82/290
扉の先にあるものは
扉の先には、白い空間だった。空には白い月が見える。
「ひろびろとしているね」
エリーが言う。世界にはボクたちだけで、入ってきた扉さえも消えていた。
「行こう」
ボクとエリーは道を行く。ロッサとミルクは、周囲を見渡している。
「なにかある」
白い空間の中にポツンとひとつ建物が見えた。おそるおそる近づいていく。
近くによるとステンドグラスがあちこちに付いたボロボロな建物だった。
「教会とか博物館とか美術館なのかな」
「うーん、家っていうより部屋っていう感じがするよ」
確かに部屋な気がした。あちこち傷んでいて、入口は開放されている。
「失礼します」
入口部分をコンコンコンと叩いて、聞いてみる。中にボクの声が響く。
そーっとのぞいてみる。中は薄暗く、かろうじて本があると月明かりでわかる。
中を調べるか、少し悩む。




