスはよくやったよ」
シトラスの目的とおれのスキルのポテンシャルからいけばまだまだできることはありそうだけど、器が足りないのだから仕方ないだろう。
シトラスとしてもモヤモヤする所はあるだろうがチラチラと自分のお腹にある卵を見ないでほしい。
おれはポコポコ産んで貰うつもりはないからな。
振動を気にしたり瞑想に時間を取られたりでペースが落ちたりしたものの王都まではあと2日ってところだ、急いでしまえば今日中にも着ける。
道中も平和なもので山賊や魔物に襲われることもない。
「王都がとりあえずの目的地だけど、そのあとどうするか?」
強い魔物を求めて移動してきたがレベルが上がりすぎたせいで王都に着いたところで適正な相手はいない。
「子育てを、したいですね」
シトラスがお腹に手を当てて慈愛の目を向ける。
冒険者をやるという目的はどこに行ったのか、結局シトラスは戦う所を全然見ずに引退が決まった。
「子作りです」
「だゾ」
そんなシトラスをうらやましそうに見るニア。
キアも戦闘好きだった性格がすっかり丸くなってやさしい顔をしている。
「わしは何を見てるんじゃ?」
ユズは少し困惑気味。
元々戦闘要員でスカウトしたというか従魔になってもらったのに、あれよあれよと流されて子育て要員みたいになっている。
ユズには申し訳なく思っている。
冒険者の従魔として契約したはずなのに、初日から愛人のような扱いをされて戦闘らしい戦闘も今までやっていない。
レベルの上昇は喜んでいるようにも見えたが、上がった能力の試しどころがないのは強くなったことを実感できなくて物足りないものがあるだろう。
「出発するよ」
もう全員落ち着いたもので出発の準備でバタバタすることもない。
神化している事もあって、飛行魔法を憶えて大幅な時間短縮も出来るがそれを言い出すものもいない。
みんなが強くなり過ぎたことに戸惑っている最中だ。
飛行魔法どころか転移魔法すら扱える能力はあるだろう。
それでもわざわざ歩くのはこれからのことを考えつつ問題を先送りにしたいと言うおれの気持ちにみんなが同調した結果なのかも知れない。
先送りにしても足は進むし次の街は近づいてくる。
昼過ぎには次の街に着いてしまうが、そのままその次の街に行ってしまおうと言うものは誰もいない。
その次の街というのはもう王都だからだ。
当初の予定では王都に腰を落ち着けて、高レベルな魔物の討伐依頼をこなすつもりだった。
今となっては討伐をこなす必要も無くなったが。
「王都も通過することになりそうだな」
何気なく言ったがその方針はパーティーのみんなには不評だった。
「滞在しましょうよ」
シトラスがみんなを代表して言う。
おれも通過することには何のこだわりも無かったので即座に同意した。
「悪い、もともとその予定だったものな。
ちゃんと休むよ、なんだったらおれたちの旅は王都で終わりにしてもいい」
「そこまでは言っていませんよ」
おれをたしなめるようにシトラスが言う。
しかし口調に強さはない、シトラスの目的としてはどれだけ経験値を集めても足りないのだろうが、現実として器が不足している。
卵の中に経験値が保管されているのかもわからないし、パーティーメンバーを増やしたり自分のように卵を産ませるのも体裁も悪いし秘密保持の点からもよくない。
「なんか、育成も終わって力が抜けちゃったな」
「まだまだ頑張ってくださいよ」
隠居して縁側でくつろいでいる老夫婦みたいになってしまった。
まだまだやれることはあるはずだがそう簡単にできる事でもない。
例えばレベルの限界突破、経験値を貯める器を拡張する、もしくは予備のタンクがあればレベルを上げる余地はまだあるかもしれない。
あとは技術的な成長、スキルを伸ばす余地はまだまだあるしスキルに頼らない技術を身に着けることも基本的なステータスに上乗せする形の成長になるだろう。
技術的な成長をしたいなら模擬戦なりなんなりすればいいのだが、おれたちぐらいのステータスになると打ち合った木刀が粉々になるし、壊さないように魔力を込めると周りの木や壁がビリビリと震えて地震と台風が一緒に来たようになる。
街中では絶対無理だし、街道沿いでも割と迷惑なことになるのであまりやっていない。
「強い敵と戦いたいゾ」
キアの気持ちもわかる、せっかく強くなっているのに試せる相手が全然いない。
今度アノウスが来た時に怪しい動きでもしようものなら敵対してやろうかと思いかねない。
「いかんいかん」
いかんぞ、自分から仕掛けてどうする。
アノウスが敵対するそぶりを見せたわけでもない。
ただちょっと実力差があるため、人間を軽んじているだけだろう。
神様あるあるってやつだ。
いきなり頭を振って否定したおれにみんながいぶかしむ目を向ける。
キアなんかは自分が怒られたと勘違いしてシュンとしてしまった。
「強い敵がいないなってことだよ。
おれたちも荒事をする時期は過ぎたんだろうな」
冒険者として活動するには適切な強さがいる、弱くなって引退することもあれば強くなりすぎて引退することもあるだろう。




