それぞれの覚悟
秀美は視線を動かして
「ああ」
と答えた。
「それでその女性はこんな女性か?」
優は見せられた二枚の写真の内の一枚を指して
「この人」
と告げた。
そして、指をさして
「向こう側に行った」
と告げた。
秀美は頷いて
「そうか」
と足を踏み出しかけた。
が、優は慌てて
「でもね、兄」
可笑しいんだ
と告げた。
秀美は足を止めて
「おかしい?」
と聞いた。
優は頷いて
「その女の人のバッグ」
入る時はパンパンだったんだけど
「出る時は凹んでた」
中に何か忘れたんじゃないのかなぁって
と告げた。
秀美は唇に指をあげて
「なるほど」
とニヤリと笑むと優の頭を撫でると
「サンキュ」
と言い
「今からピアノコンサートをリリアと行くんだろ?」
楽しんでこい
とリリアを見ると
「リリアも楽しんでこい」
と微笑んだ。
そして、携帯を出すと
「女子トイレには入れねぇから」
外ではっておくか
と呟いた。
優はそれに目を見開くと
「兄、いい方法があるよ!」
というとにっこり笑ってリリアを見た。
「ケット・シーに見張ってもらおうよ」
リリアは笑顔になると
「はい!」
と頷いた。
秀美は目を細めると
「魔法か?」
と不服そうに顔を顰めた。
「ダメだ」
優は笑顔で
「大丈夫」
黒猫さんだから
と告げた。
秀美は驚いて
「黒猫?」
ただのか?
と聞いた。
リリアは魔導宮を鞄から出すと
「聞き届けよ」
我が精霊ケット・シー
「秀美に従い見たモノを知らせよ」
と歌うように唱えた。
すると黒い猫がピューンと現れた。
リリアは水球を出すと秀美に渡した。
「これにケット・シーの見たモノが映ります」
秀美は「なるほど」と言い
「ありがとう」
と受け取った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




