急転
優はそんなリリアを見つめ
「あのさ、リリア」
と声をかけた。
リリアは顔を向け
「何ですか?優」
と答えた。
優は笑顔で
「僕は兄の力になりたいから」
大きくなったら刑事になろうと思っているんだよ
と告げた。
リリアは「おおお」と笑みを浮かべ
「そうなのですか」
それは素晴らしいことでございます
と告げた。
「秀美の後継ということでございますね」
優は首を振ると
「違うよ」
兄と支え合って悪いことをして隠そうとする人とかをちゃんと法の下で明らかにしたいっていう事なんだ
と言い
「それは僕が決めたこと」
その為に勉強して
「色々なことを知って行こうと思ってる」
とにっこり笑った。
「だから、リリアもリリアがどうしたいかを決めて」
努力すれば良いと思うんだ
リリアは考えながら
「そうなのですね」
私は生まれ落ちた時からノルド・マギになるべく修行を受け
「先代から称号を受け取った後はフィマールの国の安定のために尽くしてまいりました」
誇りを持っておりましたし
「それ以外の生き方があるなど考えたこともございません」
と告げた。
「だから魔法が迷惑な今はどうすれば良いか迷っております」
秀美と優の側で生きて行きたいと思いますが
「私は魔法を使う以外にできることなどありませんでしたし」
する必要もありませんでしたから
優はそれにリリアの手を握りしめると
「そうなんだ」
でもね
「僕は一杯一杯…兄も口にこそ出さないけど」
リリアの魔法に助けられてきたよ
と告げた。
「リリアは別に魔法を抑える必要はないと僕は思うんだ」
それにね
「リリアが傍にいてくれるだけで僕は嬉しいし楽しい」
だから
「焦らずにリリアはリリアらしく」
これからどうするか考えても遅くはないよ
…だってリリアは精霊さんが僕と兄のところへ運んできてくれた守護者でしょ?…
「きっと魔法が使えない日本で」
魔法が使えるままリリアが来たこと自体にきっと意味があると思うよ
「だから、リリアの魔法を抑える必要はないよ」
リリアは目を見開くと
「優、ありがとうございます」
と微笑んだ。
2人は昼食に素麺を食べ、午後からはリリアは魔導宮を出して
「そうですわね、長らく魔法の勉強をしておりませんでしたが…私も勉強いたしましょう」
と新しい術の開発に取り掛かり始めた。
優はそれを見て
「リリアが元気になった」
良かった
と思いながら宿題を始めた。
穏やかな。
極々普通の時間であった。
が、その夜。
月が…地平から半分陰ったまま姿を現したのである。
その陰は徐々に月を侵食し東の空に上がる頃には完全な皆既月食となっていた。
優とリリアは夕食の準備をしながらテレビをかけていた。
夕方のニュースである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




