特殊猫で向かいます!
秀美は「ん?」と首を傾げ
「俺と…リリアに?」
とリリアの方に顔を向けて目を見開いた。
リリアはガスも使わず魔法で空間に炎を出してから揚げを焼いていたのである。
秀美は目を見開き
「ちがー」
と叫ぶと立ち上がった。
優はそれを見て
「…リリア…それもうから揚げじゃないから」
と何処か冷静に呟いた。
秀美は焼き上がった衣の付いた鳥肉を見て
「…ガス代は助かるが…」
と息を吐き出し不思議そうに見ているリリアを見た。
「リリア、火はこうするんだ」
そう言ってコンロに火をつけた。
リリアは目を見開くと
「これは…魔道具でしょうか?」
と驚いた。
秀美はハハッと乾いた笑いを零すと
「魔道具って」
と突っ込み
「リリアが来て二ヵ月近くになるから料理を教えるつもりだったが…先ずは器具の説明からだな」
と呟いた。
「俺達だけならそれでもいいが」
他の人がいる時はこっちを使え
「右に回すと着火」
左に回し切ると消火な
「やってみろ」
リリアは頷くと
「かしこまりました」
とつまみを掴んで右へ回した。
ポンと火が付き
「火が付きましたわ」
と叫び、左に回して切ると
「火が消えましたわ」
と笑顔で秀美を見た。
…。
…。
そこで喜ばれても、と秀美は思いつつ
「来た当初に比べたら表情も豊かになって…まあいいか」
と心で呟いた。
結局、その日の夕食はから揚げもどきのやきから揚げであった。
それでも味は美味しかったので秀美も優もリリアも笑顔で食事を終えることが出来た。
秀美はリリアが魔法を使うのを余り好ましく思っていないが…ただ一つ、夜の魔法灯だけは気にいっていたのである。
幾つもの柔らかい光の玉が空間に浮き淡い光が部屋を穏やかに包み込むのだ。
優は秀美の隣で寝ながら
「僕、リリアのこの明かり好き」
と告げた。
秀美は微笑むと
「俺もだ」
と答え、眠りに落ちた。
リリアはそんな二人の声を聞きながら微笑み
「フィマールでは味わったことのない気持ちが時々胸に沸き起こるのは何故かしら」
温かくて幸せな気持ちになる
と呟き、目を閉じた。
翌日、秀美はチラシのコピーを持って警察へ行きレディースハッピーカンパニーについて調べ始めたのである。
チラシの天草精密工業株式会社の実態なども同時にであった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




