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鏡とお兄ちゃん
部屋の明かりをつけ、荷物の整理を始める。背負っていたリュックから荷物を
次々に取り出し、整理していく。
「これで良しっと」
荷物整理を終え、部屋を見渡すと姿見がある。鏡で身だしなみをチェックした。
鏡にはボクが映っている。鏡の前で手を挙げた。鏡のボクも手を挙げる。
喜怒哀楽を表現すれば、鏡は同じ顔をした。鏡に映る青い瞳がボクを見る。
(あれ)
一瞬、ボクの右目が緑色に変わった気がした。
(気のせいかな)
気を取り直して、窓辺に向かい、空を眺める。月が輝いていた。
「あ、そうだ」
ボクは手鏡を手に持つと、コンコンコン、コンコンコンと何回かノックした。
この手鏡はお兄ちゃんから貰ったもので、こうすると会話ができる。
少し待つと、黒髪に緑をバレイヤージュした細い目の男性が映った。
「こんばんは、うつむき姫。無事にウイステニアには着けたかな」




