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おまじない

「学校の噂に、魚を見つめて願い事唱えて逃すと叶うかも、って言うのがあるよ」

「じゃあ急いでお魚さん捕まえようよ」

 空が赤くなり始めたころ、ようやく流れてきた桶を使って一匹すくうことができた。

「このおまじないは一人用だからあともう一匹いるよ」

「二人でやっちゃおう。日が暮れちゃうよ」

 エリーはボクの提案を受け入れ、お魚さんに視線を合わせる。


「私から言うね、すぐにでも魔法使いの学園があるウィステニアに行きたい」

 交互に願い事を唱える。

「無事にたどり着きたい」

「幸せになりたい」

「長生きできたらいいな」

 どうして、と互いに問いかける。じゃんけんをしてエリーが勝つ。

「寿命がね……少しでも長くエリーと一緒に暮らす。ボクの命がつきるまで」

「お姉ちゃん、ありがとう」

 魚がスルリと桶から抜け出し、トプンと川へ帰っていく。

 次の瞬間、視界は光に包まれた。


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