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櫛の思い出

「終わったよ、エリー」

「ありがとう、アニーちゃん」

 ボクはエリーに櫛を返す。

「去年の縁日に一緒に買った櫛だね」

「うん。買って交換したやつ。懐かしいよね」

 院長先生と下の子たちと夏に縁日でかけ、花火を見てそこで買った。

(あの浴衣まだ着られるかな)

 少し大きめだったからまた着たいなとは思う。


 歯を磨いて部屋から出ると、リン姉とが来ていた。

「お先いただきました」

「リン姉、今日は満月ですよ、すっごい月がきれいでした」

 エリーの声にボクが続く。

「そっか。きれいだったか。私もゆっくり月を見るね」

 リン姉はのほほんと返す。

「こんなきれいな月は久しぶりだよね、エリー」

「うん。去年の秋もきれいだったよね」


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