それぞれの決着とリリアのこれから
高い天井に装飾の施された調度品が随所に置かれ、まさに王宮であった。
優は歩きながら
「ベルサイユ宮殿みたいだねー」
僕テレビで見たことあるよ
と呟いた。
秀美は笑いながら
「まったくな」
と言い
「第一王子だとか言われているが」
全く記憶にねーよ
と心で突っ込んだ。
記憶があるのは小学校に入る前くらいからである。
それも飛び飛びの記憶だ。
アーサーは重々しい扉の前に立つと
「ランスロットから秀美殿のことを聞き迷っておりました」
いや今も迷っています
と告げ振り向くと
「まさに兄に生き写し」
だが
「真に兄の子供だと…第一王子のヘンリー王子だという確証が必要です」
と告げた。
秀美は肩を竦めると
「俺は未だに信じられないし」
そんな証明するものなどないけどな
と答えた。
アーサーは扉を開くと
「秀美殿だけ、こちらへ」
と中へと誘った。
リリアはアーサーを見ると
「アーサー様」
と呼びかけた。
ランスロットはそれに
「アーサーさまはそいつがヘンリー王子なら王位を譲る心づもりがあると仰っておられた」
殺すつもりならとっくに殺しておられる
と答えた。
リリアはちらりと見て
「ランスロット」
と呟いた。
秀美はリリアを見ると
「優を頼む」
と言い中へと入っていた。
アーサーは中に入ると
「ヘンリー王子には胸元に痣がありました」
剣のような痣が
「それは兄にもあり代々王位を継ぐ者が持って生まれる痣だと言われております」
と告げた。
秀美は目を細めて、息を吐き出すと上着を脱いだ。
「一つ聞きたい」
あんた本気で俺に王位を譲るつもりがあるのか?
「本音を聞きたい」
アーサーは視線を下げると
「…国がそう決めたのならば」
心の準備は出来ております
と答えた。
秀美は胸の痣を見せて
「痣一つで…国を治められると思ってるのか?」
と言い、痣を目に苦く笑むアーサーを真っ直ぐ見つめた。
「痣は確かにある」
だがな
「俺にこんな見も知らない国を治める気持ちはない」
アーサーは秀美を見て
「だが、国が貴方を王にと決めているのです」
と答えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




