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異世界魔女と名刑事  作者: 如月いさみ


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レッツ ゴー ホーム

リリアがフィマールに残り一ヵ月が経った。


季節は晩秋の11月を迎え秀美は何時ものように事件の解決に奔走し、優は学校へ通いながら少し寂しい日常を送っていた。


ホンの5か月ほどであった。

リリアと暮らしたのは。


秀美は報告書を書いていた手を止めて小さく息を吐き出した。

「寂しいなんて…思っていねぇし」

魔法に翻弄されなくなってホッとした


そう言った横から

「そう言うことを言うこと自体寂しいんだろ?」

と修吾が笑っていい、携帯をポケットに入れると

「いま小酒井代議士の秘書が動き出したと連絡が入った」

行くぞ、秀美

と呼びかけた。


秀美は立ち上がると

「小酒井はずっと裏でダム利権で疑われていたが」

尻尾を出さなかったからな

と告げた。


修吾は肩を竦めると

「まったく、すかってばかりだからな」

と答えた。

「だが、やらねぇとな」


他の面々も次々とフロアを出た。


異世界魔女と名刑事


優は武人の家族と共に東京の巨大ショッピングモールに訪れていた。

土曜日で人は多くその中でケット・シーも連れてゲームのDVDを買いに来ていたのである。


リリアがいなくなり寂しくなっている優に

「ちゃんと、ゲームは一日1時間と守れるなら買ってこい」

と秀美がお小遣いをくれたのである。


優は武人と何をするか迷いながら

「このドランコの冒険は?」

ネットで一緒にできるよ

と告げた。


武人はDVDを手に

「だよなー」

優と一緒にしてぇし

と言い

「けど、DVDは出してくれるけど課金はうちの家ダメなんだよな」

とぼやいた。


優は笑顔で

「僕もだよ」

と答え

「でも、ここに夕方の4時から5時までなら無料って書いてるよ」

学校終わってすぐだし

「僕、兄に一時間だけって決められてるから」

と告げた。


武人は「よし!」というと

「これに決めた」

と告げた。


優も同じDVDを手に

「じゃあ、楽しもうね!」

と足を踏み出しかけて一人の男性に目を向けた。


携帯を手に中年男性が紙袋を持ってウロウロしていたのである。

優はケット・シーを見ると

「ケット・シー」

あの人を見張ってて

と告げた。


ケット・シーはケケケと笑うとソロソロと男性に近寄った。


会計を済ませて武人に

「ちょっと、お手洗い行ってくる」

というとケット・シーの後を追ってトイレへと向かった。


男性はトイレの中で携帯をしており優が入ると直ぐに目を向けて携帯を切った。


優は男性を見ると

「オジサン、大丈夫?」

と聞いた。


男性は驚いて

「え?」

と優を見た。


優は男性に

「だって、オジサンの様子おかしいから気になって」

さっきもゲームコーナーでウロウロしてる割に携帯ばかり気にしていて

「買い物に来ている様子じゃなかったし」

トイレでも僕が入っただけで戸惑ってる

と告げた。


男性は腰を抜かしかけて

「き、君は」

と指をさした。


その時、背後から若い男性が近付き

「良くないですね」

詮索好きというのは

というとスパナを振り上げた。


瞬間に背後から

「優に何をしようとしているのです!!」

許せません!

と声が響くと

「レビンアロー」

と稲妻が横の蛇口に落ちて水が男に向かって噴き出した。


中年男性は腰を浮かしかけて

「ひっ」

か、怪奇現象

と叫んだ。


男は舌打ちし

「くそっ」

と優に手を伸ばしたがそこに巨大化したケット・シーが

「ケケケ、イケマセンゼ」

俺ヲ怒ラセルナヨ

とシャーと爪を立てた。


…。

…。


中年男性は悲鳴を上げると

「やっぱり」

呪いだー

と叫び紙袋を手にしりもちをついたのである。


男は慌てて

「ばけものが!」

と踵を返すとリリアを押し退けて走り去った。


優は携帯を出して男の姿を動画で撮り、息を吐き出すとトイレの前に立っていたリリアを見つめた。

「リリア!」


リリアは両手を広げると

「優!」

と駆け寄った優を抱き締めた。

「あちらが安定したので」

こちらでやることもありますから戻ってまいりました

「またあちらへ行かなければなりませんが」

でも

「いつもお二人のことを考えておりました」


優は頷いて

「僕もだよ!」

と言い

「ありがとう、リリア」

と男性のところへ行き

「僕の兄は刑事なんだ」

だから

「オジサンの困ってることを話して相談に乗ってもらったらいいよ」

と告げた。


男性は泣きながら息を吐き出し

「…悪いことは出来ないってな」

そう思っていたんだよなぁ

と呟いた。


優は携帯で秀美に連絡を入れて、秀美はスカを食った後で話を聞いて駆け付けると男性を目に

「あ、小酒井代議士にダム建設の下請けの口利きをしようとしていた」

と告げた。


男性は頷き

「はい、そうでないと仕事がもらえなくて」

うちのような小さな会社はこうでもしないとと思って

と告げた。


秀美は息を吐き出し

「ゆっくり話を聞かせてもらう」

と言い、リリアを見ると

「お帰り」

と笑みを浮かべた。


リリアは笑みを浮かべて

「ただいま…帰りました」

と答えた。


小酒井代議士は偽の情報を流して囮に秘書を使い、その裏で本当の取引をしようとしていたのである。

それが男性の口から明らかになり小酒井代議士へと捜査の手が届くようになった。

また優が撮った動画に代議士の息子が映っておりそれが決め手となったのである。


リリアは優と駆けつけた武人と有栖川夫妻に挨拶をして彼らの車に乗って一ヵ月ぶりの竜原口家へと向かった。


優はリリアの手を握り

「今日の夜ご飯一緒に作ろうね」

と告げた。


リリアは微笑むと

「はい」

と答え、送ってくれた車から優と降り立つとマンションの一か所を見た。


懐かしい。

安堵する場所である。


魔導の塔でも。

フィマールでも。

何処にも感じたことのない気持ちであった。


リリアは握られた手を見て

「ホーム、なのですね」

と呟いた。


優は武人に手を振って

「ありがとう」

と答えた後にリリアに

「そうだよ、ここがね」

僕と兄とリリアのお家だよ

と言い

「さあ、帰ろう」

と足を踏み出した。


リリアのやるべきことは山積していた。

それでも、リリアは初めて自分の意志で歩き出したのである。


その一歩を踏み出させてくれた守りたい人がいる場所が今この目の前にある。


リリアは優の手を握り流れ込んでくる温かい力に心の中で

「必ず全てを解決して…ここで秀美や優とちゃんと暮らしていく」

2人を守って

そう心に誓って足を進めるのであった。


この時、空も風も大地も変わりなく穏やかな日常の光景を広げていた。


最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

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