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いい夜

 階段前で眠っていた二人をベッドで寝かせ、ヒユリさんに診てもらう。

「魔法の使い過ぎですね。魔法を使うと疲れがたまりますから」

「お父さんやお母さん、お兄さんにもこう時期はあったのかなあ」

 私は家族を思い出す。家は代々魔法使いをしている。いうなれば名家になる。


「おやすみなさい、ヒユリさん」

「おやすみなさい、お嬢様」

 普通の子として扱ってほしい私はむずかゆくなり、部屋に戻る。


 夜空に降る星がひとつ流れた。エリーちゃんとアニーちゃんが思い浮かぶ。

 私を姉と呼ぶ二人が試験に受かるよう、星に願いを籠めた。

 目を開くと、庭の花壇が月に照らされていた。ふいに言葉がでてきた。


 養花雨を継いだ幾月、星々が 二輪の花を見わたしていく


 いまいちな気がする。コホンと咳払いして、もう一度夜空を見る。

「いい夜だね」


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