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朧月と十六夜と

「ドギー君を例に出せばよかったね」

「うさ」

「この第二巻の主人公さんはそういういろんな血を受け継いだ人なんだよ」

 月に白い雲がかかり始める。


「ボクもこうなれたら良いなって思ってさ」

 本をぱらぱらとめくる。

「ほかの種族の血が流れていたら良かったのにね」

「うさ」

 ロッサが首をかしげる。


(もし、もしも。ボクにもエルフの血が流れていたら、ボクがエルフだったのなら

エリーともっと一緒にいられるのにな)

 お兄ちゃんは調査中と言ってくれた話を思い出す。

(昔は種族に流れる時間は一緒だったんだよね…なんで変わっちゃったんだろう。

一緒のままだったら、エリーと居られたのに)

 月が完全に白い雲に覆われ、ぼんやりと光を放つ中、ロッサがボクを見つめる。


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