それぞれの決着とリリアのこれから
優は頷いて
「うん、わかった」
と答えた。
リリアは微笑むと魔導宮を出して
「聞き届けよ」
猫の精霊ケット・シー
「二人を元の世界へ」
そのままお二人の元で守護を
と告げた。
黒猫がピョーンと現れ巨大化すると
「ケケケ、王様」
乗ッテイイゼ~
と告げた。
秀美は優を抱くと
「…お前巨大化できるんだな」
とぼやいた。
ケット・シーはケケケと笑うと二人を乗せて月に向かって空を駆け抜けた。
リリアはそれを見送り月に消え去ると振り返った。
「ランスロット、貴方にこの国を守る覚悟はありますか?」
ただ相手を殺したり倒したりだけでは何れフィマールは滅びます
「安寧こそ国の最大の守り」
時に王を諫め
「時に王と共に立ち向かう」
それが貴方にできますか?
ランスロットは息を飲み込むと
「…やります」
と答えた。
「この身に代えても…やり抜いてみせます」
時に王を諫め
「時に王と立ち向かう」
安寧こそ国の最大の守り
リリアは微笑むと
「では、私からノルド・マギを」
簒奪しなさい
と言い
「私は今日からフィマールのノルド・マギではなく」
リリア・ウェールズに戻ります
と告げた。
アーサーは「リリア殿」と呟いた。
リリアはアーサーを見ると
「アーサー王、それからランスロット」
私はただのリリア・ウェールズに戻って
「この国…いいえ、この世界の力の枯渇について調べようと思います」
その事でお力を借りるかもしれませんが宜しくお願いいたします
と告げた。
アーサーは大きく頷くと
「それこそお願いしたいことです」
お願いする
と答えた。
リリアは微笑み
「この世界を」
そしてあちらの世界を
「安定させることが秀美や優を守ることだと思うので」
と答えた。
「私は誰よりも二人を守っていきたいと思います」
ランスロットはリリアの凛とした姿に目を見開く静かに笑みを浮かべた。
この姿が本来の師の姿なのだと分かったからである。
「貴女がフィマールに対してその心を持ってくれていたら」
どれほど力強かったか
だが、その分だけ簒奪者として自分はノルド・マギの役目をはたして行かなければならないのだ。
そう心に誓うのであった。
リリアは城を出るとアーサーからの願いで王都に与えられた住居を拠点に動くことにしたのである。
リリアは新しい住まいの窓から外を見て
「ユグドラシルの種があの世界にある以上は」
私はこちらの世界の創世の力が安定するまで居て
「また種を探しに行かなければ」
真の問題の解決は種を探し出してこの世界に戻すこと
と呟いた。
「けれど、それを言うことは出来ない」
そう…師であるマリナ・ノルド・マギが言っていたようにユグドラシルの力を奪い合う戦いが起こるかもしれないのだ。
リリアは息を吐き出し
「その事も考えて行かなければ」
と呟いた。
フィマールから竜原口家へと戻った二人を確認するように一人の男が彼らの家の窓を見つめていた。
「…戻ってきたみたいだな」
男は銀行強盗の時に優に話しかけた男性であった。
秀美と優は家に戻ると、少し寂しさを感じながらリリアの部屋で眠っている巨大な黒猫を見ながら眠りについたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




