急転
秀美も警察庁捜査二課のフロアに入ると
「よ」
と既に出勤して席に座っている修吾に声をかけた。
修吾は秀美を見て
「おい、腕どうした?」
と聞いて
「もしかして竜の落とした雷にあたったとか?」
と聞いた。
秀美は乾いた笑いを零し
「その雷の原因らしい男に突かれたは…言えないが」
と心の中で突っ込み
「実は棚を作ろうと日曜大工まがいのことをして失敗しな」
慣れないことはするもんじゃねぇな
と誤魔化した。
修吾は呆れたように
「おいおい、秀美が日曜大工って」
だから昨日の夜は竜が舞って雷が落ちたとかじゃねぇだろうな
と笑って答えた。
「いやー日本も天外魔境化しているよなぁ」
同じ時。
フィマールの魔導の塔ではランスロットが険しい表情で立ち尽くしていた。
「わが師は…まだ気づいていない」
しかし魔力が減少し出したこちらと違ってあちらは何故あれほど魔力が溢れているのか
「魔法を使っているわけではなさそうなのに」
マギに世界の魔力をどうこうする力はないはず
「だが師がいなくなってから確かに減衰を始めている」
ランスロットは息を吐き出すと
「とにかく今はフィマールの為に我が王をフィマールの王とする為に」
あの者には死んでもらわなければ
彼の後ろに一人の男性が姿を見せた。
「ランスロット」
男はそう名を呼び、足を進めた。
ランスロットは振り返ると跪き深く頭を下げた。
「王弟陛下…天がどのような王を選ぼうとフィマールを守って来られた貴方こそ」
フィマールの王
「必ず王代理ではなく真の王になっていただきます」
先代の王の実弟。
アーサーは息を吐き出すと窓の向こうの月を見つめた。
フィマールの空にもこの時は何時もの月が変わりなく姿を見せていた。
しかし確実に世界から魔力が薄れ始めていたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




