前へ目次 次へ 123/290 二藍色の猫 「靄(もや)かな」 「にゃーお」 ボクの言葉に猫が答える。鳴き声が周囲に響く。 「霧(きり)だと思うよ」 エリーも答える。 「にゃーお」 また、猫の声がする。声だけが周囲に響き渡る。 声の主を探す。白くかすんだ世界の中、土手や橋が視界に入る。 (あれはなんの花だっけ) すくすくと育っている花に目が留まる。その花の種類が気になった。 「霞(かすみ)だ」 「にゃーお」 霞の中、家の屋根から猫が姿を現す。 四本の足にそれぞれ靴を履いていて、毛の色は二藍色をしている猫だった。