8日目の方向性
12月分 1つ目
寝て起きたら10レベル上がっていた。
自分で言っておいて何言ってんだこいつと言いたくなるような言い草だ。
『遊佐 蕗
レベル 27+10=37
HP 61+20=81
MP 61+20=81
攻撃 29+10=39
防御 29+10=39
知性 29+10=39
精神 29+10=39
敏捷 29+10=39
SP 329+10=339
EXP 13099+5393=18492
NEXT 18500
スキル(+)』
「はわわ、2レベルも」
ニアはおれに対して土下座をすることを禁じられているので、おれの方を向かないように土下座している。
神様に対してかな?
ニアにとってはあの姿勢が落ち着くのだろう。
『ニア 術師
レベル 59+2=61
HP 119+2=121
MP 237+6=243
攻撃 89+2=91
防御 89+2=91
知性 148+4=152
精神 148+4=152
敏捷 89+2=91
SP 34+2=36
EXP 29466+674=30140
NEXT 30500
スキル(+)』
「少し慣れてきたナ」
キアは頼もしい、しかし目がぐるぐるしているのが見える。
やはり高レベルの人ほどレベルが上がることの大変さを身に染みているのだろう。
『キア 剣士
レベル 64+1=65
HP 252+3=255
MP 124+1=125
攻撃 158+2=160
防御 158+2=160
知性 94+1=95
精神 94+1=95
敏捷 94+1=95
SP 8+1=9
EXP 31724+674=32398
NEXT 32500
スキル(+)』
「これで転職できるようになったな」
転職というか就職の条件である30レベルを超えた。
物理と魔法の両方を伸ばしているので、最終的には無職が一番効率的なのかもしれないが一度は就職してみたい。
「そろそろ転職の神殿があるはずですから、今日は少し急いで街を2つ進みましょうか?」
ニアからの提案。
無職状態が落ち着かないことをよくわかっている。
「そうだな、そうしてくれるか」
昨日よりちょっと早く出て少しペースを上げる位だ、負担でも何でもない。
おれよりレベルの高い2人にとってもそうだろう。
朝食はスープだけ飲んでパンは道中でちまちま食べよう。
こちらのパンはまずいわけではないが固くて噛み応えがあり、食べるのに時間を使ってしまう。
また満腹になってしまうのも休みたくなってすぐに出発できなくなる。
街の外に出たら早速歩きながらパンを食べるおれたち。
「お行儀は悪いですけどおいしく感じますね」
「なんか楽しいゾ」
外で食べるとなぜかうまく感じる。
食べているのが一口サイズだけというのもあってスープでふやかして流し込むわけでなくじっくり噛み砕いているので甘みも増してお菓子を食べているような錯覚さえした。
次の街はどこにも寄らずに通り過ぎる。
最初の街から3つ目になるが何があるのかも街の名前も知らないままだ。
「最初の街ですら名前を知らないな、覚えてないだけか?」
聞いたような聞かなかったような。
「街の名前なんか旅でもしない限り気にしないゾ」
おれたち旅してるよね?
「移動しない一般の人はあまり話題にしませんからね。
冒険者や商人でも施設のある街を施設の名前で呼ぶくらいでしょうか」
施設と言えば転職の神殿の事か、これから行く街は戦士の街とか魔法使いの街って呼ばれてるんだろうな、正式名称が他にあったとしても。
じゃあ、最初の街は無職の街だったのか?
盗賊におそわれることもなく、盗賊におそわれている姫や商人に出会うこともなく本日2つ目の街に着く。
最初の街からは4つ目だ。
「大きな街ですね、そろそろ神殿があってもよさそうですが」
ニアたちはおれよりベテランだが街の事にはあまり詳しくはない。
主人を失ってからは街に入ることもなく、野宿で日々を暮らしていたことになる。
前の主人のことはぽつぽつと話してはくれるが詳しくは聞いていない。
どうやら何者かと争って、深手を負った主人に赤子を落ち延びさせるようにと託されて、その赤子も元々具合が悪かったようで旅の途中で息を引き取ってしまったようだ。
従魔の2人には頼る伝手もなく、おれに会った時には限界を感じて奴隷商人に身売りをすることまで考えていたようだ。
身の上話をするのも辛そうなので大まかなことしか聞いていない。
宿を取ってから冒険者ギルドに寄って情報収集をすると、この街には転職の神殿はないが東西南北に伸びる道の交差する場所になっており、交易の集積地となっている町らしい。
おれたちが来たのは東からの道で、西には王都、南北にはそれぞれ戦士の神殿と魔法使いの神殿がある街に続いているそうだ。
「北に魔法使いの街、魔法使いを養成する学園があるようですね」
学園ものか、通うとなる3年間とかかかるのだろうか?
学園というくらいだ、短くても1年は拘束されるだろう。
「南は戦士の街だナ、闘技場があるらしいゾ」
こっちは武闘大会でもありそうだ。
強い戦士もごろごろいそうだし武闘大会を見学すれば戦い方の参考にもなるだろう。
キアなんかは参加したがるかもしれないな。
「そうだな、じっくり考えたいし宿屋に戻って決めるか」
2人と一緒に宿屋に戻りステータスのスキル欄を開いてじっくり考える。
水魔法 -3
風魔法 -3
氷魔法 -3
雷魔法 -3
光魔法 2
闇魔法 -3
所有経験値増加 2-1
鑑定
収納
剣術 3
スキルポイントは329、今なら3つの属性ペナルティーを解消することができる。
『祝福』によって自然現象による行動制限はなくなったが、本来の脅威である魔法を受けてしまったら大ダメージは必至だろう。
闇魔法なら使い手も少ないだろうと楽観してペナルティーを残したら、そんなときに限って通りすがりのアサシンに狙われることなんかもあるかもしれない。
結局その場その場で致命的な弱点を解消するのがベストだと思い、今の状態でスキルポイントを遊ばせている。
「魔法使いになればスキルポイントの消費が30%少ないんだっけ」
その消費軽減がペナルティーの解消にも有効ならまずは魔法使いになりたい。
5種類の大弱点の解消に500スキルポイント必要だが30%オフで350?
大弱点の完全開放に現実味が見えてきた。
「ええ、そうですね。その代わり剣術などの物理攻撃のスキルポイント消費が30%増加します。
リーダーであれば剣術のスキルレベル3がありますので転職時に30スキルポイントが減少します」
剣術のスキルレベル3を取るのに100スキルポイント使ったから30%加算されて30ポイント失うのか、
完全開放が遠のいてきた。
いや待てよ?
「リーダーは光魔法も習得しているかラ、覚えた魔法も含めて60ポイント戻ってくるナ」
そうだそうだ、使ってしまった魔法のスキルポイントも戻ってくるんだった。
完全開放の現実味どころかスキルポイントも足りちゃうんじゃないのか?
転職後のスキルポイントが30減って60増えるから359スキルポイント!
全然足りる、これで真人間に戻れる!
「よし、魔法使いの街に行こう。
おれは魔法使いになる!」
就職先が決定した。




